藤井 航, 馬場 尊, 才藤 栄一, 柴田 斉子, 小野木 啓子, 横山 通夫
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 8(1) 17-25 2004年6月 査読有り
ビデオ内視鏡(VE)を用いた健常例の嚥下反射運動の観察を行った.対象は,健常成人7名(男性5名,女性2名・平均年齢26.7歳)で,空嚥下(DRY),50%バリウム液の命令嚥下(COM)と咀嚼嚥下(MST),バリウム含有コンビーフ咀嚼嚥下(CBH)を内視鏡先端位置の高位,低位で観察した.喉頭蓋運動開始(OEE)は高位で47.5%,低位で81.0%が同定され,OEE前のWhiteoutの開始(OWO)が高位で50.0%,低位で16.7%であった.観察可能であった披裂間切痕閉鎖(CA)は高位で21.3%,低位で86.9%,低位ではOEE前に42.9%が同定され,嚥下様式別ではDRY38.1%,COM61.9%,MST42.9%,CBH28.6%であった.0EE前にCAを認めないのは28.6%,OWO前にCA同定が8.3%,CAをみないのは7.1%であった.喉頭蓋復位(RE)は高位で92.5%,低位で35.7%が同定され,Whiteout終了(EWO)時既にREが終了していたのは高位で5.0%,低位で34.5%であった