研究者業績
基本情報
研究分野
1論文
82-
Emerging Infectious Diseases 30(12) 2024年12月
-
Journal of medical virology 96(8) e29847 2024年8月To elucidate the seroprevalence and rate of asymptomatic infection with severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) in Japanese children, serological analysis was performed using serum samples collected from March 2020 to February 2023. A total of 1493 serum samples were collected during the first study period (March 2020 to February 2021). None of the serum samples was positive for SARS-CoV-2 antibody. In the second period (March 2021 to February 2022), seven of the 1055 patients (0.7%) experienced SARS-CoV-2 infection. The third period (March 2022 to February 2023) was divided into three terms: from March to June 30, 2022; from July to October 2022; and from November 2022 to February 2023. The seroprevalence gradually increased throughout this period, with rates of 6.0%, 18.6%, and 30.4% in the three terms, respectively. Pediatric cases of asymptomatic SARS-CoV-2 infection occurred after the surge of Omicron variants. Since none of the SARS-CoV-2 antibody-positive patients had a previous history of coronavirus disease 2019, the seroprevalence rate in this study may represent the rate of asymptomatic infection.
-
The Pediatric infectious disease journal 2024年2月28日We encountered a previously healthy 3-year-old girl with interstitial pneumonitis that initially developed due to human adenovirus type 2 infection and exacerbated by primary human herpesvirus 7 infection. A comprehensive serum biomarker analysis showed patterns that differed by viral infection, suggesting that respiratory and lymphotropic viral infections might have different pathophysiology in interstitial pneumonitis.
MISC
25-
小児感染免疫 30(3) 197-203 2018年10月目的:小児顔面神経麻痺における単純ヘルペスウイルス(HSV)または水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)関与の実態を調査した。対象と方法:2008年4月〜2017年3月の9年間に、顔面神経麻痺で当院小児科に入院した22例(中央値年齢5歳1ヵ月;8ヵ月〜14歳9ヵ月)を後方視的に調査した。入院時および回復期血清のHSVおよびVZVに対するEIA抗体価(IgGおよびIgM)を測定し、19例ではPCR法により血液からのHSVおよびVZV DNA検出を行った。IgM抗体陽性、IgG抗体価の有意上昇、ウイルスDNA検出のいずれかを認めた場合HSVまたはVZV関与とした。結果:22例中3例にHSVが関与し、9例にVZVが関与した。VZVの関与した9例中2例が水痘罹患後約2週間の発症、7例は抗体価からVZVの再活性化であった。ウイルスDNA検出例はなかった。8歳以上の7例全てがVZV再活性化で、うち2例はハント症候群を呈した。VZV関与例のうち2例が水痘ワクチン1回既接種で、水痘罹患後発症1例、VZV再活性化1例であった。全例が発症後5週間以内に麻痺の改善をみた。結論:小児顔面神経麻痺の55%(12/22)にHSVまたはVZVが関与し、8歳以上の7例全てにVZVの再活性化が関与した。水痘ワクチン定期接種化後のVZV関与の動向に注目していきたい。(著者抄録)
-
小児感染免疫 29(3) 227-233 2017年10月2008年4月〜2014年3月の6年間に、当院での小児のムンプス受診患者数は513例で、その中の91例(18%)が入院を要した。本研究ではこれら入院例について後方視的検討を行った。入院例は全例が血清学的にムンプスと確定診断されている。年齢は1.1〜14.9歳(中央値5.5歳)で、4〜6歳児が53%を占めた。入院理由は髄膜炎疑い63例、熱性けいれん9例、経口摂取不良7例、膵炎疑い6例の順であった。耳下腺腫脹を86例(95%)に、顎下腺腫脹を42例(46%)に認めた。56例(62%)が髄膜炎、1例(1%)が精巣炎を合併したが、脳炎、難聴および膵炎は認めなかった。全例にムンプスの既往歴はなく、ムンプスワクチン接種歴は未接種83例(91%)、1回接種7例(8%)、不明1例(1%)であった。ワクチン接種後罹患の7例は、IgMおよびIgG抗体価の推移から2次性ワクチン不全と考えられ、うち1例が髄膜炎を合併した。いまだに多数のムンプス自然感染患者が入院していること、そして2次性ワクチン不全によるワクチン接種後罹患の入院例も少なからず存在することから、ムンプスワクチンの接種率向上と2回接種の必要性が示された。(著者抄録)
-
臨床とウイルス 45(4) 203-211 2017年10月2014年4月〜2017年3月の3年間に、ロタウイルス(RV)胃腸炎と診断され入院した小児80例について後方視的に調査した。入院患者数は2014年度20例、2015年度30例、2016年度30例であり、以前に調査した2012年度の149例から大幅に減少したが、今回調査した3年間では患者数の減少傾向は認めなかった。また、年齢中央値は2014年度2.4歳、2015年度3.7歳、2016年度3.2歳であり、今回調査の年齢層は2012年度より有意に高かった。男女比は45:35で、集団保育歴を30例(37.5%)に認めた。全経過を通しての臨床症状の出現頻度は、下痢77例(96.3%)、嘔吐74例(92.5%)、発熱70例(87.5%)、ASTまたはALT高値27例(33.8%)、BUN上昇20例(25.0%)、電解質異常13例(16.3%)、低血糖8例(10.0%)であった。合併症として、けいれん6例、腸重積症1例を認めた。RVワクチン既接種は7例(8.8%)で、うち2例で遺伝子型検査が可能でありG2 P[4]、G3 P[8]であった。RVワクチン推定接種率は2012年度38%、2013年度53%、2014年度56%、2015年度61%、2016年度70%であり上昇傾向を認めた。
-
小児感染免疫 29(1) 9-15 2017年4月2008年4月〜2015年3月の7年間に、上部尿路感染症により97例の小児(日齢15〜15歳5ヵ月)が入院し、うち9例は反復入院であった。初回入院時の年齢中央値は5ヵ月で、男児51名、女児37名であった。77%が膿尿を呈し、45%にvesicoureteral refluxを認めた。分離菌97株のうち、Escherichia coliが70%と最も多く、Enterococcus faecalis 13%、Klebsiella pneumoniae 5%の順であった。E.coliの43%がampicillinに耐性を示し、25%がcefditorenまたはcefdinirに耐性を示した。また、E.coliの10%、K.pneumoniaeの20%がextended spectrum β-lactamase(ESBL)産生菌であった。ESBL産生菌が分離された8例のうち、4例は尿路に基礎疾患のない初発例であり、残る4例は基礎疾患を有していた。2004〜2006年にわれわれが行った調査成績と比較して、セフェム系経口抗菌薬の耐性率が上昇した。また、前回の調査にはなかったESBL産生菌が認められ、起因菌の抗菌薬耐性化傾向が示唆された。(著者抄録)
-
日本小児科学会雑誌 121(4) 693-697 2017年4月4年間にムンプスワクチンの初回接種を行った182名のうち、ムンプス罹患の有無を調査できた93名を対象として、ムンプスワクチン2回接種法の免疫原性・安全性を調査した。接種後罹患は5名で、接種から回答までの期間は平均3.3年であり、ムンプスワクチンの追加接種希望は32名(平均年齢5.8歳、平均接種間隔3.1年)で初回接種後抗体陽性率は94%であった。追加接種希望者の16%に不顕性感染によるブースター効果と思われる抗体価の上昇を認めたが、59%で抗体価低下、22%で抗体陰転化がみられ、接種間隔が長いほど抗体価が低い傾向にあった。追加接種後の抗体陽性率は100%で平均抗体価も有意に上昇し、副反応として発熱4名、局所反応2名、耳下腺腫脹1名を認めたが、追加接種後の発熱の出現率は初回接種後よりも有意に低かった。ムンプスワクチン2回接種法は免疫原性が高く、有用と考えられた。
共同研究・競争的資金等の研究課題
1-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 2021年4月 - 2024年3月