堀口明彦, 石原慎, 伊東昌広, 浅野之夫, 伊藤良太郎, 志村正博, 清水謙太郎, 越智隆之, 林 千紘, 宇山一朗, 杉岡 篤, 前田耕太郎
日本消化器病学会雑誌 110(12) 2066-2072 2013年12月
膵がんはがん遺残のない外科切除(R0切除)が唯一長期生存を得ることができる治療法であるが,その長期成績は十分とはいえない.しかし近年,術後補助化学療法の組み合わせにより徐々に成績が向上してきており,R0切除後に早期に補助療法に移行する戦略は膵がんの予後を向上させるとの方向性が示された.また近年,ロボット支援を含めた腹腔鏡下膵切除術の導入で,術後早期のQOLを向上させ,早期に補助療法を行う戦略も報告されている.一方,初診時に切除不能な膵がんに対してはadjuvant surgeryを念頭に治療を行うことが重要である.浸潤性膵管がんに対する外科治療の現状と展望について概説する.<br>