織田 千賀子, 羽田 智恵美, 堀井 ひろ子, 坪井 菜緒, 小黒 由美子
愛知県看護教育研究学会誌 (17) 38-45 2014年3月 査読有り筆頭著者
本研究は、成人看護学演習についての学生の思いを基に、成人看護学演習で得た学びを臨地実習に活かすことができたのか検証し、臨地実習に繋がる演習であるのかを明らかにする。その結果を踏まえて今後の演習内容を検討し、見直しに役立てることを目的とする。対象は2年次に成人看護学実習を経験した40人とし、合計15項目の実習と演習に関する質問紙調査を実施し分析を行い考察した。学生の受持ち患者と演習事例が似通っており、演習での看護技術の項目も実習で経験している技術をカバーできていた。つまり、技術の反復練習や、既習の知識と技術を統合した場面設定から、臨地実習での援助がイメージ化でき自信に繋がったと考える。また、臨地実習において経験の機会が少ない看護技術についても演習で経験しておくことが、学生の緊張や不安を和らげることに繋がったと考える。しかし、周手術期の経過は早く、学生は看護過程の展開に困難さを感じており、演習の状況設定時期を見直す必要が示唆された。今後、学生の達成感を引き出し、自信に繋がる演習事例を検討し改善する必要がある。(著者抄録)