大宮 直木, 堀口 徳之, 田原 智満, 寺田 剛, 尾崎 隼人, 吉田 大, 前田 晃平, 大森 崇史, 城代 康貴, 生野 浩和, 小村 成臣, 鎌野 俊彰, 大久保 正明, 長坂 光夫, 中川 義仁, 柴田 知行
胃と腸 53(2) 221-225 2018年2月
共焦点レーザー内視鏡は,レーザー光と光学技術を使って生体組織を細胞レベルで視覚化するために開発された顕微内視鏡であり,現在使用可能なプローブ型は内視鏡の鉗子孔から挿入して使用できる.生体内の自家蛍光,または生体に投与された蛍光造影剤をレーザー光で励起し放出された蛍光を口径の小さな共焦点絞りを通すことで,細胞レベルまで鮮明に観察できる.その利点として,リアルタイムな仮想病理診断,適切な生検部位の選択や生検個数の削減,通常のパラフィン固定HE染色像で観察できない生体組織のダイナミックな観察(例えば脈管),蛍光造影剤の生体内動態の観察や,蛍光標識物質による分子イメージングなどが挙げられる.筆者らは小腸炎症性疾患に対して,バルーン内視鏡下プローブ型共焦点レーザー内視鏡を用いて通常の内視鏡では観察できないleaky gut症候群や脈管の異常を観察してきた.本稿ではその概要を述べる.(著者抄録)