田中 貴志, 加賀谷 斉, 尾関 保則, 藤井 渉, 飯田 隆俊, 柴田 斉子, 冨田 早紀, 石黒 百合子, 太田 喜久夫, 才藤 栄一
Japanese Journal of Comprehensive Rehabilitation Science 7(2016) 51-54 2017年1月
【目的】嚥下前,嚥下中,嚥下後誤嚥の分類を再考し,その信頼性を検討すること.【方法】嚥下反射中に生じた誤嚥をすべて嚥下中誤嚥とし,1回目の嚥下反射中の誤嚥をD-1,2回目以降の嚥下反射中の誤嚥をD-2とした.1回目の嚥下反射開始前に生じた誤嚥を嚥下前誤嚥Bと定め,それ以外の誤嚥をすべて嚥下後誤嚥Aと定義した.嚥下造影検査を行った212症例,400施行(平均年齢66歳)を対象として,後方視的に誤嚥の分類を行った.また,誤嚥を生じた20症例について,日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士4名による検者間,検者内信頼性の検討を行った.【結果】総誤嚥数はD-1,D-2,A,Bの順に多く,その頻度には食塊によるばらつきがみられた.検者間,検者内のkappa係数は順に平均0.68,0.85であった.【結論】われわれが再考した嚥下前,嚥下中,嚥下後誤嚥の分類は容易かつ十分な信頼性がある.(著者抄録)