島田 三恵子, 渡部 尚子, 神谷 整子, 中根 直子, 戸田 律子, 縣 俊彦, 竹内 正人, 安達 久美子, 村山 陵子, 鈴木 幸子
小児保健研究 60(5) 671-679 2001年9月 査読有り
全国47都道府県から層化無作為抽出法により,種々の医療機関の合計232ヶ所の1ヵ月健診に来所した母親4067名を対象とし,産後1ヵ月間の母親の問題,生後1ヵ月の乳児の問題,育児環境,希望する子育て支援サービス等について調査した.その結果,退院後大多数の母親が家事援助を得ていたにも関わらず,初産婦の73%,経産婦56%が睡眠不足で疲労感があり,20%が乳房トラブル,13%が育児放棄感や,自信喪失感を経験していた.乳児の問題は,初産婦の43%が母乳哺育,38%が皮膚の事,32%が乳児の不眠,22%が育児の仕方に関する心配事を抱え,経産婦の32%が皮膚の事,25%が母乳哺育,14%が睡眠に関することであり,全項目が初産婦に有意に多かった.育児支援として,夜間診療の小児科医の情報54%,保育料軽減など経済支援53%,一時預かり保育39%,24時間電話相談28%,予防接種実施法の弾力化26%,乳児健診や分娩施設での育児相談を20〜24%の母親が望んでいた