研究者業績
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研究分野
1論文
1MISC
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泌尿器外科 20(10) 1289-1293 2007年10月新しい選択的α1A遮断薬であるシロドシンの射精障害を性活動期ヘルシーボランティア19例(平均;29.2歳)に協力して頂き検討した。シロドシン4mg×2回/日を5日間内服し、その前後で精液検査を施行した。結果は全例、絶頂感は内服前後で変わらなかったが、内服後では精液の射出を認めないかまたは精液量の減少を認めた。全例、可逆性で1週間以内には内服前と同じ状態に戻っていた。射精後の検尿では精子を認めず、射精障害の原因は逆行性射精ではなく、精液射出障害の可能性が高いと考えられた。BPH/LUTS患者に対する選択的α1遮断薬の適応の決定には、副作用としての射精障害の説明は重要である。(著者抄録)
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泌尿器科紀要 50(7) 497-499 2004年7月61歳男性.患者は下腹部不快感,排尿困難で受診し,直腸診で前立腺部に軽度圧痛を認め,慢性前立腺炎の診断でセルニチン・ポーレンエキスを投与し症状は軽快したが,CTで膀胱背側の左精嚢頭側に3×2cmの充実性腫瘍を認めたため手術目的で今回入院となった.直腸診では前立腺部圧痛は消失しており,前立腺はクルミ大で弾性硬であった.骨盤CTで膀胱後腔の左精嚢頭側にiso-densityな腫瘍を認め,MRIでは腫瘍はT1,T2強調像ともに低信号,辺縁は整で,造影では緩徐に濃染され内部は不均一であった.膀胱,直腸,精嚢との連続性はなく,後腹膜原発腫瘍と診断し腫瘍摘出術を行った.腫瘍は左精嚢の一部と癒着があり,精嚢の一部と共に摘出した.病理所見では腫瘍は分化の良い筋組織で満たされ,細胞異型は認めず,後腹膜原発平滑筋腫と診断した.術後約6ヵ月経過現在で再発は認めていない