芳野純治, 乾和郎, 友松雄一郎, 小坂俊仁, 若林貴夫, 小林隆, 三好広尚, 山本智支, 松浦弘尚, 成田賢生, 鳥井淑敬, 森智子
胃と腸 47(7) 1063-1071 2012年6月
1999年から3年間に行った注腸検査1,040例のうち大腸憩室は373例(35.9%)に認められた.大腸憩室は年齢とともに増加し,右側結腸では40歳代まで急激に増加したが,左側結腸では年齢とともに次第に増加し,右側結腸とほぼ同率になった.大腸出血性疾患557例のうち大腸憩室出血は55例で,出血部位は左側結腸40例,活動性出血を認めた例は7例,治療は外科手術1例,塞栓術1例,内視鏡的止血術5例であった.便秘症は56.4%,内服薬はLDAを含む抗血栓薬が43.6%,LDAを服用した者が27.3%,NSAIDsが25.5%であった.大腸憩室炎に伴う穿孔に対して治療を行った14例はS状結腸に最も多く発生し,内服薬はNSAIDs 5例,便秘薬5例,LDA 2例であった.(著者抄録)