小村 成臣, 小山 恵司, 尾崎 隼人, 前田 晃平, 大森 崇史, 堀口 徳之, 城代 康貴, 鎌野 俊彰, 大久保 正明, 舩坂 好平, 長坂 光夫, 中川 義仁, 柴田 知行, 大宮 直木
胃と腸 55(9) 1171-1174 2020年8月
30歳代、女性。1型糖尿病と慢性腎不全に対する脳死膵腎同時移植術から2年後、6週間持続する下痢が出現し、当科へ紹介となった。大腸内視鏡では回腸末端にアフタの散在がみられ、盲腸には輪状傾向の幅の狭い潰瘍や瘢痕、散在性に不整形びらんが認められた。また、盲腸からS状結腸にかけては血管透見消失像、orange peel appearanceが観察された。以上、これらの所見を踏まえて、生検を行ったところ、病理組織学的に消化管GVHDと診断された。治療として膵酵素製剤の補充療法を行った結果、下痢は改善した。