舟橋 怜佑, 前島 伸一郎, 岡本 さやか, 布施 郁子, 八木橋 恵, 浅野 直樹, 田中 慎一郎, 堀 博和, 平岡 繁典, 岡崎 英人, 園田 茂
脳卒中, 40(2) 69-74, 2018 Peer-reviewedLead author
【目的】リハビリテーション(リハ)目的で入院した右被殻出血患者を対象に、半側空間無視の有無やその検出法に関与する要因について検討した。【対象と方法】対象は回復期リハ病棟に入院した右被殻出血103名で、発症から評価までの期間は40.5±27.4日。発症時のCTより血腫型を評価し、血腫量を算出して、半側空間無視がみられたかどうかや、その検出法を診療録より後方視的に調査した。【結果】半側空間無視は103名中58名(56.1%)でみられた。血腫量が多く、血腫が内包前後脚または視床に及ぶ広範な場合に半側空間無視は高率にみられた。半側空間無視の検出率は消去現象と注意で最も高く、次いで模写試験、視空間認知の順であった。【結論】回復期リハの時期でも被殻出血の半数以上に半側空間無視を認め、その発現には血腫量や血腫型が関与した。半側空間無視の検出に複数の課題を用いることで、見落としを大きく減らすことができた。(著者抄録)