研究者業績
基本情報
論文
1-
CLINICAL TRANSPLANTATION 24 39-43 2010年7月 査読有り
MISC
4-
腎と透析 69(別冊 ハイパフォーマンスメンブレン'10) 204-206 2010年11月AN69膜ダイアライザを6ヵ月以上使用している維持透析患者7例(男性1例、女性6例、平均62歳、糖尿病性腎症1例・慢性糸球体腎炎ほか6例、平均透析歴274ヵ月、末梢動脈疾患合併2例・透析アミロイドーシス5例)を対象に、透析中の微小循環維持がもたらす臨床効果を確認するため、AN69膜ダイアライザ使用時の皮膚微小循環動態と循環血液量変化との関連を比較検討した。血液透析(HD)施行6例においてHD中のTcPO2比および循環血液量の経時的変化は症例間でのばらつきは認めたものの、HD開始30分までは各症例で類似のパターンを示し、それらの変化は緩やかであった。更に2例において循環血液量は開始1時間後まで増加傾向を示した。殆どの症例でHD中の血圧は安定しており臨床症状に大きな変化は認められなかった。アセテートフリーバイオフィルトレーション(AFB)施行中の末梢動脈疾患および透析アミロイドーシス合併例において平均TcPO2値(3回測定)は開始時31mmHgから開始45分48mmHgをピークに終了時41mmHgと有意に上昇していた。一方、循環血液量は変化率は30分まで殆ど変化せず、以後急速な低下を示した。AN69膜を使用した透析開始早期における微小循環動態と循環血液量変化率との間に関連性が存在することが推察された。
-
腎と透析 68(別冊 腎不全外科2010) 61-63 2010年4月末梢動脈疾患(PAD)を合併していない維持血液透析(HD)症例において、AN69XS膜ダイアライザーであるハイフラックス積層型H12ヘモライザー使用時の皮膚微小循環動態を検討した。対象はポリスルホン膜(PS膜)ダイアライザー使用中のHD症例5例で、平均年齢64歳、平均透析歴282ヵ月であった。両膜を使用して臨床検査を行った結果、平均右足背部経皮酸素分圧(TcPO2)比の変動は、AN69XS膜では開始後わずかに低下し、30分後にほぼ定常状態を示したが、PS膜では開始時から急激に低下し、15分のTcPO2比においてAN69XS膜との間に有意差が認められた。以上より、AN69XS膜はエチレンビニルアルコール膜と同様に微小循環への影響が少なく、優れた合成膜と考えられた。また、AN69XS膜では3ヵ月後のGeriatric nutritional risk indexは増加傾向にあり、症例数は少ないが栄養障害リスク減少効果も示唆された。
-
腎と透析 67(別冊 ハイパフォーマンスメンブレン'09) 189-191 2009年10月アクリロニトリル・メタリルスルホン酸ナトリウム共重合体(AN69XS)膜ダイアライザであるハイフラックス積層型H12ヘモダイアライザ使用時の皮膚微小循環動態を検討した。PS膜からAN69XS膜ダイアライザ(H12-3400)に変更し2週間程度経過後、さらに1週間後、PS膜(FX140)ダイアライザに変更した。各透析膜検査時におけるHD前後の体重変化は有意差はなく、時間除水量も有意差を認めなかった。HD開始時より血圧は徐々に低下したが、開始60分での膜間の有意差は認めなかった。さらに、120分後の血圧はPS膜に比しAN69XS膜で有意に低下していたが、明らかな臨床症状は認めなかった。HD開始後60分までTcPO2比は持続的に低下した。GNRIを用いた栄養スクリーニングでは、AN69XS膜ダイアライザを3ヵ月間使用した3例中2例において、栄養障害リスクの軽減を認めた。