秋田 浩孝, 松永 佳世子, 冨高 晶子, 鈴木 加余子, 上田 宏
アレルギー 49(5) 428-435 2000年
当科において1995年から1998年までの4年間に職業性ラテックスアレルギーを30例経験した.30例全例が医療従事者だった.30例において臨床症状とラテックス特異IgE抗体価, 皮膚テスト(プリックテスト, 使用テスト)との関連性を検討した.診断に最も有用であったのは皮膚テストであった.重症度と諸検査の結果を検討したところ, 重症度と最も関連性があるものは皮膚テストの結果であった.診断までに要した期間は平均21.2カ月であり, 診断が遅れた理由の中に自己判断により放置していたり, 内科医, 皮膚科医が喘息, 原因不明の蕁麻疹として治療している例もあった.年々増加傾向がみられ, 今後も啓発活動が必要であると考えた.