堀場文彰, 鈴木茂孝, 武岡さおり, 鈴木悠子, 小島浩司, 安保泰宏, 藤原雅也, 小栗宏次, 菱田仁, 渡邊佳彦
心電図 23(6) 614-620 2003年 査読有り
体表面電位図作成の簡略化のため, 経験的にあるいは統計的に誘導点を削減する試みがいくつか報告されている.誘導点の削減は体表面電位図の自動解析においても処理時間の短縮が期待できる.我々はこの観点より体表面電位図をニューラルネットワークに学習させて人間の経験を数値化し, 至適誘導点を見つけ出す方法を試みた.対象疾患は前壁心筋梗塞と下壁心筋梗塞とした, ニューラルネットワークで選択された誘導点は前壁・下壁心筋梗塞とも, 主に左前胸部と背面部に分布しており, 右前胸部は少なかった, 誘導点を削減する以前と後では, 敏感度・特異度・効率とも大差なかった.解析精度を損なうことなく, 誘導点数を半分以下にまで削減することができ, 処理時間を大幅に減少させうることが示唆された.