研究者業績
基本情報
研究分野
1経歴
10-
2018年10月 - 現在
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2016年4月
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2011年4月
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2010年3月
学歴
2-
- 2008年
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- 2000年
委員歴
9-
2021年 - 現在
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2018年 - 現在
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2017年 - 現在
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2017年 - 現在
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2016年 - 現在
受賞
4論文
100-
Skin Surgery 33(2) 43-50 2024年10月当科では高齢者の顔面皮膚悪性腫瘍に対して腹部からの全層植皮術を頻用している.2011年から2023年に全層植皮術を施行した高齢者の顔面皮膚悪性腫瘍180例(平均79.2歳)を集計した.採皮部は腹部が169例,耳後部・鎖骨部が11例であった.平均手術時間は腹部採皮例が37.7分,耳後部・鎖骨部採皮例が53.8分であった.腹部採皮例169例のうち,術後3ヵ月以上経過した臨床写真が確認できた37例において,整容面をgood(あまり目立たない),fair(やや目立つ),poor(目立つ),の3段階で評価したところ,goodが51%, fairが41%,poorが8%であった.高齢者の顔面皮膚悪性腫瘍への腹部からの全層植皮術は短時間で施行可能であり,整容的にも問題なく有用な方法と考えられた.(著者抄録)
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The Journal of dermatology 2024年9月30日 査読有り
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皮膚病診療 46(9) 810-814 2024年9月<文献概要>・薬疹を契機に診断したSjoegren症候群を経験した.・Sjoegren症候群は薬疹の発生率が高いことが報告されている.・薬疹を疑う皮疹を繰り返す症例では,基礎疾患としてSjoegren症候群の検索が必要である.(「症例のポイント」より)
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臨床皮膚科 78(10) 722-730 2024年9月<文献概要>爪白癬治療薬ホスラブコナゾール(F-RVCZ)は12週間連続投与後の経過観察期間中に受診しない患者が約60%に及ぶとの報告があり,F-RVCZの転帰不明患者が多く存在する.本研究では,F-RVCZの経過観察期間中にエフィナコナゾール(EFCZ)の追加投与を行ったときの治療継続率と治癒率を後ろ向きに調査した.調査対象のEFCZ追加投与なしとありの爪白癬患者はそれぞれ107例と60例であった.36週間の経過観察を完了した患者割合の治療継続率(44.9% vs. 81.7%)および経過観察完了時点での治癒率(27.1% vs. 55.0%)ともに,追加投与ありの患者群で有意に高かった.副作用は,追加投与ありの患者2例で出現を認めた.F-RVCZの経過観察期間中にEFCZを追加投与することで,患者の治療継続率が向上し,F-RVCZ投与完遂後のより正確な転帰を確認できる臨床的意義が示された.
MISC
520-
臨牀と研究 85(12) 1755-1759 2008年ロラタジンのPSGL-1に対する影響をマウス皮膚接触性過敏反応および健常人から得られた末梢血リンパ球において検討した。その結果、1)DNFB誘発皮膚接触性過敏反応における誘発48時間後の耳介腫脹は、野生型マウスに比べPSGL-1-/-マウスで有意な抑制が認められ、これは過去の報告とほぼ一致した。この耳介腫脹の抑制は、病理組織学的に浮腫反応および浸潤する単核球の減少として確認された。2)PSGL-1-/-マウスにロラタジンを投与したところ、野生型マウスの結果とは対照的にDNFB誘発後24、48時間ともにロラタジンによる耳介腫脹抑制効果および単核球浸潤抑制効果は示されなかった。この結果よりロラタジンの炎症細胞浸潤抑制効果にはPSGL-1を介していることが示唆された。3)ヒト末梢血リンパ球のフローサイトメトリーによる解析ではロラタジン投与によりPSGL-1の発現が有意に抑制されることが確認され、ロラタジンはリンパ球のPSGL-1発現を低下させることにより炎症性細胞浸潤を抑制している可能性が示唆された。
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Clin Exp Rheumatol 26(6) 998-1004 2008年
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J Rheumatol 35(11) 2214-2219 2008年
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Arch Dermatol 144(1) 41-48 2008年
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薬理と治療 36(1) 33-37 2008年塩酸エピナスチンの接触過敏型反応(CHS)における細胞接着分子に対する影響を検討した。C57B:L/6マウスおよびC57B:L/6バックグラウンドのP-セレクチンノックアウト(P-セレクチン-/-)マウス、E-セレクチン-/-マウス、PSGL-1-/-マウスを使用した。野生型マウスでは塩酸エピナスチンを投与してもCHSの反応に影響はなかった。P-セレクチン+マウスでは塩酸エピナスチン投与により、塩酸エピナスチンを投与していない群と比較してCHSは51%抑制された。E-セレクチン-/-マウス、PSGL-1+マウスでは塩酸エピナスチン投与による影響はみられなかった。P-セレクチン-/-マウスに塩酸エピナスチンを投与すると、炎症細胞浸潤は塩酸エピナスチンを投与していない群と比較して有意に抑制された。
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Skin Cancer 22(2) 111-115 2007年11月症例は58歳男性。既往歴に慢性B型肝炎あり。1996年頃から右臀部に小結節が出現し2003年頃から急速に増大して出血、疼痛を伴うようになったため、2005年3月15日当院を受診した。初診時、右臀部にドーム状に隆起する14×13×6cm大の骨様硬の巨大腫瘤を認め、中央は自潰していた。病理組織所見では、腫瘍はbasaloid cell、shadow cell、およびsquamoid cellで構成されており、大小不同で不整形な腫瘍巣の集合が不規則に間質内に浸潤していた。basaloid cellには核異型があり、核分裂像も多く認められた。以上の臨床、病理組織所見よりpilomatrix carcinomaと診断した。現在術後約2年3ヵ月経過し、再発転移は認められていない。(著者抄録)
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皮膚科の臨床 49(11) 1385-1388 2007年10月61歳男性。患者は近医にて眼および肺サルコイドーシスの経過観察中、左下肢の難治性潰瘍が出現し、著者らの皮膚科へ受診となった。受診時、左膝に80×55mm、左下腿に40×25mmの皮膚潰瘍を認め、病理組織学的に潰瘍底に乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫を認めた。以上より、本症例はサルコイドーシスによる皮膚潰瘍と診断され、治療として左下腿潰瘍に対し肉芽状組織の切除ならびに極薄分層植皮術を行なったところ、良好な上皮化治癒が得られた。一方、左膝部の潰瘍にはトリアムシノロンアセトニドの局注療法を試みたが早期治癒は困難で、残存潰瘍のデブリードマンと極薄分層植皮術にて治癒が得られた。また、初診時にみられた血清ACE値の上昇は、潰瘍の軽快・治癒後に正常化がみられた。
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日本研究皮膚科学会年次学術大会・総会プログラム 32回 135-135 2007年4月
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皮膚科の臨床 49(3) 299-305 2007年3月悪性黒色腫(MM)のメディカルリスクマネージメントとして、早期診断と治療に改善の余地があったと思われる12症例について検討した。その結果、以下の4点が重要であると解析された。(1)思い込み:小児期から黒子が多い場合や、「これもきっと黒子だろう」といった「思い込み」に注意が必要である。(2)安易な治療法:焼灼やレーザーなどでは病理検査が行えない場合が多く、また、パンチバイオプシーなど小生検では正しい病理診断がされないことがあるので、MMが少しでも疑われたら適切な手術もしくは全摘生検を行う。(3)病理診断:MMは時に良性との鑑別が困難であり、病理診断は100%正しいとは限らないことを認識する必要がある。(4)皮膚悪性腫瘍専門医の必要性:皮膚科医はdermoscopyと皮膚病理診断に習熟し、診断・治療・経過観察を一貫して行っていくことが重要である。
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Rheumatology (Oxford) 46(5) 790-795 2007年
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皮膚科の臨床 48(12) 1683-1685 2006年11月37歳女。右下腹部の線状紅斑を主訴とした。魚介類の刺身を摂取し、1週間後に症状が出現したこと、発赤が線状に移動したことよりcreeping diseaseを疑い、紅斑先端部約5cmを幅2cmで切除した。病理組織学的所見にて真層中層に毛髪を認め、周囲にリンパ球および好中球を主体とした炎症細胞浸潤を認めた。以上より、本症例は毛髪の皮内潜行と診断した。なお、日本における皮内潜行の報告は、今までに15例である。
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皮膚科の臨床 48(11) 1559-1562 2006年10月66歳男。患者は両眼瞼に浮腫性紅斑が出現し、顔面および両上肢にも網状紅斑が拡大した。精査の結果、抗セントロメア抗体陽性の皮膚筋炎と診断された。プレドニゾロン(PSL)50mg/日の内服で筋原性酵素は速やかに正常化し、皮疹も消退傾向を示した。一方、消化器系検査で胃潰瘍が認められたが、プロトンポンプインヒビターの内服を行うことで、2ヵ月後の再検査では胃潰瘍はscar stageへと改善していた。以後、PSLを20mg〜5mg/日まで漸減しても安定状態が維持されていたが、急に食後の嘔気・嘔吐を生じるようになった。経口摂取不良による脱水の治療と再度の精査のため再入院し、そこで画像所見等により胃癌、多発肝転移、膵浸潤が確認された。全摘出術を施行し、あわせて化学療法を継続した結果、目下は寛解状態が維持されており、再燃は認められていない。
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皮膚科の臨床 48(11) 1620-1621 2006年10月24歳女。患者は右肩甲骨上ににきび様の小腫瘍が出現し、急速にこれが増大し黒色調となり、更に疼痛を伴うようになった。腫瘤は15×8mm大、黒青色、表面平滑、弾性軟で、周囲には染み出し状の淡褐色斑を伴っていた。青色母斑、悪性黒色腫等を疑い、辺縁1cmを含めて筋膜上で腫瘤を切除した。その結果、病理組織学的所見では真皮上層から下層にかけて被膜を伴わない密な腫瘍細胞塊が認められ、腫瘍細胞は線維芽細胞様、あるいは組織球様を呈していた。また核分裂像や異型性はなく、一部にはstoriform pattern、foam cell、多核巨細胞も散見できた。一方、赤血球を充満した大小様々な裂隙と、それらを取り巻く多量のヘモジデリン沈着が認められたが、赤血球を満たした空隙の辺縁には血管内皮細胞を欠いており、直接腫瘍細胞に取り囲まれていた。以上、これらの所見より本症例はaneurysmal fibrous histiocytomaと最終的に診断された。
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皮膚科の臨床 48(5) 611-615 2006年5月34歳女.患者は全身性エリテマトーデス(SLE)を発症し,プレドニゾロンの内服で,腎症などの合併症なくコントロール良好であった.しかし,その後,発熱をはじめ頭痛,関節痛,咽頭痛が出現した.次第に経口摂取が困難となり,全身倦怠感,関節痛の増強,尿量減少,紫斑の出現が認められた.高度の脱水と循環不全を伴った急性腎不全,肝機能障害の病態であると診断し,十分な補液およびヘパリンの投与,更にデキサメタゾンの筋注を行い,プレドニゾロンの内服を第4病日目より再開した.その結果,全身症状も改善し,第18病日目には退院となった.現在,プレドニゾロンの内服で,通院経過観察中であるが,特に問題もなく蛋白尿も認められていない
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皮膚科の臨床 48(5) 617-619 2006年5月66歳女.患者は36歳時に白血球数減少,多関節炎,口腔内潰瘍,レイノー症状,顔面紅斑,抗核抗体陽性により全身性エリテマトーデス(SLE)と診断された.その後,発熱や倦怠感,呼吸困難が出現し,骨髄穿刺液HE染色像の所見から,栗粒結核が疑われた.抗結核薬を投与したところ,開始約1週間後には解熱となり,血液学的所見,呼吸器症状も著しく改善した.以後,通院加療が可能となり,抗結核薬の投与も10ヵ月で終了した.現在,セレスタミンの内服を行いつつ治療観察中であるが,SLE,結核ともに再燃せず経過良好である
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皮膚科の臨床 48(4) 561-565 2006年4月35歳女.患者は巨大色素性母斑(GCN)内に生じた皮下の小結節を主訴とした.3歳時に先天性GCNに対してドライアイス療法,27歳時に部分切除術を受けた.右大腿前面に皮下のしこりに気づき,徐々に増大したため切除生検が施行された.病理組織所見により悪性黒色腫(MM)と診断され,GCNから発生したものと考えられたが,全身検索の結果,明らかな遠隔転移はなかった.GCNの広範切除術,分層植皮術,右鼠径リンパ節郭清術を施行したところ,切除した母斑内に腫瘍細胞の残存はなかったが,郭清されたリンパ節の1/12個に転移像が確認された.半年後,大腿後面から臀部に残存する母斑切除を行い,GCNを全摘できた.1回目の術後から化学療法としてDAV-Feron療法を開始し,その後に5クールの同療法を行って慎重に経過観察中であるが,現在までのところまで明らかな局所再発・遠隔転移は認められていない
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皮膚科の臨床 48(3) 449-452 2006年3月75歳女.下腹部から陰部にかけての腫脹・発赤を主訴に受診した.蜂窩織炎を疑い抗生剤の点滴を行ったが改善しなかった.皮膚生検で転移性皮膚癌の所見を得,原発巣の検索で胃癌がみつかった.皮膚病変,胃病変とも印環細胞癌の組織像を示し,胃癌の皮膚転移と診断した.転移経路はリンパ行性と考えられた
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日本皮膚科学会雑誌 116(1) 61-70 2006年1月トキソプラズマ感染症は,免疫抑制状態にある膠原病患者における日和見感染症の一つとして知られており,しばしば髄膜炎や網脈酪膜炎などの症状を呈する.筆者らはトキソプラズマ感染症を併発した膠原病の2例を経験した.症例1は49歳,全身性エリテマトーデス(Systemic Lupus Erythematosus:以下SLEと略)・強皮症(Systemic Sclerosis:以下SScと略)のoverlap症候群の男性で,あとから筋症状が出現し,多発筋炎/皮膚筋炎(Polymyositis/Dermatomyositis:以下PM/DMと略)合併との鑑別診断に苦慮したが,トキソプラズマ抗体価の上昇が認められたこと,抗原虫薬投与により筋症状が消失したことから,トキソプラズマ症と診断できた.症例2は56歳の男性DMの患者で,治療中に眼トキソプラズマ症を発症した.ところでPM/DMの患者においては,トキソプラズマ抗体価が他の膠原病患者より有意に高率であると,欧米を中心に報告されている.そこで,当施設190例の膠原病患者のトキソプラズマ抗体価を測定して検討を行ったが,SLE,Sjoegren症候群(Sjoegren's syndrome:以下SjSと略),SSc,PM/DMで有意な差は認められなかった(著者抄録)
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日本皮膚科学会雑誌 116(1) 71-78 2006年1月70歳女性.2002年7月頃(初診の4ヵ月前)より全身倦怠感・顔面・四肢の浮腫が出現した.さらに,顔面・四肢の浮腫性皮膚硬化が増強して全身の色素沈着,労作時呼吸困難も認められるようになった.11月7日当科初診時には著明な高血圧が認められ,強皮症腎クリーゼを伴った全身性強皮症(systemic sclerosis;SSc)と診断した.ACE阻害薬を中心に厳格な降圧療法を施行したが,腎機能がさらに悪化して,初診から3ヵ月後には透析を開始した.間質性肺炎の併発も認められ,加療により小康状態が得られたものの,その後再び全身倦怠感・咳嗽が増悪するため心不全,肺炎が疑われて入院した.心不全・肺炎は治療により改善傾向にあったが,第16病日に急激な四肢の循環不全・意識障害を生じた.多臓器に血栓が認められ,lupus anticoagulant(LA)陽性であることから,劇症型抗リン脂質抗体症候群(catastrophic antiphospholipid syndrome:CAPS)と診断して抗凝固療法と血漿交換を行ったが,第27病日に永眠された.剖検所見では,左心室内腔・総腸骨動脈・左腎動脈などに多発血栓が認められた(著者抄録)
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皮膚病診療 27(12) 1441-1446 2005年12月51歳男.5年前に発熱,紅斑が出現し,プレドニゾロン(PSL)内服で軽快したが,自己中断後に再燃を繰り返した.顔面,頸部,胸部の露出部,背部に爪甲大の浮腫性紅斑を認め,一部は環状を呈していた.また,口唇炎,著明な眼科的乾燥症状を認めた.血液生化学検査で白血球5700/μl,CRP軽度上昇,抗核抗体は80倍,抗SS-A抗体,抗SS-B抗体陽性であった.紅斑の生検病理所見で表皮基底層の軽度液状変性と真皮浅層の血管周囲,附属器周囲のリンパ球浸潤を認めた.亜急性皮膚エリテマトーデスの皮疹を伴ったSjoegren症候群(SjS)と診断し,PSL 25mg/日で皮疹のコントロールは良好となったが減量で再燃するため,ciclosporin(CyA) 150mg/日を併用した.その結果,安定状態が得られ,PSL 7.5mg/日,CyA 60mg/日で皮疹は顔面に淡い紅斑を残すのみとなり,体幹部には多少の沈着を認めたが,瘢痕を残さず軽快した.発症後10年の経過で,SjS以外の診断基準を満たすには至っていない
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皮膚科の臨床 47(7) 981-985 2005年7月33歳女.約5年前に痂皮を有する結節が出現し,ステロイド剤外用により軽快していたが,今回,再燃がみられた.精査でも確定診断は得られず,ステロイド剤点滴と外用により皮疹は軽快したが,その後も軽快・増悪を繰り返していた.1ヵ月後,全身倦怠感,食欲不振に続いて発熱,下痢,嘔吐が出現した.膵グルカゴンは2420pg/mlで,腹部CTでは膵体尾部の腫瘍,肝多発性腫瘤を認めた.ERCPでは膵体尾部で膵管断絶を認めた.肝生検ではクロモグラニン染色,シナフィトフィジン染色,グリメリウス染色が陽性であった.膝部の皮疹は致死性遊走性紅斑に矛盾のない病理学的所見を示した.膵グルカノーマおよび多発性肝転移と診断し,化学療法,経カテーテル肝動脈塞栓療法等により血中グルカゴン値は低下し,腹部症状も軽快した.皮膚症状は安静とステロイド剤外用で軽快した
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皮膚科の臨床 47(7) 1009-1013 2005年7月74歳女.体幹にそう痒を伴う紅斑が出現し,次第に全身へ拡大した.皮膚生検により菌状息肉腫(stage 1B)であることが判明し,ステロイド外用療法+インターフェロンγ(IFN-γ)投与で皮疹は著明に改善したが,初診から3年8ヵ月目に菌状息肉症の大細胞転化を来たした.電子線治療を開始したが抵抗性を示し,リンパ節の腫脹,末梢血液中への異型細胞の出現など病勢は急激に悪化した.電子線治療の効果,年齢を考慮し,IFN-γを連日投与したところ,良好な結果が得られた.その後の経過も良好で,大細胞転化後約1年半の時点で緩解状態を維持している.IFN-γ投与中,IFN-γによる発熱,肝機能障害などの副作用はなかった.大きな副作用が少なく,一定の効果が得られる可能性のある治療法として,IFN-γ投与は試みる価値があると考えられた
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Skin Cancer 20(1) 33-38 2005年5月55歳女.47歳時,右第V趾背の腫瘤と痛みを自覚した.右第V趾にゴルフボール大の腫瘤が認められ,表面は壊死,潰瘍化して悪臭を放っていた.臨床所見より悪性腫瘍が強く疑われたため,右第V趾を中足骨頂部で切断全摘して断端形成を行った.病理組織所見よりspindle cell sarcomaを最も強く疑ったが,治療に消極的で受診が途絶えてしまった.その後,右大腿部の巨大な腫瘤のため歩行不能の状態となり,高熱と栄養障害を併発し救急来院した.右鼠径から大腿部にかけてバスケットボール大の巨大な腫瘤を認め,腫瘤は骨様硬で,中央は自壊し噴火口状に陥凹していた.右大腿部腫瘤全摘術と植皮術を施行し,術後経過は良好で歩行可能な状態にまで回復した.切除した腫瘍の病理組織所見は右第V趾の原発巣と同様であり,最終的に骨・軟骨への分化を伴う悪性黒色腫と診断した
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日本皮膚科学会雑誌 115(4) 591-595 2005年3月55歳女.患者は全身性エリテマトーデス(SLE)で慢性腎不全のため透析導入となった.ミゾリビンを内服していたが,右臀部の激痛を自覚し,右臀部から大腿部は広範囲に腫脹し,びまん性の紫斑が認められた.著明な圧痛を伴っていたが,熱感は欠如していた.MRIのT2強調像では筋膜-筋層にまで及ぶ高信号を認め,壊死性筋膜炎に合致する所見であった.一方,血液からはStreptococcus mitis(S.mitis)が検出され,デブリドーマンした組織からもS.mitisおよび黄色ブドウ球菌が検出された.全身麻酔下で緊急デブリドーマンを行い,局所の洗浄ならびに抗生剤,静注用γグロブリン併用療法に加え,エンドトキシン吸着療法を行なった.S.mitisは検出されなくなり,小康状態が得られたが,最終的には多臓器不全により患者は死亡となった
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皮膚科の臨床 46(7) 1005-1009 2004年7月68歳男.全身熱傷の既往があり,難治性の左足背の熱傷瘢痕部潰瘍の治療のため受診した.初診時に行った皮膚生検の病理組織所見では,壊死組織像のみであったが,臨床像より熱傷瘢痕癌が強く疑われ,切除術と遊離皮弁術を行った.全摘標本の病理組織検査では,過角化傾向を示す高分化型squamous cell carcinomaであった.術後peplomycin(PEP)による化学療法を施行したが右肺に間質性肺炎が生じ,PEPを中止し,ステロイドパルス療法にて軽快した.以後経過良好であったが,4ヵ月後に39℃台の発熱,CRP高値を示し,左肺に間質性肺炎が再燃した.ステロイドパルス療法により諸症状は改善した.PEP使用に関しては,間質性肺炎が遅発性に発症・再燃してくる場合のあることを念頭に置きつつ慎重な長期経過観察を行うべきと考えられた
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皮膚科の臨床 46(6) 939-942 2004年6月48歳女.指趾の有痛性紫紅色を主訴とした.眩暈発作を繰り返すも放置しており,今回,右手に脱力を自覚し当院神経内科を受診した.頭部MRIで脳内に高信号域病変の散在が判明し,多発性脳梗塞疑いで入院となった.治療中,四肢末端に径2〜3mmの有痛性紫紅色斑が出現してきたため当科受診した.臨床経過,血液検査,病理組織所見から,粘液塞栓の結果生じた皮疹であると考えられ,原因検査のために施行した心エコー検査では左房内に充実性の腫瘤を認め,左房粘液腫が疑われた.腫瘍摘出術が施行され,病理組織所見より最終的に心臓粘液腫と確定診断された.手術後約2週間で皮疹は消褪し,現在再発はない
書籍等出版物
29講演・口頭発表等
89担当経験のある科目(授業)
4共同研究・競争的資金等の研究課題
4-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2021年4月 - 2024年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 2011年4月 - 2015年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2007年 - 2008年
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 2007年 - 2008年
その他
1-
①組織におけるAID発現の定量評価方法、 ②組織における酸化ストレスの定量法、 *本研究ニーズに関する産学共同研究の問い合わせは藤田医科大学産学連携推進センター(fuji-san@fujita-hu.ac.jp)まで