研究者業績

北本 憲永

キタモト ノリヒサ  (NORIHISA KITAMOTO)

基本情報

所属
藤田医科大学 医療科学部 臨床医工学分野 医療教授

研究者番号
30997078
J-GLOBAL ID
202401005688286333
researchmap会員ID
R000067645

論文

 76
  • 富永滋比古, 太田早紀, 北本憲永ほか
    体外循環技術 51(2) 149-153 2024年6月  査読有り最終著者
  • 大橋 篤, 杉山 征四朗, 家入 璃穂, 高柳 綾子, 北本 憲永
    日本消化器内視鏡技師会会報 (72) 285-286 2024年3月  査読有り
  • 北本 憲永, 内山 明日香, 鈴木 克尚, 佐川 雅俊, 平松 和也, 山内 健至, 豊田 理水, 鳥羽 好恵, 小久保 荘太郎
    日本手術医学会誌 42(2) 213-220 2021年7月  査読有り筆頭著者
    手術室において臨床工学技士がどのように医師や看護師と連携し、働き方改革に寄与できるか検討してきた。その中で特に医療機器が多く使用される内視鏡外科手術や各種治療装置、手術中のナビゲーション装置、整形外科関連のインプラント業務などの医療機器の準備や機器の接続、手術中の進行に合わせた操作介助などを中心に対応を進めてきた。また、その延長線上に清潔野での操作介助も実施されるようになり、臨床工学技士が得意とする分野で、清潔補助業務を看護から移行し、手術室を安全で効率的に運用することで手術室全体の働き方改革に寄与できる。公益社団法人日本臨床工学技士会から厚生労働省に提出している周術期管理の働き方改革の中に、麻酔科医不足をサポートする麻酔補助業務、外科医不足をサポートする内視鏡外科手術時の内視鏡用カメラを保持するスコピスト業務がある。いずれも医師の業務を補助することで麻酔科医と外科医に対する働き方改革になると確信している。いずれの業務も自施設で承認した上で実施していくこと。今後は各関連学会(日本麻酔学会、外科学会、内視鏡外科学会、日本手術看護学会、日本手術医学会など)と共同で教育をさらに構築し対応していく必要がある。(著者抄録)
  • 石井 宣大, 木村 政義, 百瀬 直樹, 高木 政雄, 北本 憲永, 佐藤 邦昭, 前川 正樹, 赤嶺 史郎, 岩崎 毅, 本田 靖男, 吉田 靖, 内野 順司, 高道 昭一, 野村 知由樹, 吉岡 淳, 真下 泰, 山下 芳久, 本 明子, 肥田 泰幸, 青木 郁香, 萱嶋 道徳, 本間 崇
    日本臨床工学技士会会誌 (70) 29-32 2020年9月  査読有り
  • Keisuke Hayashi, Takashi Hitosugi, Yoshifumi Kawakubo, Norihisa Kitamoto, Takeshi Yokoyama
    BMC anesthesiology 20(1) 81-81 2020年4月7日  査読有り
    BACKGROUND: Total hemoglobin (tHb) measurement is indispensable for determining the patient's condition (hemorrhagic vs. ischemic) and need for blood transfusion. Conductivity- and absorbance-based measurement methods are used for blood gas analysis of tHb. For conductivity-based measurement, tHb is calculated after converting blood conductivity into a hematocrit value, whereas absorbance measurement is based on light absorbance after red blood cell hemolysis. Due to changes in plasma electrolytes and hemolysis, there is a possibility that conductivity- and absorbance-based measurement methods may cause a difference in tHb. METHODS: In this study, test samples with controlled electrolyte changes and hemolysis were created by adding sodium chloride, distilled water or hemolytic blood to blood samples collected from healthy volunteers, and tHb values were compared between both methods. RESULTS: Conductivity-based measurement revealed reduced tHb value (from 15.49 to 13.05 g/dl) following the addition of 10% sodium chloride, which was also reduced by the addition of hemolysate. Conversely, the addition of distilled water significantly increased tHb value than the expected value. In the absorbance method, there was no significant change in tHb value due to electrolyte change or hemolysis. CONCLUSIONS: We have to recognize unexpected conductivity changes occur at all times when tHb is measured via conductivity- and absorbance-based measurement methods. The absorbance method should be used when measuring tHb in patients with expected blood conductivity changes. However, when using this method, the added contribution of hemoglobin from hemolytic erythrocytes lacking oxygen carrying capacity must be considered. We recognize that discrepancy can occur between conductivity- and absorbance-based measurement methods when tHb is measured.
  • 北本 憲永, 内山 明日香, 佐川 雅俊, 家入 瑞穂, 三浦 竜郎, 鳥羽 好恵, 小久保 荘太郎
    日本手術医学会誌 41(1) 76-81 2020年2月  査読有り
    手術室で麻酔科医が安全に安心して麻酔が実施できる環境を提供するため、日々模索し臨床工学技士(CE)が2018年より麻酔補助業務に参入した。CEが実施する麻酔補助業務は、挿管準備および介助、換気補助、抜管介助、気管内吸引、人工呼吸器の設定、モニタリングデータ評価補助、薬剤の準備、ルート作成と介助、薬剤接続および薬剤注入の選択ラインの確認、採血など麻酔科医から直接指示を受け実施する。また、神経ブロック介助、手術の体位固定、気管支ファイバーの準備と補助、麻酔記録の入力、物品管理、デモ機器の対応などを行った。その結果、麻酔科医が2名減少した環境でも麻酔補助CE2名が参加することで手術終了時刻は同様の手術症例でも延長することなく対応できた。また、麻酔導入に比較的時間がかかる手術でも、麻酔科医2名で対応した導入時間と麻酔科医1名と麻酔補助CE1名で対応した時間を比較しても同様に対応できた。麻酔科医に麻酔補助業務を実施したアンケート調査では『実施して良かった』、『業務負担が軽減した』と回答を得た。また、術前の情報収集や2名での麻酔導入となりダブルチェックが働き安全性も向上した。麻酔科医の視点で麻酔補助を行うことで準備や導入は円滑となり、安全性と効率は維持されたと考える。周術期管理チームの一員として、医療機器に精通した臨床工学技士の業務参入は麻酔補助業務に対して安全性と高い質に大きく貢献できると考える。(著者抄録)
  • Norihisa Kitamoto, Takashi Hitosugi, Yoshifumi Kawakubo, Keisuke Hayashi, Takeshi Yokoyama
    Blood pressure monitoring 25(1) 13-17 2020年2月  査読有り筆頭著者
    BACKGROUND: Noninvasive blood-pressure measurement device and pulse oximeter are important for patient monitoring. When these are placed on the same side, cuff inflation sometimes causes measurement failure by pulse oximeter. OBJECTIVE: The present study aimed to compare the pulse oximeter alarm frequency and pulse-wave disappearance duration between noninvasive blood-pressure measurement using the deflation method and that using the linear inflation method. METHODS: The study included 10 healthy subjects. The cuff for automatic sphygmomanometer was wrapped on one side of the upper arm and for pulse oximeter was attached to the thumb of the same side of upper limbs. RESULTS: The alarm frequency was 0 and 26% using the linear inflation and the deflation methods, respectively. Additionally, the pulse-wave disappearance duration was significantly longer using the deflation method than that using the linear inflation method (10.0 ± 1.5 vs 1.7 ± 0.8 s). With the linear inflation method, this duration was or less 3 s. In the deflation method, an excess pressure of 40 mmHg was used, which caused the alarm to turn on. Additionally, the heart rate was found to influence the alarm occurrence during measurement using the deflation method. CONCLUSION: Heart rate may influence alarm occurrence during blood-pressure measurement using the step deflation method. Using the linear inflation method, the risks of alarm occurrence and measurement failure are low, even when the pulse oximeter and blood-pressure measurement cuffs are installed on the same side, suggesting that this method is suitable for clinical use.
  • 大塚 紹, 北本 憲永, 吉岡 淳, 倉持 龍彦, 杉浦 正人, 竹川 英史, 肥田 泰幸, 田中 健, 統計委員会
    日本臨床工学技士会会誌 (65) 16-27 2019年1月  
  • 三浦 啓道, 北本 憲永, 神谷 典男, 増井 浩史, 広瀬 徳勝, 久保田 沙也香, 古山 大志, 藤井 洵希, 九島 裕樹, 秋元 聡子, 清水 圭太, 草場 嘉美, 大杉 浩一, 渥美 生弘, 田中 茂
    聖隷浜松病院医学雑誌 18(1) 28-31 2018年5月  査読有り最終著者
  • 増井 浩史, 富永 滋比古, 内山 明日香, 神谷 典男, 北本 憲永
    体外循環技術 45(1) 27-33 2018年3月  査読有り最終著者
    体外循環(cardiopulmonary bypass:CPB)中の酸素運搬量(DO2)に関する報告はあるが、動脈血酸素分圧(PaO2)に関する報告は少ない。今回、CPB中のPaO2管理について検討したので報告する。常温管理下の成人無輸血CPB症例を対象にPaO2を高値で管理した17例(H群)とPaO2を低値で管理した19例(L群)を比較検討した。AKIの発症はstage 1をH群で1例、L群で2例認めた。DO2、灌流圧、e-GFR、CPB中尿量に有意差はなかったが、SvO2がL群で有意に低く、乳酸増加量がL群で低い傾向がみられた。また、PaO2とSvO2に正の相関関係を認めたことから、PaO2を低値で管理することはHb結合酸素の消費を維持し、嫌気性代謝による乳酸の増加を抑制する可能性が示唆された。またCPB中最高血糖値がL群で有意に低かったため、glucoseの代謝についても維持される可能性が示唆された。CBP中はDO2を高値で維持し、PaO2を正常値に近い範囲で管理することで、Hb結合酸素の消費を維持する必要があると考える。(著者抄録)
  • 九島 裕樹, 北本 憲永, 神谷 典男, 広瀬 徳勝, 藤井 洵希, 田中 良樹, 増井 浩史, 村松 明日香, 久保田 沙也香, 杉浦 亮, 岡 俊明
    Therapeutic Research 38(1) 27-29 2017年1月  査読有り最終著者
    DDDペースメーカー(PM)植込み/交換時、PM本体にリードを接続する際、心房ノイズにトリガーして心室ペーシングされることがあり、接続に時間がかかればモードスイッチ(MS)に移行することも予想される。MSの際の基本レートは各社異なるものの、多くは設定レートと同じ、もしくは+10~20ppmである。今回、PM交換中のリード接続後に、設定された基本モードとは明らかに異なるペーシングで作動とするという現象を経験した。原因を明らかにするためメーカーに解析を依頼したところ、プログラマーのソフトウェアの不具合によりMS中の基本レートが不適切に管理されてしまうことが判明した。
  • 一杉 岳, 塚本 真規, 林 啓介, 北本 憲永, 藤原 茂樹, 横山 武志
    臨床麻酔 40(9) 1299-1305 2016年9月  査読有り
    製造企業の異なる3機種の20mLシリンジポンプを用いて、新たに開発された50mLの生理食塩液プレフィルドシリンジと1種類のディスポシリンジ(50mL)の経時的な注入量精度の比較を行い、その互換性についても検討した。シリンジポンプにはTE-351、SP-80s、SP-520の3機種を使用し、使用製剤には50mLディスポシリンジに生理食塩液、プロポフォール注射薬「1%ディプリバン注」を50mL、プレフィルド製剤の生理注シリンジである「NP」50mL、プロポフォール注射薬「1%ディプリバン注キット50mL」を使用した。各シリンジポンプに生理食塩液のプレフィルド製剤または事前に生理食塩液を50mL充填したディスポシリンジ50mLを装着して、1mL/hr、20mL/hr、100mL/hrの3種類の注入速度で流量を計測した。その結果、12種類の組合せの中で誤差が3%を超えるものはなかった。また、製造企業が異なる組み合わせの場合も注入誤差に有意差はなかった。経時的な注入量誤差は、設定流量が多いほど減少する傾向が認められた。また、シリンジポンプ注入量誤差は、シリンジの型番および設定流量の影響を受けることが示された。
  • 一杉 岳, 塚本 真規, 林 啓介, 北本 憲永, 藤原 茂樹, 横山 武志
    臨床麻酔 40(7) 1053-1058 2016年7月  査読有り
    各種シリンジおよびシリンジポンプの機種間の互換性において各種シリンジとポンプの経時的注入量誤差率について比較検討した。シリンジポンプには、テルモ社製TE-35P、ニプロ社製SP-80s、JMS社製SP-520の3機種を用いた。使用製剤には、プレフィルド製剤の生理注シリンジ「NP」20mLと生理シリンジ「オーツカ」20mLの2種類を使用した。さらに、テルモ社製ディスポシリンジ20mLに生理食塩液を20mL、プロポフォール注射薬「1%ディプリバン注」20mLを充填して使用した。プレフィルドシリンジおよびシリンジポンプの機種の12種類の組合せで、誤差が2%を超えるものはなかった。メーカーが異なる組合せにおいても、注入誤差に有意差はなかった。経時的な注入量誤差は、設定流量が多いほど減少する傾向を認めた。注入速度変化は、使用したシリンジによって変化し、生理シリンジ「オーツカ」20mLで大きく、事前に生理食塩液を20mL充填したテルモ社製ディスポシリンジ20mLで少なかった。生理食塩液とプロポフォール注射薬における注入誤差にも有意差はなかった。
  • 増井 浩史, 富永 滋比古, 村松 明日香, 神谷 典男, 北本 憲永
    体外循環技術 42(4) 412-417 2015年12月  査読有り最終著者
    急性大動脈解離では希釈性凝固障害などにより止血困難のリスクを伴うため、当院では凝固因子の補充を目的に新鮮凍結血漿(fresh frozen plasma:FFP)を人工心肺(cardiopulmonary bypass:CPB)回路内に投与している。今回、FFP投与のタイミングが与える影響に関して検討を行ったので報告する。弓部大動脈置換術を施行した21例を対象とし、充填時よりFFPを用いた12例をA群、復温開始後にFFPを投与した9例をB群とした。A群の術中総FFP輸血量、帰室12時間出血量・輸血量で有意に高値を認めた。フィブリノゲンは入室時から帰室12時間まで差がみられず、血小板数(PLT)は帰室12時間でB群に有意に高値を認めた。総蛋白(TP)はCPB中最低値でA群が有意に高かったが、これはFFP投与の影響によるものと考える。水分バランスに差がなかったことから、低体温を用いるCPBではTPを高く維持しても水分バランスには影響が出にくいと考える。A群で帰室12時間出血量・輸血量で有意に高値を認めたが、フィブリノゲン、PLTに差がなかったため、他の凝固因子活性の低下、消耗などを検討した。急性大動脈解離ではフィブリノゲンが消費された状態であり、CPBによる希釈性凝固障害が起こるためCPB中のFFP投与は有用であると考える。(著者抄録)
  • 原 真介, 鈴木 克尚, 北本 憲永
    聖隷浜松病院医学雑誌 15(2) 9-13 2015年12月  査読有り最終著者
    最近はいくつかの施設で、臨床工学技士(CE)が眼科手術における手術装置の管理などを手掛けているが、当院は最も早くからCEが眼科手術に参入し、必要不可欠な役割を果たしている。そこで、全国の先駆けとして初期からの経験と、現在まで手術がどのように変遷したか、対応内容と効率化について検討した。2004年度のCE本格参入時は468件であった手術件数が2014年度では1,292件と初年度の約2.8倍の手術件数が実施された。白内障では眼科手術機器の進化、手洗い方法の改善、患者さんの入替システムの改善が行われ、手術時間が2004年では15分であったのが2014年では8分と短縮された。人員配置も1件の手術に、医師2名、看護師2名、医療機器の担当のCE1名で実施していたが、2007年にはCEが清潔補助業務に参入し2014年には外来診療と手術件数を維持する目的で、CEが第一助手業務も行うことで、1件の手術に医師1名、看護師1名、CE2名体制へと変更し対応内容と効率化を推進した。(著者抄録)
  • 北本 憲永
    日本手術医学会誌 36(3) 202-206 2015年8月  査読有り筆頭著者最終著者
    厚生労働省の『チーム医療推進に関する検討会』の報告から、臨床工学技士の業務指針は2010年に改定された。日々高度化する医療機器に追従する必要があり、臨床の現場で臨床工学技士が必要とされている。当院では医療機器を安全に使用するために臨床使用するその瞬間の安全を担保するために手術室での業務展開を検討してきた。その結果、眼科手術関連全般、整形外科インプラント手術、脊椎手術、内視鏡手術、レーザー治療での外回り業務と清潔操作介助を展開してきた。また、基本業務として、麻酔の導入介助業務、立ち会い業務としては術中ナビゲーション装置、顕微鏡手術、自己血回収装置などにも対応している。術中の患者監視業務では、脳外科や脊椎手術などの誘発電位測定、ペースメーカ・ICD挿入患者さんの術中対応など、医師・看護とともに安全を担保できるよう努めている。マネージメントとして手術予定に対し、使用する医療機器の選定など医療機器把握表を看護師に提示しピッキングする体制とした。物品管理(消耗品含む)に関しても眼科、スポーツ整形、骨関節外科など清潔操作介助を100%看護から移譲したものは臨床工学技士で在庫管理を実施した。医療機器の購入は各科別には行わず、臨床工学技士が手術室として申請している。日々進歩する医療機器とともに、臨床工学技士に求められるニーズは変化している。医師・看護と協力し、手術室全般に関わることでチーム医療の一員として、その責務を果たす役割は今後も増加する。(著者抄録)
  • 丸尾 亜矢子, 古厩 裕美, 藤井 洵希, 広瀬 徳勝, 神谷 典男, 北本 憲永, 杉浦 亮, 岡 俊明
    聖隷浜松病院医学雑誌 14(2) 22-26 2014年12月  査読有り
    当院では、医師・臨床工学技士・看護師による職種混合の、いわゆるデバイスチームを発足し、デバイス患者の診療に関わっている。現在のチームとしての活動は、遠隔モニタリングシステム(RMS)を中心としたデバイス植込み周術期の管理となっている。看護師は主に患者への説明など、患者と直接関わる部分で介入している。看護師の参入により、患者の背景、生活状況の観察が深まり患者の日常生活の質の向上に繋がった。今後、患者の精神面での満足度向上の為ペースメーカー外来への参入、不安の多い小児患者への関わりも模索しているが、RMSの知識を持った看護師の人数が少なく、対応し切れていないのが現況である。外来、病棟、医療秘書課などとも連携し、看護師も含めたチームメンバー増員が望まれる。(著者抄録)
  • 清水 貴子, 林 泰広, 杉浦 亮, 番匠 千佳子, 中野 由美子, 小林 玲子, 北本 憲永, 田中 睦生, 内田 美加, 島田 綾子, 聖隷浜松病院医療倫理問題検討委員会
    聖隷浜松病院医学雑誌 14(2) 51-63 2014年12月  査読有り
    2001年度よりインフォームド・コンセントに関わるテーマで、院内討論会を年1回定期開催してきた。過去のテーマとして「第1回:ICにおける病名告知」「第2回:病名告知と予後告知」「第3回:複数課を受診している患者様にとっての科の連携を考える」「第4回:セカンドオピニオンについて」「第5回:『エホバの証人』の診療を考える」「第6回:患者が納得の出来る説明」「第7回:「DNRについて」「第8回:救命医療を最後まで全うするために-救命救急と臓器提供-」「第9回:『エホバの証人』の診療を考えるパート2」「第10回:あなたが今使っている『DNR』ってどういう意味ですか?」「第11回:急性期病院における高齢者医療の倫理的配慮について(講演会)」という内容で開催し、各科の医師や看護師等が抱えている問題が聴けたのではないかと考えている。2012年3月に倫理委員会より「終末期医療についての聖隷浜松病院の考え方」が示され「終末期の医療に対する希望書」の運用が開始した。それを受けて第12回は「患者が望む終末期にどう対応していくか」をテーマとした。日頃、救命救急の現場で終末期に関わる看護師、コードブルーを担当する循環器科医師、及び「終末期の医療に対する希望書」を多く受け取る病棟より発表を行い、当院職員よりアンケート調査を行った結果も踏まえ、院内討論会を行った内容を報告する。(著者抄録)
  • 神谷 典男, 広瀬 徳勝, 藤井 洵希, 田中 良樹, 増井 浩史, 村松 明日香, 大澤 真智子, 久保田 沙也加, 北本 憲永, 杉浦 亮, 岡 俊明, 小出 昌秋, 丸尾 亜矢子
    Therapeutic Research 35(2) 140-142 2014年2月  査読有り
    症例は10歳7ヵ月男児で、出生後多脾症、完全心内膜欠損に心内膜修復術を行い、2歳時に僧帽弁閉鎖不全症、洞不全症候群に僧帽弁形成術と恒久的ペースメーカー(PM)植込み術を行い、3ヵ月毎にフォローアップしていた。今回、PM電池消耗による交換目的に入院した。PM本体交換術後全身状態は安定し、創部もクリアで液体貯留もなく3日後に退院した。入院時に遠隔モニタリングシステム(RMS)について患者・家族の同意が得られ、すぐにPMメーカーのHome MonitoringのWeb登録を行い、カーディオメッセンジャーを退院に合わせて手配し、設置後Webにてデータの送信を確認した。現在、RMS上の異常は認めていない。
  • 鈴木 克尚, 北本 憲永
    日本手術医学会誌 33(4) 446-448 2012年11月  査読有り最終著者
  • 増井 浩史, 村松 明日香, 神谷 典男, 北本 憲永
    体外循環技術 39(1) 21-26 2012年3月  査読有り最終著者
    循環停止症例を除く成人体外循環(ECC)症例を対象とし、ECC中無輸血症例を最低ヘマトクリット(Hct)25%未満のL群と最低Hct25%以上のH群、ECC中輸血症例を最低Hct25%未満のBL群と最低Hct25%以上のBH群、心拍動下症例をC群に分け、ECC開始前(Pre)、ECC5分、ECC30分、ECC60分、ECC90分、離脱時、離脱後で乳酸値を測定した。Preと各測定ポイントでの乳酸値の変化率を算出し、無輸血症例、輸血症例、全群での比較検討を行った。無輸血症例の比較において乳酸値変化率が離脱時、離脱後でL群が有意に高値であり、常温ECCにおける組織への酸素供給はHctの影響を大きく受けると考えられた。輸血症例の比較では乳酸値変化率に有意差が認められず、輸血に含まれる乳酸が影響したと推測された。全群比較ではC群の離脱時の乳酸値変化率が他の全ての群と比べ有意に低値を示したことから、心拍動による拍動流は乳酸値上昇を抑制すると考えられた。(著者抄録)
  • 北本 憲永, 村松 明日香, 増井 浩史, 神谷 典男
    体外循環技術 38(2) 148-151 2011年6月  査読有り筆頭著者最終著者
    小児無輸血体外循環を行った心室中隔欠損症30例(体重20kg未満)について、血液希釈と末梢温度の関係について比較検討した。方法は体外循環開始時の末梢温度と体外循環終了後の温度を変化率で確認し、変化率10%以内のN群(n=14)、15%以上低下したL群(n=7)に分け、ヘマトクリット値(Hct)と最低静脈血酸素飽和度(SvO2)について比較した。結果、末梢温度は体外循環開始時および離脱時と変化率がN群32.2±2.8℃、30.7±1.5℃、0.96±0.05、L群34.7±1.7℃、28.7±1.7℃、0.83±0.01、離脱時のHctはN群25.0±3.7%、L群21.8±1.7%で有意(p=0.0093)に低値となった。SvO2はN群83.4±3.8%、L群82.0±4.6%で有意差を認めなかった。小児の体温管理は室温や血管拡張薬などの薬剤の影響も受けることから一概には言えないが、常温体外循環と高灌流量での管理を行っても、末梢での代謝が血液希釈により低下し、末梢温度の維持が行えなかったことが推測された。(著者抄録)
  • 増井 浩史, 村松 明日香, 神谷 典男, 北本 憲永
    体外循環技術 38(2) 174-177 2011年6月  査読有り最終著者
    多周波数インピーダンス方式にて人工心肺(CPB)を用いた手術の周術期から術後の体水分量分布を測定し検討を行った。入室時、開始前、開始5分、離脱時、modified ultra-filtration(MUF)後、帰室時、術後12時間、術後36時間に測定を行い、体水分率(体水分量/除脂肪重量)、細胞内液率(細胞内液量/除脂肪重量)、細胞外液率(細胞外液量/除脂肪重量)、浮腫率(細胞外液量/体水分量)について検討した。細胞外液率は入室時から標準範囲よりも低値を示し、術前の絶飲食の影響が推測された。開始前から開始5分でのそれぞれの変化率は不変または軽度の上昇のみであったが、これは低充填化とreduced priming(RP)やretrograde autologous priming(RAP)施行によるものと推測される。開始前からMUF後までのECWの変化量を算出すると-29.5±75.1mL/kgであり、CPB中出納バランスは-323.8±812.3mLであった。TPは開始前5.48±0.65g/dLに対し開始5分で5.47±0.53g/dLと保持され、またDUF、MUFの施行により血管作動性物質の除去が行われたことがCPB中出納バランスをマイナスバランスにした要因だと推測した。(著者抄録)
  • 村松 明日香, 神谷 典男, 増井 浩史, 北本 憲永
    体外循環技術 38(1) 45-48 2011年3月  査読有り最終著者
    当院の小児心筋保護液はSt.Thomas IIを改良した独自の心筋保護液(浜松液)を用いてきたが、2006年8月以降、症例によりアルブミン添加を試み、2009年8月からは九州大学方式への変更を行った。2006年1月~2010年9月の小児開心術219例において浜松液使用症例をA群(N=86)、アルブミン添加浜松液使用症例をB群(N=87)、九州大学方式を使用した症例をC群(N=46)とし、再拍動率、術後の心筋逸脱酵素(CK-MB)、カテコールアミン使用時間について比較検討を行った。再拍動率はA群91.9%、B群97.7%、C群95.7%であり、CK-MBは帰室時、ICU1病日、ICU2病日とも各群で有意差は認めなかった。カテコールアミン使用時間はB群がA群に対し有意(p<0.05)に長時間であった。アルブミン添加心筋保護液で高い再拍動率が得られたことより、心筋保護効果が高まったと推測された。しかしCK-MBやカテコールアミン使用時間では必ずしもアルブミン添加心筋保護液が低値を示さなかった。心筋保護の影響よりもCK-MBは心筋を切開するか否か、カテコールアミン使用時間は複雑心奇形など疾患の重症度に影響を受けることが推測された。(著者抄録)
  • 村松 明日香, 神谷 典男, 増井 浩史, 北本 憲永
    体外循環技術 37(4) 395-399 2010年12月  査読有り最終著者
    血小板機能は周術期の止血において重要な役割を担っている。2008年10月~2009年9月までに行った開心術138例で、IMI社製血小板凝集能測定装置:全血式WBAカルナを用いて周術期の6ポイントで血小板凝集能を測定し、血小板数および保存率、体外循環時間、出血量、輸血量などについて血小板凝集能との関係を調査した。結果、体外循環時間、手術時間が長時間になるに従い、血小板凝集は低下する傾向が見られた。周術期に凝集能が低下する割合は、off pump症例よりon pump症例で多かった。血小板数が多いほど凝集能は亢進している傾向にあった。プロタミン投与後、血小板凝集能が低下しているほど術中・術後の出血量は多い傾向にあった。血小板と新鮮凍結血漿輸血で凝集能は回復する傾向にあったが、新鮮凍結血漿単独輸血では回復傾向は見られなかった。今回の検討で、開心術で低下した血小板凝集能は比較的早く回復することが予測された。体外循環時間、手術時間ともに短縮することが血小板機能を温存するために有用であることが示唆された。(著者抄録)
  • 岩田 真智子, 鈴木 克尚, 北本 憲永
    日本手術医学会誌 30(4) 359-361 2009年11月  査読有り最終著者
  • 鈴木 克尚, 北本 憲永
    日本手術医学会誌 30(4) 361-363 2009年11月  査読有り最終著者
  • 北本 憲永
    日本臨床工学技士会会誌 (37) 125-127 2009年10月  
    1998年~2009年に実施した体重10~20kgの無輸血66例を対象に、充填量とHtの変化率、灌流量、最低中枢温、水分バランスについて調査し、小児における体外循環システムの現状を紹介し、過去10年間の充填量と臨床データについて報告した。1998年は567.6±93.7mLと高充填量であったが、ステリーシートの使用で、2001年には261.8±72.5mLと減少し、2009年にはFX05の使用により、半分の130.8±8.3mLとなった。Htの変化率では1998年59%まで低下していたが、2005年以降では無輸血の体重が低下しているのにも関わらず81.2~82.2%を保つことが可能となった。灌流量については1998年は120.3±14.4mL/min/kgであったが、最近は170mL/min/kg以上で管理を行っている。体温は28.4±1.2℃と中等度低体温であったが32℃以上で管理するようになり水分バランスもマイナス傾向へ変化した。体外循環システムの低充填化により、高度な血液希釈が行われず、常温体外循環が実施でき、高灌流量で管理することで末梢循環は改善され、水分バランスやアシドーシスの補正を必要としない生理的な体外循環へ近づくことが可能となった。
  • 村松 明日香, 神谷 典男, 岩崎 友香, 増井 浩史, 北本 憲永
    体外循環技術 36(1) 1-3 2009年3月  査読有り最終著者
    体外循環による血液希釈や低灌流量による脳への影響を確認する方法として、脳組織酸素化指数(TOI)はひとつの指標となる。2006年1月~2008年10月までに行った体重6~13kgの非チアノーゼ性疾患における小児体外循環45症例で、完全体外循環中の血算および血液ガスサンプリングの79ポイントを灌流量150mL/kg/min以下の低灌流量群と180mL/kg/min以上の高灌流量群に分け、灌流量、Ht値、PaCO2、SvO2について左右のTOI値との関係を調査した。結果、高灌流量群のTOI左右平均値は63.17±6.89、低灌流量群のTOI左右平均値は57.63±5.10となり、高灌流量群で有意に高い値(p<0.0005)を示した。相関を示したのは高流量群のPaCO2で正の相関と低灌流量群でPaCO2と負の相関が得られ、高流量群でPaCO2と左TOI値、Ht値と右TOI値、低灌流量群ではSvO2、Htで正の相関傾向が得られた。体外循環中の血液希釈の影響から脳保護は重要である。そのための指標として脳内酸素飽和度は有効だが、臨床上必ずしも各パラメータと相関関係にはなく予測できない数値も想定する必要がある。そのためにも高灌流量での管理を行うことが必要であると考える。(著者抄録)
  • 増井 浩史, 村松 明日香, 神谷 典男, 北本 憲永
    体外循環技術 36(1) 11-14 2009年3月  
    輸血量および体外循環(CPB)中の輸血方法が患児にどのように影響するか調査した。体重5kg以下で離脱前に血小板(Plt)3単位を投与した症例を対象とし、初期充填血液にMAP加人赤血球濃厚液(MAP)3単位を用いたA群、MAP2単位を用いたB群、充填時にMAP1単位および術中にMAP1単位を持続注入したC群に分類した。ヘマトクリット値(Ht)、Plt数、出納バランス、タンパク、開始前後の平均血圧、CPB後輸血量を比較した。輸血量の比較ではCPB中のHtがA群で有意に高値を示したがCPB後は有意差がなく、CPB後輸血量にも差異がないため、当院のCPBシステムはMAP2単位の初期充填が適正であると考える。輸血方法の比較ではC群が出納バランスで有意に高値を示し、CPB初期にPlt保存率で高い傾向が見られた。CPB開始時に流入する血液量の減少が患児へのストレスを低減させ、出納バランスに影響を与えたと推測された。現在の手法を改良することで、更にCPBにおける輸血のストレスを低減できると考える。(著者抄録)
  • 中村 智裕, 横山 真司, 大嶋 義博, 吉川 貴則, 北本 憲永, 岩城 秀平
    体外循環技術 36(1) 15-17 2009年3月  査読有り
    小児用人工肺では世界で初めて動脈フィルター内蔵型人工肺CX-FX05が発売された。CX-FX05は中空糸バンドルにスクリーンフィルターを密着して巻くことによって、ファイバー内層圧力と中空糸内との圧格差を利用したセルフベント機構によって気泡を除去している。牛血を用いた実験にて連続的に空気を送り込んだが、人工肺出口において臨床的に意義のある40μm以下の気泡は検出されなかった。臨床使用においても、従来から使用しているCX-RX05と同等の性能であり、酸素加能、炭酸ガス除去能などにおいて有意差は認められなかった。これまで使用していた動脈フィルター充填量とほぼ同じ量の回路充填量削減ができ、無輸血開心術症例においては人工心肺離脱時およびMUF後のHct値の上昇が認められた。しかし、これまでの動脈フィルターとは異なるため、人工肺出口以後で発生した気泡に対する安全対策が必要であり、制御機能付きの気泡検知器の取り付けが必須と考えられる。(著者抄録)
  • 北本 憲永, 神谷 典男, 小出 昌秋
    体外循環技術 35(4) 405-408 2008年12月  査読有り筆頭著者最終著者
    システムの小型化を行うことは輸血使用量の軽減、体外循環開始前の血液洗浄と調節の簡素化、異物反応の軽減など、さまざまな利点が期待できる。今回、体外循環の小型化が体外循環管理にどのように影響するか検討した。対象は体重4kg未満、月齢1ヵ月以下の児で充填量220~280mLの前期群26例と、充填量160~170mLの後期群30例で比較した。初期充填量と輸血量は前期群848.3±224.9mL、688.5±197.7mL、後期群は678.1±164.3mL、535.7±147.2mLと低充填化され、洗浄に要する時間は前期群61.4±18.5分、後期群46.3±8.1分と短縮された。追加輸血量は前期群86.2±197.7mL、後期群98.2±105.2mLであり後期群全例に血小板輸血を離脱前に行った。離脱時の血小板値は前期群6.3±4.7万/mm3、後期群13.5±3.1万/mm3と後期群で有意に高値を示した。また、術中の出血量は前期群303.0±485.7mL、後期群125.9±160.7mLと減少傾向となった。システムの小型化により離脱前に血小板を投与することで、体外循環直後の止血効果が期待された。(著者抄録)
  • 鈴木 克尚, 増井 浩史, 大越 真紀子, 北本 憲永
    日本手術医学会誌 29(3) 206-208 2008年8月  査読有り最終著者
  • 村松 明日香, 神谷 典男, 増井 浩史, 北本 憲永
    体外循環技術 35(2) 157-160 2008年6月  査読有り最終著者
    当院の小児人工心肺システムは、患者とリザーバがほぼ同じ高さとなっている。落差をつけない吸引脱血法で壁吸引が途絶えた場合、電気式吸引装置がバックアップとして使用できるのか、また、循環にどのような影響を及ぼすかに加え、重要な安全装置となる陽圧防止弁の性能を確認した。電気式吸引装置と壁吸引の吸引流量はほぼ同等(40L/min)で、Baxter社製ベントレー吸引コントローラと接続した場合でも、壁吸引と同様の操作性を得た。吸引停止の実験は実際の体外循環を模擬した。吸引源停止後、リザーバー内の血液は脱血回路から患者側に逆流し、圧の平衡が取れたところで流れは停止した。吸引・ベントが回転した状態でもリザーバー内は陽圧防止弁により大気開放状態となり、脱血側に送気されることはなく、リザーバー液面と患者との高さで均衡状態となった。陽圧防止弁は取り付け方による抵抗の違いで排気能力が大きく変化することと陽圧が測定できない可能性が確認された。バックアップの吸引装置を常時接続することで、トラブル時のスムーズな対応が可能と考える。(著者抄録)
  • 増井 浩史, 村松 明日香, 田中 良樹, 神谷 典男, 北本 憲永
    体外循環技術 35(1) 33-36 2008年3月  査読有り最終著者
    D905EOSPhisio(EOS)を使用する機会を得たのでCAPIOX-RX15(RX)と比較検討し報告する。酸素化能は有効肺血流率(Qp/Qt)、動脈血酸素分圧、酸素添加量、炭酸ガス交換能は換気血流比(V/Q)、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)について比較した。炭酸ガス交換能は両群ともV/Qが0.68前後でPaCO2を適正に保つことができ、最大血流量以上の血流量で使用した環境下でもV/Qを大きく変化させることなくPaCO2を適正に保つことができた。酸素化能はEOS群とRX群で大きな差はなく今回使用した範囲の最大血流量域(5.5L/min)での使用でもQp/QtはEOS群0.77±0.12、RX群0.79±0.13、酸素添加量もリニアに上昇し安定した酸素化能を有していた。最大血流量域で人工肺を安全に使用するためには、血液性状の変化に対して迅速な対応がとれるよう連続ガス分圧モニタは必要不可欠である。人工肺の最大血流量域での性能を理解することで、人工肺の性能を最大限に引き出し安全に使用することが可能と考える。(著者抄録)
  • 大越 真紀子, 北本 憲永, 鈴木 克尚, 原 季実子, 伊藤 敬, 原 真介, 増井 浩史, 小久保 荘太郎
    日本手術医学会誌 28(3) 212-215 2007年8月  査読有り最終著者
    外科用放射線イメージ装置GE横河メディカルシステム社製Flexi View8800、Stenoscop2、MINIView6800、mini6600の耐震固定を行った。転倒防止のためエアラインレールを壁の構造物に取りつけ、車用シートベルトを改良したものをそのレールにはめ込み、装置と壁を固定した。また、壁への衝撃を吸収するためウレタンを壁に貼り、装置とウレタンを密着させた。更に装置自体も破損が懸念される部位はウレタンで保護した。手術用顕微鏡モニター5台と内視鏡用モニター8台の耐震固定については、ゲル状シートを貼り台車と固定し、モニターをゲル状シートと耐震ベルトで固定した。また、台車自体の安定性を高めるため台車のキャスターを大型化した。電気メス・超音波メスの耐震固定については、取り外しを簡単にするために、台車の底にゲルセーフを貼り、機器の側面にストラップバックルを貼り、耐震ベルトをゲルセーフに通し固定した。
  • 清水 貴子, 鳥羽山 滋生, 望月 とも子, 山内 はるみ, 内田 美加, 北本 憲永, 石川 英男, 笹ヶ瀬 容子, 小久保 荘太郎, 玉嶋 貞宏, 田中 茂, 今井 伸, 小出 昌秋, 吉田 雅行, 加藤 良夫
    聖隷浜松病院医学雑誌 7(1) 66-77 2007年6月  査読有り
  • 神谷 典男, 北本 憲永, 小出 昌秋
    体外循環技術 34(1) 23-26 2007年3月  査読有り最終著者
    小児用静脈貯血槽(VR)の各種性能の評価を行った。方法は人工心肺模擬回路を用いてTERMO社製RR10(VR-R)、dideco社製D920(VR-D)、MEDOS社製MVC0730(VR-M)の3種類のVRで気泡捕捉能の実験とブレークスルー・ボリューム(BV)、ダイナミック・ホールドアップ・ボリューム(DV)を測定した。その結果、静脈部、カーディオトミー部のBVはそれぞれVR-R:3、3mL、VR-D:17、10mL、VR-M:20、30mL、DVはVR-R:5、70mL、VR-D:25、100mL、VR-M:30、50mLで、総じてVR-Rで優れたレスポンス性能が示唆された。2)気泡捕捉能は、血流量0.5L/minではVR-Rは気泡検出が0であったが、VR-D、Mではあらゆる条件下で検出され、1.0、1.2L/minの高流量ではVR-RがVR-D、Mに比し気泡検出数が多くなった。また、VRレベル別では、レベル50mLと100mLで気泡数、大きさに有意差は認めなかった。3)3種類のVRでは気泡を完全に除去できず、どのVRレベルでも1.0L/min以上の血流量では気泡の捕捉は不可能と考えられた。
  • 原 季実子, 北本 憲永, 鈴木 克尚, 小久保 荘太郎
    日本手術医学会誌 28(1) 12-15 2007年2月  査読有り最終著者
    当院では2002年から双胎間輸血症候群(twin-twin transfusion syndrome:TTTS)における胎児外科治療として、胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術(Fetoscope laser photocoagulation:FLP)を開始した。FLPでは多くのME機器を使用するため、臨床工学技士(Clinical Engineering:CE)にME機器操作、点検業務の依頼があった。そこでCEはME機器の機種選定に参加することで症例に適した機種選定が行い使用機器の準備、点検と術野側の滅菌、定数確認、部屋準備、機器の操作、術中トラブル対処を行うことになった。その結果、ME機器・器具トラブルの防止ができ、術者のストレスの軽減、看護師の患者管理の集中につながった。より安全な胎児治療をするためにはスタッフの技術の向上、適切なME機器の使用、専門性を活かした業務分担、チームワークが重要である。(著者抄録)
  • 増井 浩史, 北本 憲永, 伊藤 敬, 原 季実子, 鈴木 克尚, 小久保 荘太郎
    日本手術医学会誌 28(1) 30-32 2007年2月  査読有り最終著者
  • 鈴木 克尚, 原 季実子, 大越 真紀子, 増井 浩史, 北本 憲永
    日本手術医学会誌 28(1) 33-35 2007年2月  査読有り最終著者
  • 村松 明日香, 神谷 典男, 原 真介, 北本 憲永
    体外循環技術 33(4) 442-444 2006年12月  査読有り最終著者
    小児体外循環において、初期充填量、低体温、Dilutional Ultrafiltration(DUF)の実施、膠質浸透圧の、体外循環中の出納バランスへの影響を検討した。心室中隔欠陥症のため、無輸血体外循環を施行した体重5.0~20kgの症例を対象とした。出納バランスは、初期充填量が230ml以下の11例は-134±220ml、360ml以上の15例は+252±126mlであった。最低中枢温35℃以上の常温群32例は-250±144ml、最低中枢温30℃未満の中等度低体温群11例は-58±241mlであった。DUF実施群18例は-261±154ml、未実施群11例は-134±220mlであった。最低血清総タンパク値(TP)が4.0g/dl以上の高TP群14例は-253±124ml、最低TPが3.6g/dl以下の低TP群9例は-124±87mlであった。低充填量、常温体外循環、膠質浸透圧の維持により水分バランスを適正に保つことができ、低侵襲な体外循環が可能になると考えられた。
  • 原 真介, 北本 憲永
    聖隷浜松病院医学雑誌 6(2) 18-20 2006年12月  査読有り最終著者
    自動体外式除細動器(automated external defibrillator:AED)の比較検討を行った。方法は日本光電社カルディオライフ、メドトロニック社ライフパック500B、フィリップス社ハートスタートFR2について、レイルダール社ハートスティム4000を用い心室細動(Vf)、心室頻拍(VT)、上室頻拍(SVT)を入力して除細動必要と判断するか、電源入りからチャージ終了までの時間、除細動後又は除細動不要時から次の指示までの時間を検証した。その結果、1)解析能力はVfでは3機種とも充電を開始したが、VTではカルディオライフのみ150bpm以上で充電を開始し、他のAEDはHR200pbmでも充電は開始されず、SVTでもカルディオライフのみ充電を開始、他のAEDは除細動不要のメッセージが流れた。2)解析時間はカルディオライフが16秒前後、他のAEDでは20秒前後と差を認めた。3)通電後の指示は3機種とも15秒前後で心電図の解析が終了し、次の指示が流れた。
  • 大越 真紀子, 北本 憲永, 神谷 典男, 小出 昌秋
    日本手術医学会誌 27(4) 306-308 2006年11月  査読有り最終著者
    軽度低体温~常温体外循環で管理した成人人工心肺29例を、血液濾過透析液サブラッドBS液を使用した10例(男7例・女3例・平均58.9歳:A群)、酢酸リンゲル液ビーンF使用の9例(男5例・女4例・平均62.0歳:B群)、重炭酸リンゲル液ビカーボン注使用の10例(男7例・女3例・平均44.5歳:C群)に分けて比較した。人工心肺中総使用量はA群6294ml、B群5465ml、C群4520mlで、水分バランスは各々-748ml、-942ml、-784mlであった。体外循環開始前、開始後5分・60分、離脱時におけるpH、BE、HCO3、PaCO2は3群間で有意差はなかった。iCaは離脱時においてA群1.13mM/L、B群1.00mM/L、C群1.10mM/LとB群が有意に低値で、他の時間では有意差はなかった。人工心肺中のメイロン使用量はA群53.3ml、B群150.0ml、C群46.0mlで、B群が有意に多かった。重炭酸リンゲル液は濾過透析液に代え安定して使用できることが示された。
  • 神谷 典男, 北本 憲永, 小出 昌秋
    体外循環技術 33(3) 325-325 2006年8月  査読有り最終著者
  • 伊藤 敬, 北本 憲永, 鈴木 克尚, 原 季実子, 神谷 典男, 中村 徹, 豊田 太
    日本手術医学会誌 27(3) 260-262 2006年8月  査読有り最終著者
    当院では温熱化学療法の施行に際して臨床工学技士が術前準備や術中操作、物品管理、保守点検などを担当している。2004年4月~2005年9月に胸腔内温熱化学療法を施行した26例について術中の温度管理を中心に報告した。目標胸腔温度は43.0℃とし、実際には43.1±0.3℃、灌流中最高温度44.2℃、最低温度42.1℃となった。術中の平均送液温は43.1±1.5℃、最高45.6℃、最低39.8℃、脱液温は41.8±1.3℃、最高44.3℃、最低39.4℃であった。胸腔内温熱化学療法は人工心肺関連材料を使用することから、臨床工学技士が参加することで治療をより安全・円滑に進めることができると思われる。
  • 原 季実子, 北本 憲永, 鈴木 克尚, 村越 毅
    日本手術医学会誌 27(3) 262-264 2006年8月  査読有り最終著者
    当院では2002年から双胎間輸血症候群に対して胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術を施行している。同手術で使用する胎児鏡は2~3mm径の光学視管であり取扱いに注意を要すること、手術中に多くのME機器(超音波装置、灌流装置など)を使用することから臨床工学技士も手術に加わり、使用機器の準備・点検、機器の操作、術中トラブル対処などを担当している。これまでに手術を施行した39件の成績は、2児生存26件(67%)、1児生存10件(26%)、2児死亡3件(8%)であった。経験を重ねるごとに手術時間は短縮され、レーザー装置のトラブル件数は減少している。
  • 大越 真紀子, 北本 憲永, 神谷 典男, 小出 昌秋
    体外循環技術 33(1) 12-15 2006年3月  査読有り最終著者
    無輸血・無希釈体外循環目的で,体外循環開始時にReduced Priming(RP)+Retrograde Autologous Priming(RAP)+Modified Ultrafiltration(MUF)を施行した14例(RAP群)を,RP+RAP未施行の15例(C群)と比較した.開始時充填液量は,RAP群244.3±131.2ml,C群729.2±108.1mlであった.ヘマトクリット値(Ht),総蛋白値,血小板数は,C群に比べていずれもRAP群は高値であった.そのうち,Htは,人工心肺前,MUF後の両群に有意差はみられなかったが,人工心肺開始5分後はRAP群34.1±6.7%,C群27.4±2.9%,離脱時はRAP群32.0±4.7%,C群27.7±4.6%で,両群間に有意差を認めた.術中水中バランスは,人工心肺前はRAP群1030.8±588.5ml,C群731.1±277.9ml,人工心肺中はRAP群-103.1±515.8ml,C群-199.3±114.7mlで,各々に有意差を認めた.無輸血率は,ICU帰室後,RAP群72%,C群33%であった.RP,RAP,MUFにより,希釈液量の減少,無輸血率の向上が可能になったと考えられた
  • 北本 憲永, 神谷 典男, 安田 英之, 大越 真紀子, 小出 昌秋
    体外循環技術 33(1) 35-37 2006年3月  査読有り筆頭著者最終著者
    心室中隔欠損症(VSD)手術13例(体重5.9~18.4kg)にRetrograde Autologous Priming(RAP)・Reduced Priming(RP)を行い(RAP群),RAP・RPを行わなかった26例(C群)と比較した.RAP群の初期希釈量は70.5±21.4ml,C群の初期充填量は181.3±38.3mlであった.RAP前後の循環動態は,収縮期血圧,中心動脈圧ともRAP後に約17%低下したが,循環動態の確認により安全に施行できた.ヘマトクリット値,総蛋白質は,RAP群はC群より高値で推移し,いずれの項目も緩やかに変化した.出納バランスは,体外循環(CPB)前後とも,両群の間に有意差はなかった.RAP・RPはCPB開始時の血液希釈の影響を抑え,Htは有意に高い数値を推移した.更に,体重5.9kg以上の小児まで安全に行い得ることが判明した
  • 安田 英之, 北本 憲永, 神谷 典男, 大越 真紀子, 小出 昌秋
    体外循環技術 32(4) 407-410 2005年12月  査読有り最終著者
    中空糸表面にシリコンコーティングを施した泉工医科工業社製人工肺メラNHPエクセランプライム(以下NHP)を臨床使用し,ヘパリンコーティング仕様のJMS社製人工肺Oxia(以下OX),Oxia-LP(以下LP)と性能比較を行った.対象は2003年10月~2005年9月に施行した体外循環48例で,内訳はNHP使用16例,OX使用16例,LP使用16例であった.酸素化能はOX群において使用開始後5分時のPaO2が他の2群よりも有意に高値であった.FiO2は3群間に有意差を認めなかった.酸素運搬能,有効肺血流量率にも有意差はなかったが,使用開始時と離脱時の変化率をみるとNHP群で酸素化能が高く維持されていた.血小板保存率はNHP群に比べてLP群が有意に高かった

MISC

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