岩田 正己, 平田 一郎, 加藤 良一, 赤松 北斗, 藤井 直子, 片田 和広, 丸山 尚子, 鎌野 俊彰, 田原 智満, 神谷 芳雄, 中村 雅彦, 藤田 浩史, 中村 正克, 長坂 光夫, 柴田 知行, 高濱 和也, 渡邊 真, 有沢 富康
胃と腸 43(4) 735-739 2008年4月
multislice CT機器の発達による高速化と高分解能により体幹領域のisotropic dataを獲得した.このことにより任意多断面再構成(multiplanar reconstruction;MPR)や曲面任意多断面再構成(curved multiplanar reconstruction;C-MPR)を用いることでCrohn病の消化管病変を評価することがある程度可能である.また,MRIでもT1WIのGd造影やT2WIで高信号になることが知られている.症例は,16歳女性で口腔内潰瘍,発熱,下痢で紹介され,注腸X線検査でアフタ様病変を認めた.その後の小腸X線検査で回腸に縦走潰瘍を認めCrohn病と診断した.回腸の縦走潰瘍に対して,CT enterography,MRIを行った.回腸の縦走潰瘍はCT,MRIで層状の腸管壁肥厚として認められ,C-MPRでは縦走潰瘍に伴う片側性変化として認められた.(著者抄録)