城田 淳, 佐久間 弘子, 増山 郁, 鈴木 奈緒子, 竹田 悠佳, 岡部 永生, 杉田 晃, 近藤 康人
アレルギー, 73(3) 290-293, May, 2024
症例は7歳女児.乳児期よりアトピー性皮膚炎の既往あり.祖父がエゴマを栽培しており,家族は日常的にエゴマ料理を摂食していたが,本児は好まず全く摂取していなかった.小学校の学校給食で初めてエゴマを摂食し,嘔吐,顔面腫脹,口腔内違和感が出現した.当院にてオープン法で経口負荷試験を行ったところ陽性となり,エゴマ粉末によるSkin Prick Testも陽性であった.さらにアレルゲン解析のため,エゴマのタンパク質を抽出してイムノブロッティングにて患者血清と反応させたところ,26kDa付近に陽性バンドが検出され,エゴマアレルゲンと推定された.本症例は家庭環境から経皮感作によってエゴマアレルギーを発症した可能性も考えられた.日本でのエゴマアレルゲン解析は初めてであり,貴重な症例と考える.(著者抄録)