山北 高志, 鷲見 康子, 矢上 晶子, 鶴田 京子, 鈴木 加余子, 赤松 浩彦, 旭 宏, 内藤 健晴, 松永 佳世子
日本皮膚科学会雑誌 114(14) 2319-2326 2004年12月
掌蹠膿疱症(PPP)患者80名を口蓋扁桃摘出術(扁摘)施行群23例,扁摘未施行群57例に分け,扁摘の治療効果を検討した.扁摘によるPPPの「治癒」,「改善」を有効症例とした.扁摘施行群では「改善」以上が60.8%,未施行群では17.5%で有意差を認めた.扁摘施行群と歯科治療群16例とを比較した場合,両群の有効率に有意差は認めなかった.金属アレルギーがあると診断され,扁摘を行った8例では有効率75.0%であった.経口内服薬群17例との比較では,扁摘施行群で有効率が有意に高かった.扁摘後の皮疹の改善には個人差がみられ,6ヵ月までに皮疹の改善がみられ始めた症例が約7割を占めた.発症から扁摘までの期間が短いほど有効率は高かった.副作用・術後合併症についてアンケート調査を行ったところ,扁摘後に咽頭痛や皮疹の増加がみられたが,いずれも一時的なものであり,多くは扁摘による支障はないと答えた.扁摘はPPPに有効であると考えられた