松岡宏, 前田耕太郎, 花井恒一, 佐藤美信, 升森宏次, 小出欣和, 勝野秀稔, 野呂智仁, 本多克行, 塩田規帆, 遠藤智美, 松岡伸司
日本大腸肛門病学会雑誌 66(1) 7-12 2013年
進行大腸癌化学療法であるXELOX±BV療法の有効性・安全性を確認するための第II相臨床試験を計画した.[方法]主評価項目は奏効率,副次的評価項目は無増悪生存期間,安全性(手足症候群発生割合),治療成功期間とした.本試験では全例に対し医師,看護師,薬剤師によるチームで副作用対策に取り組んだ.この結果,副作用発現率の低下と相対的用量強度の維持に有効であったため報告する.国内I/II相試験であるJO19380試験での手足症候群(HFS)発現率はgrade2/3が17.2%/1.7%であったが当院では13.3%/0%と良好な結果であった.相対的用量強度は6コース時点でL-OHP 89.2%,Xeloda 91.0%で良好であった.またその効果はCR/PR/NC/PD割合がそれぞれ10%/56.7%/16.7%/3.3%で奏効率66.7%,病勢制御率96.7%と満足できる結果であった.[結語]今後も増加するであろう外来での抗癌剤治療では,自宅での管理がより一層重要となる.チームでの取り組みは今後更に必要になると考えられる.(著者抄録)