Curriculum Vitaes
Profile Information
- Affiliation
- Senior Assistant Professor, School of Medicine, Faculty of Medicine, Fujita Health University
- J-GLOBAL ID
- 201501021354588661
- researchmap Member ID
- 7000013128
Research Areas
1Papers
9-
Case reports in dermatology, 6(3) 248-52, Sep, 2014The patient was a 13-year-old female. Six years previously, she developed alopecia areata when her parents divorced. One year after that, the bald area drastically expanded when her mother remarried. She was treated at her local hospital; however, no improvement was observed. She then visited our hospital for examination. A bald patch was covering >80% of her head. Self Grow-Up Egogram indicated the basic interpersonal relationship stance of 'I am not OK, You are OK'. We therefore implemented a transactional analysis approach to increase the patient's score on the Free Child subscale. New hair growth was observed after 6 months and the bald patch disappeared after 2 years. Our results suggest that this method could also be easily applied in a clinical setting by dermatologists.
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Allergology international : official journal of the Japanese Society of Allergology, 60(1) 97-101, Mar, 2011A 13-year-old girl who had had pollinosis since the age of eight began to experience itching of the ears and vomiting after eating fresh fruits such as peach, apple and watermelon. This occurred at 10 years of age. The girl displayed positive reactions to six kinds of pollens, eleven kinds of fruits, numerous vegetables and to recombinant: rBet v2 present in specific IgE antibodies. She also reacted positively to several pollens, fruits and rBet v2 in the skin prick test. In the component-resolved diagnosis (CRD) using microarray technology, she also tested positive for profilin, a pan-allergen among plants. It is reported that profilin cross-reacts between pollen, fruits, vegetables and latex. From these results, we concluded that the allergic reactions to multiple kinds of foodstuff and pollens observed in this subject were due to cross-reactivity induced by profilin. Our results demonstrate that CRD by microarray is a reliable test in the diagnosis of PFAS.
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Pediatric dermatology, 28(1) 23-5, 2011We present a case of primary Epstein-Barr virus (EBV) infection with erythema multiforme. A 1-year-old Japanese boy presented with skin eruptions, including typical target lesions and a low-grade fever. Just before the skin biopsy, 95 copies/μg DNA of EBV genome was detected in peripheral blood mononuclear cells, which subsequently increased to 6,834 copies/μg DNA. Skin tissue collected from the skin lesion showed the typical pathologic findings of erythema multiforme. EBV-encoded small nuclear RNA signals were not detected in the skin tissue by in situ hybridization.
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Internal medicine (Tokyo, Japan), 49(5) 409-13, 2010Drug rash with eosinophilia and systemic symptoms (DRESS), also known as drug-induced hypersensitivity syndrome (DIHS), is a severe adverse drug reaction affecting multiple organs caused by drug treatment. The current report describes a man who was prescribed zonisamide for epilepsy and subsequently developed widespread skin rash, acute kidney injury, high-grade fever, eosinophilia, liver dysfunction, lymphadenopathy and an increase in antihuman herpesvirus-6 immunoglobulin G titer. Hypersensitivity to zonisamide was confirmed by the skin patch test. Based on these findings, the patient was diagnosed with DRESS/DIHS caused by zonisamide. This is the first report of acute kidney injury due to zonisamide-induced DRESS/DIHS.
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アレルギー, 58(8) 1326-1326, 2009
Misc.
105-
Journal of Environmental Dermatology and Cutaneous Allergology, 8(5) 486-486, Nov, 2014
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Journal of Environmental Dermatology and Cutaneous Allergology, 8(5) 517-517, Nov, 2014
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日本ラテックスアレルギー研究会会誌, 15(1) 99-105, Dec, 2011現在ラテックスアレルギー対策用として使われている各種素材について総合的に評価した結果を下記の項目別に提示するとともに、ポリ塩化ビニルグローブが原因のI型アレルギーとして現在までに報告されている症例を提示した。1)新旧5種ラテックスグローブの抽出試験結果。2)ニトリルグローブの抽出試験結果。3)新旧5種ラテックスグローブの反射法FT-IRによる分析結果。4)NBR検査用グローブの機械特性。
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Visual Dermatology, 10(11) 1167-1169, Oct, 2011
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皮膚の科学, 9(5) 476-481, Oct, 2010BCG接種後の丘疹状結核疹の3例を経験した。症例1は5ヵ月,女児。BCGを接種した5週間後より四肢に丘疹が出現した。症例2は6ヵ月,男児。BCGを接種した1ヵ月後から四肢に丘疹が出現した。症例3は5ヵ月,男児。BCG接種した1ヵ月半後より全身に丘疹が出現した。病理組織学的に,3例とも真皮の血管周囲にリンパ球の浸潤と非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め,BCG接種による丘疹状結核疹と診断した。3例とも無治療で3ヵ月以内に略治した。1歳未満の散在性の丘疹をみた際,丘疹状結核疹を疑いBCG接種歴を聴取することが重要であると考えられた。(著者抄録)
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西日本皮膚科, 72(2) 106-110, Apr, 201040歳,女性。当科初診の約5週間前より背部の皮疹に気付くも放置していた。徐々に拡大してきたため近医を受診した。当科初診の約5年前にも同様の症状が両上肢に出現し,他院で精査加療を受けるも原因不明のまま陥凹病変が残存している。今回精査,加療を目的に当科へ紹介され2007年6月に受診した。右背部から正中を越えて皮下硬結,腫脹を,両下肢に圧痛,浸潤を伴う紅斑を認めた。検査所見ではLDH,フェリチンの著明な上昇,GOT,GPTの上昇を,病理組織学的所見ではリンパ球の浸潤を主体としたlobular panniculitisの像を呈し,bean-bag cellを確認した。さらに免疫染色ではCD4(-),CD8(+),CD30(-),CD56(-),CD68(+),EBV(-)であったことから最終的にsubcutaneous panniculitis-like T-cell lymphomaと診断した。プレドニゾロンを30mg/日より始めたところ,両下肢の紅斑は消退し,背部の皮下硬結も徐々に縮小し腫脹は軽減した。プレドニゾロンを10mg/日まで漸減した時点でLDH,フェリチンの著明な上昇と全身倦怠感,皮下結節,紅斑などの症状の再燃を2度認め増量を行った。初診から5ヵ月の時点でプレドニゾロン13mg/日で加療中であるが,皮膚病変,全身症状および検査所見の異常は認めていない。(著者抄録)
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Journal of Environmental Dermatology and Cutaneous Allergology, 4(2) 89-98, Apr, 2010[目的]2007年の香粧品による接触皮膚炎の動向について検討した。[方法]2007年に香粧品による接触皮膚炎を疑い、パッチテスト(PT)を行った61例を解析対象とした。PTは患者が持参した香粧品、ジャパニーズスタンダードシリーズ、原因に関連した当科常備のアレルゲンを48時間貼布し、72時間または1週間後にInternational Contact Dermatitis Research Group基準(ICDRG基準)で+以上を陽性とした。[結果]PTで陽性となり臨床症状と関連性があると診断した症例は10例であった。PTで陽性となった製品は染毛剤、口紅、保湿クリーム、UVクリーム、シャンプーがおのおの2例、ファンデーションが1例であった。[結論]2007年は当院において新製品の出現による新たなアレルゲンは認めなかった。(著者抄録)
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皮膚の科学, 9(2) 141-146, Apr, 2010患者1:55歳,男性。患者2:76歳,男性。患者3:91歳,男性。それぞれ近医にて抗ヒスタミン薬,ステロイド外用薬,ステロイド内服薬などを処方されていたが難治の皮疹を主訴に来院した。3例とも湿潤しない充実性丘疹と大きな皺に一致した皮疹の欠如を示しており,丘疹-紅皮症と診断した。悪性腫瘍の合併は否定的であった。これら3例に対しナローバンドUVB療法を施行し,計4~7回の照射で皮疹や自覚症状の軽減を得ることができ,約10回で皮疹はほぼ消失した。その後,軽度の増悪を認めたものの,3例とも照射終了から現在に至るまで皮疹の再燃は認めていない。その他の治療と比べ,その簡便さ,副作用の少なさから丘疹-紅皮症に対しナローバンドUVB療法は有用な治療法であると考えた。(著者抄録)
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皮膚の科学, 8(Suppl.12) 687-689, Dec, 2009【目的】ストレスによるアトピー性皮膚炎(以下AD)増悪の機序を明らかにするために,正常マウスとADマウスに慢性ストレスを与え,検討した。【方法】HR-1マウスとADモデルであるHR-ADfマウスに対し拘束ストレスを2週間与え,皮膚肥満細胞脱顆粒率,皮膚組織中サブスタンスP(SP)を測定した。【結果】肥満細胞脱顆粒率は両者でストレス負荷後に有意な差で増加した。SPはHR-1ではストレス前後で差はなかったが,HR-ADfではストレス負荷により有意な差で上昇していた。【結語】慢性ストレスはHR-1マウスと比較し,HR-ADfマウスに対してより多くの皮膚の肥満細胞脱顆粒を引き起こし,皮膚組織中SPを上昇させた。(著者抄録)
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日本ラテックスアレルギー研究会会誌, 13(1) 25-31, Dec, 2009フルーツ(バナナとキウイ)アレルギーについて、成人10例と小児8例とを比較検討した。小児のフルーツアレルギーは、成人のlatex-fruit syndrome(LFS)やpollen-food allergy syndromeとは異なり、クラス1食物アレルギーとして発症し、キウイアレルギーの3例は、いずれもAct d 1に感作されていた。成人においては、バナナアレルギーとキウイアレルギーは臨床的背景が異なり、アトピー性皮膚炎の既往の有無もアレルギーの種類に影響した。また、バナナアレルギーは小児、成人ともにアナフィラキシー症状などの重篤な症状を示しやすく、成人におけるバナナ特異的IgE抗体陽性例には注意が必要だと思われた。小児のフルーツアレルギーは、成人とは異なることが判明した。
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Journal of Environmental Dermatology and Cutaneous Allergology, 3(5) 449-458, Oct, 2009アトピー性皮膚炎(AD)の乾燥症状に対する保湿入浴剤(CDMB)の有用性を検討した。AD17例に乾皮症2例を加えた計19例を対象に、観察部位である上背部への外用薬および他保湿剤の使用をすべて中止し、さら湯入浴を2週間行うコントロール期間の後、本入浴剤を4週間連用して評価した。乾燥症状はさら湯入浴では改善がみられず、本入浴剤使用2週後より有意な改善が認められた。角層水分量および経表皮水分喪失量(TEWL)はいずれも有意差は認められないものの、本入浴剤使用2週後に76%の症例で角層水分量の上昇を、4週後には65%の症例でTEWLの低下が認められた。皮疹への悪影響も認められず、VASによる使用満足度も高いものであり、保湿剤を全身に塗布するのに比べて、浴槽に入れて浸かるだけの簡便性から、本入浴剤はADのスキンケア製剤の一つとして汎用すべきものと考えられた。(著者抄録)
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Journal of Environmental Dermatology and Cutaneous Allergology, 3(2) 78-85, Apr, 2009ストレスは免疫と密接に関連していると思われるが、疾患との関連については不明な点が多い。アトピー性皮膚炎(AD)もまたストレスとの関連が指摘されている疾患である。ストレスを研究するにあたり、さまざまなストレスモデルが提唱されているが、ストレスの種類により結果が異なる可能性も理解しておく必要がある。われわれは、報告も多く安定した実験結果が得られる拘束ストレスを選択し、当科で作成したアトピー性皮膚炎様モデルマウスに応用している。反復ストレスにより表皮の肥厚と血中TARC値の上昇を認め、さらに著明なマスト細胞の脱顆粒と皮膚組織中Substance P(SP)濃度の上昇が観察された。以上により、反復ストレスによりアトピー性皮膚炎が増悪することが実験的に示唆された。またストレス刺激により血中IL-18の上昇も観察され、SPのみならずIL-18もアトピー性皮膚炎様マウス反復ストレスモデルにおいてストレスと免疫系を結びつけている可能性が考えられた。(著者抄録)
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Journal of Environmental Dermatology and Cutaneous Allergology, 3(2) 86-93, Apr, 2009アトピー性皮膚炎(AD)患者は治療やセルフケアについて、さまざまな悩みを抱えている。そこで、われわれは2005年5月より「ADセルフケア教育入院」を開始した。本プログラムは16歳以上で、軽症から中等症のAD患者を対象としている。入院期間は1週間で皮膚科医、看護師、管理栄養士がそれぞれの立場からADについて講義を行っている。今回、われわれは、参加者に対して心身医学的検討を行うことにより、本プログラムの有効性について検討した。その結果、ADの重症度は変化しなかったが、visual analogue scaleでADについての理解が深まり、心理テストでは抑うつ、不安が有意な差で改善していることがわかった。また、退院1年後のアンケートでは全ての患者が「本プログラムに満足した」と回答した。以上より、本プログラムは疾患の理解につながり、さらには心理的ストレスの軽減につながることが明らかとなった。(著者抄録)
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Journal of Environmental Dermatology and Cutaneous Allergology, 3(2) 94-100, Apr, 2009目的:2006年に持参香粧品によるパッチテスト(PT)陽性だった製品を検討し、動向について報告する。方法:PTは患者が持参した香粧品、ジャパニーズスタンダードシリーズ、原因に関連した当科常備のアレルゲンを貼布した。試料を48時間貼布し、72時間または1週間後にInternational Contact Dermatitis Research Group基準で+以上を陽性とした。結果:美容液、シャンプー、ヘアトリートメントがおのおの3例、保湿クリーム、UVクリーム、口紅、染毛剤はおのおの2例、化粧水、ファンデーション、リップペンシル、マスカラ、ヘアコンディショナー、整髪料はおのおの1例が陽性だった。考察:陽性製品の内訳ではシャンプーが以前と変わらず多かった。しかし、陽性製品は多種であるため全ての製品を原因として考慮する必要があると考えた。結論:陽性製品の偏りはなく、過去の報告とも大きな変化はなかった。(著者抄録)
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口腔・咽頭科, 22(1) 49-54, Mar, 2009掌蹠膿疱症(以下PPP)に対する扁桃摘出術(扁摘)の有効性を検証するため、以下の検討を行った。1.Retrospectiveな検討【対象】PPP80例(扁摘群23例、未施行群57例)【方法】肉眼的観察により判定。【結果】扁摘施行群の改善率は60.8%と、未施行群と比較して有意な差で改善した。2.Prospectiveな検討【対象】PPP63例(扁摘群26例、未施行群37例)【方法】確定診断後、経過をprospectiveに検討した。効果判定は同様に行った。【結果】扁摘群の改善率は86.2%と、未施行群と比較して有意な差で改善した。【結語】以上二つの検討で、扁摘はPPP治療において有効であることが証明された。(著者抄録)
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日本ラテックスアレルギー研究会会誌, 12(1) 94-101, Dec, 20082004年4月~2008年6月の間に天然ゴムラテックス製品に接触後、即時型アレルギー反応を有した医療従事者14例、非医療従事者13例、元医療従事者1例の計28例を対象に皮膚テストを行い、結果をまとめた。血液検査としてCAP-FEIAでラテックス特異的抗体価を測定し、皮膚テストとしてプリックテスト、スクラッチテスト、使用テストを行った。その結果、プリックテスト、スクラッチテスト或いは使用テストが陽性であるラテックスアレルギー(LA)を8例(29%)に認めた。LA群と非LA群で職種、アトピー素因の有無、手術歴、CAP-FEIA値を比較したところ、LA群は医療従事者が少なく、アトピー素因「有り」の比率が低く、CAP-FEIA値が有意に高かった。また、LA群には頻回に手術・処置を受けていた非医療従事者が含まれていた。CAP-FEIAで陰性であった症例は皮膚テストも陰性で、陰性的中率は100%であったが、CAP-FEIA陽性例の中には皮膚テストが陰性である偽陽性が含まれ、陽性的中率は57%であった。LA 8例の重症度は、Kroghらの接触蕁麻疹症候群の分類でStage 1:2例、Stage 2:2例、Stage 3:2例、Stage 4:2例であった。重症度とラテックス特異IgE抗体価、皮膚テストの相関をみると、重症度Stage 4のラテックス特異IgE抗体価はStage 1より少なく、Stage 1は皮膚テストでas isの濃度で陽性を示したが、Stage 4は最も薄い濃度で陽性であった。
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Visual Dermatology, 7(6) 655-656, May, 2008
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Visual Dermatology, 7(3) 290-292, Feb, 2008
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アレルギー, 55(11) 1429-1432, Nov, 2006今回我々はサンマ摂取によりアニサキスに対する即時型アレルギーを呈した1例を経験したので報告する.症例は76歳男性で,サンマの押し寿司を摂取した3時間半後に痒みを伴う全身の膨疹と顔面浮腫,呼吸困難が出現した.アニサキスに対する特異IgE抗体,アニサキス抽出液を使用したプリックテストに陽性を示し,サンマの身と内臓はプリックテスト陰性であった.この結果から本例をアニサキスによる即時型アレルギーと診断した.アニサキスが寄生する魚介類は多岐にわたるが,サンマの寄生率は5%と低く,サンマ料理がアニサキスアレルギーを起こす原因魚介類になることは稀と考えられる.また現在アニサキスアレルギーの原因抗原としてトロポミオシンが原因であるとする説が有力であり,これを共通抗原とする他の食物などにも今後注意が必要であると考えられた.(著者抄録)
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Visual Dermatology, 5(11) 1109-1111, Oct, 200654歳女。両足底に軽度のそう痒感を伴う小膿疱と鱗屑が出現し、抗アレルギー薬の内服とステロイド薬の外用による加療をしていた。鑑別疾患として掌蹠膿疱症、手足白癬、異汗性湿疹、二次感染を併発した接触皮膚炎を考えた。手掌および足底の鱗屑病変からKOH直接鏡は陰性であったため真菌感染症は除外した。確定診断のため皮膚生検を施行した結果、角層内に単房性の膿疱を認めたため掌蹠膿疱症と診断した。金属アレルギーの有無確認のためパッチテストを施行した結果、0.5%pet.金属チオ硫酸ナトリウムに陽性反応を示した。アレグラ錠120mg/dayの内服とアンテベート軟膏の概要で治療を開始し歯科金属中に陽性を示した金12%含有が判明したため、金を含まない歯科材料に変更した結果、6ヵ月後には膿疱新生はほとんどなく軽快した。
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日本皮膚科学会雑誌, 116(3) 325-329, Mar, 20062002年7月から2005年6月までの間,当科で経験した有棘細胞癌(SCC)9例のSentinel node biopsy(SNB)について検討を行った.色素法と術前シンチグラフィーならびに術中ガンマプローブの併用によりSentinel node(SN)は100%同定された.SNが転移陽性であった症例が1例あり,SNB施行後に所属リンパ節を郭清したが,転移が認められたのはSNのみであった.他の症例はSN転移陰性であったため,所属リンパ節郭清は施行せず,経過観察を行っているが再発や転移は認められていない(平均観察期間15.8ヵ月).近年,悪性黒色腫同様にHigh risk SCCに対するSNBによって,予後判定や適切なリンパ節郭清を行うことができると,その有用性が示されている.しかし,いまだ大規模な調査がなされておらず,今後SNBのSCCへの適応を十分に検討し,ガイドラインの設定が必要と考えられた(著者抄録)
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皮膚の科学, 4(6) 521-526, Dec, 20052002年5月から2005年6月までの間,当科で経験した悪性黒色腫に対して行った13例のSentinel Node Navigation Surgery(SNNS)について検討を行った.経過観察期間は平均19.5ヵ月でSNNS後転移を認めたのは2例であった.色素法と術前シンチグラフィーと術中ガンマプローブの併用によりSentinel Node(SN)は100%同定された.SNの平均個数は2.3個であり,SN転移陽性率は8%であった.またSNが転移陰性であり,Non Sentinel Node(Non SN)に転移のあった症例,すなわちFalse negative例はなかった.Tumor thickness(TT)が1mm≧ではSN転移陽性の症例はなく,TT:1mm≦では陽性率が上がるため,TT:1mm≦の症例がSNNSの適応となると考えられた.SNNSは手術侵襲の軽減や予後を判定する上で非常に有用であると思われたが,今回検討した症例数は少ないため今後さらに症例を蓄積し検討したい(著者抄録)
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Visual Dermatology, 4(4) 386-387, Mar, 200523歳女.1997年にWilson病による肝硬変と診断され,D-ペニシラミン(メタルカプターゼ)800mg/日,ウルソデスオキシコール酸,混合ビタミンB群にて内服治療中であった.2003年頃から口内炎,2004年1月頃から体幹に水疱を伴う紅斑局面が出現したが放置し,2004年に多発する口腔内びらん,腹部・陰部・大腿内側の痒みを伴う皮疹を主訴に当科紹介受診となった.D-ペニシラミンを長期内服している経過から,本剤による水疱症と考えた.水疱,びらんで初発し尋常性天疱瘡の臨床像に引き続いて増殖性変化を来し,乳頭腫状の表皮肥厚と棘融解を認め,免疫染色(デスモグレインのELISA法)で陽性であることから増殖性天疱瘡と診断した.本剤を中止し塩酸トリエンチンに変更したが,新たな水疱の出現が続き,更には肉芽腫様皮疹に変化したため,再度皮膚生検を行った.病理組織所見では表皮突起が延長・棘融解しており,毛包周囲に好中球優位の細胞浸潤を認めた.プレドニゾロン30mg/日の内服投与を開始したところ,速やかに皮疹は軽快した