研究者業績
基本情報
- 所属
- 藤田医科大学 医学部 医学科 麻酔・侵襲制御医学講座 教授
- 学位
- 医学博士(2016年10月)
- J-GLOBAL ID
- 201601020197803929
- researchmap会員ID
- 7000016401
論文
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Journal of artificial organs : the official journal of the Japanese Society for Artificial Organs 27(3) 306-310 2024年9月We report a case in which excessive negative pressure may have been applied to the proximal side hole of a drainage cannula during venovenous extracorporeal membrane oxygenation (V-V ECMO), resulting in abnormal stenosis of the drainage cannula. V-V ECMO was introduced in a 71-year-old male patient who was transferred from another hospital for severe respiratory failure associated with varicella pneumonia and acute respiratory distress syndrome. Drainage was performed using a PCKC-V™ 24Fr (MERA, Japan) cannula via the right femoral vein with the tip of the cannula near the level of the diaphragm under fluoroscopy. Reinfusion was performed via the right internal jugular vein. Due to poor systemic oxygenation, the drainage cannula was withdrawn caudally and refixed to reduce the effect of recirculation. Two days later, drainage pressure dropped rapidly, and frequent ECMO flow interruption occurred due to poor drainage. An abdominal X-ray revealed abnormal stenosis of the proximal side hole site of the drainage cannula. We diagnosed that the drainage cannula was damaged, and it was replaced with another, namely a Medtronic Bio-Medicus™ 25 Fr (GETINGE, Sweden) cannula. However, the removed drainage cannula was not damaged, suggesting that the cannula was temporarily stenosed by momentary excessive negative pressure. In a multi-stage drainage cannula, the main drainage site is the proximal side hole, with little negative pressure applied at the apical foramen in a mock experimental ex vivo drainage test in a water tank. Hence, improvement of a multi-stage drainage cannula is recommended, such as adequate reinforcement of the side hole site with a wire.
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Journal of Hospital Infection 150 134-144 2024年8月 査読有り
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Techniques in Coloproctology 28(1) 2024年6月25日 査読有り
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学会誌JSPEN 6(2) 83-89 2024年5月【目的】胃がん手術後の体重減少は,生活の質の低下など影響をおよぼす重要な課題である.今回,低侵襲胃がん手術後1ヵ月の体組成変化と除脂肪体重減少の要因について検討した.【対象および方法】2021年4月から2022年8月で低侵襲胃がん手術の術前および術後1ヵ月に体組成測定した88例を対象とした.術後1ヵ月の除脂肪体重減少率の中央値(2.4%)以下46例をLow群(以下,L群と略),中央値より大きい42例をHigh群(以下,H群と略)とし比較検討した.また,重回帰分析にて除脂肪体重減少のリスク因子を検討した.【結果】L群,H群の術後1ヵ月の変化は体重-5.4%,-7.1%,体脂肪量-16.3%,-13.9%であった.重回帰分析の結果,術前体脂肪率(p<0.01)が有意な変数として抽出された.【結論】術前体脂肪率低値は,術後1ヵ月の除脂肪体重減少の有意な危険因子であり,術前からの介入を要すると考えられた.(著者抄録)
MISC
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ICUとCCU 48(5) 265-272 2024年5月集中治療領域では重症感染症患者の救命と耐性菌出現抑制を両立させる抗菌薬の使用法が求められる。それには,まず,疑わしい感染巣に対する疫学情報をもとに,患者背景や病歴などを考慮して可能な限り具体的な微生物や薬剤耐性を想定して有効な初期抗菌薬を選択し,各種培養提出後可及的速やかに十分量の抗菌薬投与を行うことが重要である。また,グラム染色の利用は広域抗菌薬の使用量の減少に有用である。次に,感受性判明後はde-escalationを基本とする。De-escalationは安全で死亡率を低下させるが,重症病態では原因菌不明,経過不良,免疫抑制患者など,de-escalationが躊躇される場合も多岐にわたる。常にde-escalation可能かを評価することが重要である。可能な限り短期間で抗菌薬投与を終了することも考慮すべきである。今後さらなる抗菌薬適正使用の推進に向けて,重症患者においても,今一度感染症診療の基本的ロジックに立ち返り診療を進めることが望まれる。(著者抄録)
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日本集中治療医学会雑誌 31(2) 159-166 2024年3月日本集中治療医学会は,会員の多様性を重視し,2022年4月にダイバーシティ委員会を設置し,現状調査を行った。2023年9月時点の一般会員と准会員の総数は11,140名で,医師が72%,看護師が17%を占めた。集中治療専門医は,2,550名で,女性の割合は13%であり,女性医師会員の専門医取得率21%は男性医師会員の専門医取得率35%に比較して低い結果であった。また,理事や評議員に占める女性の割合も他の基本領域と比較して低い傾向にあり,改善の余地があった。当委員会はこれらの調査結果を踏まえ,ダイバーシティの推進を図るための方策を提案する。(著者抄録)
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救急・集中治療 35(1) 228-233 2023年5月<ここがポイント!>▼腸球菌属はヒト腸管内に常在する弱毒性のグラム陽性球菌で,Enterococcus faecalisとEnterococcus faeciumが主な臨床分離菌である.▼腸球菌属は基礎疾患のある患者や免疫抑制状態の患者に日和見感染症として,複雑性尿路感染症,胆道感染症,皮膚・創傷感染症などを発症することが多いが,ときに感染性心内膜炎や敗血症をひき起こす.▼腸球菌属はセフェム系薬などに自然耐性を示すため,腸球菌感染症の治療では,ペニシリン系に感受性があればアンピシリン,感受性がなければバンコマイシンを第一選択とする.▼バンコマイシンに耐性を獲得した腸球菌をバンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin-resistant enterococcus:VRE)という.VREの菌種はE.faeciumが圧倒的に多い.▼VREは腸管内に無症状で保菌することが多く,水面下で拡大しやすいため,1例でも発見されればアウトブレイク対応を行う.接触感染予防策,便を用いた積極的保菌検査,環境の消毒管理,患者やスタッフの手指衛生の徹底などを行う.これらの対策は長期間必要な場合が多い.▼VRE感染症はほとんどの抗菌薬に耐性を示すため予後不良であり,第一選択としてリネゾリドを用いる.ただし,定着例にはVRE除菌目的での抗菌薬治療を行わないことが重要である.(著者抄録)
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救急・集中治療 34(4) 1406-1415 2023年2月<ここがポイント!>▼PMXはポリミキシンBとエンドトキシンの高い結合親和性を利用した,世界初の繊維状吸着体を利用した血液浄化器である.▼エンドトキシンは敗血症性多臓器不全をひき起こす,過剰な免疫反応にスイッチを入れる重要なPAMPsの一つであるとともに,各臓器に対して敗血症の発症メカニズムと予後を左右する特別な役割を担っている.▼PMX-DHPの開始時期は,敗血症性ショックの診断基準を満たし,抗菌薬投与や外科的処置が行われたにもかかわらず敗血症性ショックの状態が継続するようであれば施行を考慮することが勧められる.▼PMX-DHPは血液上昇および血管収縮薬投与量低下,肺酸素化能改善,尿量増加などの臨床効果を得ることができる.▼PMX-DHP施行時間は原則2時間とされているが,長時間施行の安全性と有効性が報告され,近年では安全性に留意しながら長時間施行が行われることが増加してきている.(著者抄録)
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Clinical Engineering 33(10) 964-969 2022年9月<文献概要>周術期に血液浄化法を施行する場合,周術期の急性腎障害(AKI)に対するものと維持透析患者に対するものがある.周術期の臓器障害のなかでAKIの頻度は高く,特に心臓血管外科手術後に発症することが多い.本稿ではおもに心臓血管外科周術期のAKIと,それに対する急性血液浄化法について論じる.
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月刊レジデント 15(1) 78-90 2022年8月<Point(1)>血液吸着の原理を説明できる。<Point(2)>血液吸着療法の種類と適用を説明できる。<Point(3)>敗血症の病態とエンドトキシンの関わりを説明できる。<Point(4)>PMX-DHPの目的を説明できる。<Point(5)>PMX-DHPの有効性を期待できる疾患を説明できる。(著者抄録)
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救急・集中治療 33(2) 414-422 2021年6月<POINT>▼水分の喪失と電解質の喪失のバランスにより、細胞内脱水と細胞外脱水に分かれる。両者では病態および治療法が異なるため、脱水症の型を見極める。▼重症脱水症(体重減少10%以上)では、ショック、組織灌流低下、乳酸値の上昇などが認められ、死に至る場合もある。重症の場合には、まずは初期蘇生として細胞外液輸液を投与し、乳酸値の低下を目指す。▼細胞内脱水の治療にはブドウ糖液を、細胞外脱水には細胞外液を用いる。循環動態が安定し、脱水の種類と程度が不明である場合は開始液(1号液)で治療を開始する。▼輸液反応性として一回拍出量変数(SVV)、脈圧変動(PPV)、受動的下肢挙上テスト(PLR)などの動的指標を用い、過剰輸液を避けるように輸液療法を行う。(著者抄録)
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ICUとCCU 44(9) 561-566 2020年9月敗血症の本態である過剰な免疫反応の制御には、高サイトカイン血症の負のスパイラルを切り、生体のホメオスタシスを維持可能な程度に下げることが重要である。当ICUでは、吸着特性の高い膜を用いた持続血液濾過(CHF)を中心に、病態に応じて強力なサイトカインクリアランスを持つ間歇的高効率血液浄化法(SHEDD-fA)の組み合わせを基本としている。そのため、エンドトキシン吸着療法(PMX-DHP)の役割は限定的である。PMX-DHPは、CHFやSHEDD-fAとは異なる作用機序を期待し、肺酸素化能低下例や重症例に対して、CHFあるいはSHEDD-fAと必ず併用して施行している。PMX-DHPを単独で行わないため、その効果に言及することはできない。PMX-DHPの施行に関しては、LPS濃度測定やパワー不足などいまだにさまざまな問題点がある。PMXの有効性の評価には、適切な患者群、適切な治療タイミング、最適化された施行方法での評価が必要である。(著者抄録)
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日本外科感染症学会雑誌 17(1) 2-7 2020年2月陰圧創閉鎖療法は創傷治癒を促進する方法としてさまざまな創管理に使用されてきた。2019年に予防的な一次創閉鎖創に対する有効性を検証した3報のランダム化比較試験が報告された。従来の結果にこれらのエビデンスを加えてシステマティックレヴューとメタ解析を行った。NPWTにおける標準創閉鎖法と比較したSSI発生率はリスク比0.55、95%信頼区間は0.33-0.92であり、NPWTによるSSI低下効果は統計学的に有意であった(P=0.02)。ファンネルプロットは非対称性を示し、I2値65%(P=0.009)であり高度の異質性を認めた。一次創閉鎖における予防的NPWTはSSI予防効果が再検証された。一方で異質性を認めており、対象疾患を均一にしたさらなる研究も必要である。(著者抄録)
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外科 82(1) 1-6 2020年1月<文献概要>手術部位感染(SSI)は手術の際の潜在的な合併症であるが,予防可能な医療関連感染である.2018年,『消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン2018』が消化器外科領域を対象として作成された.術前処置として,術前鼻腔黄色ブドウ球菌保菌者への除菌,栄養障害患者への術前栄養介入,術前禁煙,大腸手術患者に対する術前機械的腸管処置と経口抗菌薬の併用などが推奨された.また,術中消毒薬としては,クロルヘキシジンアルコールが推奨された.しかし,エビデンスが十分でないものも少なくない.今後のさらなるエビデンス構築が望まれる.
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エンドトキシン血症救命治療研究会誌 23(1) 33-43 2019年12月ポリミキシンB固定化繊維カラム(PMX)はエンドトキシン(LPS)吸着カラムとして用いられているが、エビデンス構築には至っていない。近年、個々人の違いを考慮したprecision medicineや実臨床データの利用に重きが置かれ、さらに、PMXのLPS吸着能が長時間継続することが確認された。今後、適切な患者群に適切なタイミング・量・施行時間でPMX-直接血液灌流法を検討することで、有効性を証明できる可能性がある。
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日本外科感染症学会雑誌 15(3) 216-220 2018年6月【背景】PMX-DHPは腹部感染症に起因する敗血症性ショックを中心に広く用いられ、長時間施行も報告されるようになったがその有用性に対する結論は出ていない。【方法】腹部感染症に起因する敗血症に対して、病態改善が得られるまで2時間を超えてPMX-DHPを継続した症例を対象とした。PMX-DHP長時間施行の安全性と臨床経過を後方視的に検討した。【結果】2時間のPMX-DHPで効果不十分な22例に14.8±8.0時間のPMX-DHPを行い、72.7%の28日生存率を得た。PMX-DHP長時間施行は出血症状、高カリウム血症などの重篤な有害事象は認められず、安全に施行可能であった。また、PMX-DHP長時間施行では循環動態および肺酸素化能改善効果が認められたが、本検討は比較群を持たないため、PMX-DHPの効果かどうかは不明であった。【結語】腹部感染症に起因する敗血症性ショック患者に対するPMX-DHP長時間施行は、安全に施行可能であると考えられる。有用性については、今後、多施設での2時間施行と長時間施行との前向き比較試験で評価する予定である。(著者抄録)
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ICUとCCU 41(7) 411-418 2017年7月周術期の輸液管理の目的は、適切な循環血液量の維持と組織への酸素供給バランスの保持である。長年信じられてきた古典的なサードスペースの概念が否定され、近年、周術期の輸液療法は大きな変革期を迎えている。現在では、血漿量維持と組織浮腫軽減を目標とした「目標指向型輸液管理(GDFM)」が推奨されている。具体的には、晶質液による制限輸液管理を基本とし、低侵襲の血行動態モニターを用いたゴールを設定し、循環血液量の維持には主として膠質液を用いる。輸液反応性の判断には、1回拍出量変数(SVV)や脈圧変動(PPV)などの動的指標を用いるが、輸液負荷に対し、心拍出量とともに血圧の上昇を予測できる動的動脈エラスタンス(Eadyn)が注目されている。GDFMの有用性は数多く報告されているものの、そのアルゴリズムや血行力学的目標はコンセンサスが得られていない。実臨床では、個々の患者の病態に合わせて、GDFMにおける輸液の必要性を判断する。(著者抄録)
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救急・集中治療 29(臨増) e167-e174 2017年6月<point>血液浄化用ダブルルーメンカテーテルの挿入部位は、右内頸静脈が第一選択とされるが、個々の患者の状態に合わせて総合的に判断する。カテーテル挿入時には、マキシマルバリアプリコーションに準拠して挿入すること、リアルタイム超音波ガイド下にセルジンガー法で挿入することが推奨されている。挿入時の機械的合併症として、動脈穿刺・血腫、気胸、空気塞栓、不整脈などに留意する。留置後の問題点として、脱血不良、カテーテル関連血流感染、カテーテル血栓などが挙げられる。(著者抄録)
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日本急性血液浄化学会雑誌 8(1) 48-53 2017年6月【はじめに】AN69ST膜ヘモフィルターを用いた持続血液濾過(AN-CHF)では、しばしば静脈チャンバーで凝血することが報告されている。nafamostat mesilate(NM)の吸着の可能性があるとの私見もあるが、証明されていない。当ICUでは、フィルター前からのみNM投与を行っていたが、フィルター前後に分配して投与する方法を導入した。【方法】AN-CHFを施行した敗血症症例を抽出し、フィルター前のみ(A法:30mg/hr)と前後に分配した(AV法:前25mg/hr、後5mg/hr)投与法について後向きに比較・検討した。1本のフィルターで22時間以上CHFを行った場合を「目標達成」と定義した。【結果】ライフタイム(A法23.5時間 vs AV法23.2時間、p=0.60)、目標達成率(85.1% vs 78.9%、p=0.34)において有意差を認めなかった。目標達成に寄与する因子としてsequential organ failure assessmentスコア(オッズ比:0.997、p=0.0002)、AV法(オッズ比:0.216、p=0.011)があげられた。【結語】AN-CHFにおいてフィルター前25mg/hr、後5mg/hrにNM投与を分配する抗凝固療法は、有効でない可能性が示された。(著者抄録)
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Journal of Intensive Care 4(1) 2016年7月22日The aim of this study was to investigate the effects of recombinant human-soluble thrombomodulin (rTM) on lipopolysaccharide (LPS)-induced, platelet-dependent neutrophil extracellular trap (NET) formation (NETosis). Human peripheral blood neutrophils and platelets were co-incubated with or without LPS (0.2 μg/ml) in the presence and absence of rTM (2 μg/ml). NETosis was confirmed by immunostaining and confocal microscopy. In the absence of platelets, LPS did not induce NETosis in the neutrophils. NETosis, however, was induced by LPS when neutrophils were co-cultured with platelets (64 % of neutrophils). Notably, rTM was able to fully inhibit NETosis in neutrophils cultured with platelets and in the presence of LPS. rTM did not induce NETosis in this co-culture system (p < 0.01 versus LPS in the absence of rTM). These results show that rTM can suppress LPS-induced platelet-dependent NETosis in vitro.
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救急・集中治療 26(11-12) 1466-1471 2014年12月<point>ECMO患者に対する急性血液浄化法は、急性腎不全(acute kidney injury:AKI)に対する腎機能の代替や水分バランスの管理のみでなく、サイトカインの制御にも有用である。ECMO回路そのものがサイトカイン産生を刺激するため、ECMO施行時には吸着性能の高い膜を用いた持続的血液濾過(continuous hemofiltration:CHF)を併用することが推奨される。CRRT施行中のeGFRは抗菌薬の適切な投与設計および自己腎機能の推移に役立つ。eGFRは体表面積補正を外したものを用い、eGFR(=全体クリアランス)はCRRTクリアランスに自己腎クリアランスを加えたものに近似する。(著者抄録)
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ICUとCCU 37(12) 897-903 2013年12月集中治療領域における感染症治療では、重症患者の救命と適切な抗菌薬使用による耐性菌出現の抑制という、相反する側面をともに満たすことが必要とされる。迅速な喀痰グラム染色は、ICUで主要な医療関連感染である人工呼吸器関連肺炎の診断にとくに有用性が高い。発熱や炎症所見が感染状況を反映しにくい重症患者において、喀痰グラム染色は、肺炎の早期診断、菌種の推定、治療効果の判定などに有用である。また、嫌気性菌の関与が大きい誤嚥性肺炎の診断にも優れている。可及的な狭域抗菌薬による初期治療が可能となり、耐性菌出現の抑制に寄与しうる。正しい評価のためには適切な検体を採取することが重要である。一方、抗菌薬投与後に菌がみられない場合や、鏡検の解釈が困難な場合があるなどの弱点ももつ。グラム染色と、同定・感受性検査のための培養検査を組み合わせて判断することで、重症感染症患者の救命および耐性菌の出現抑制の両者に寄与しうると考える。(著者抄録)
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ICUとCCU 37(12) 929-937 2013年12月Continuous renal replacement therapy(CRRT)施行時の抗菌薬の薬物動態(Pharmacokinetics)に関しては情報に乏しく、CRRTの施行条件や残存する腎機能の程度もさまざまである場合が多いので、抗菌薬の処方には悩むことが多い。抗菌薬の多くは、腎排泄型であり、分子量は、1,500Da以下である。この場合、Continuous hemodiafiltration(CHDF)、Continuous hemofiltration(CHF)、Continuous hemodialysis(CHD)のいずれのモードにおいても、浄化液流量が同じであれば、除去効率はほぼ同じとなる。一般的なCRRTの施行条件下では、薬物クリアランスは、血液流量には左右されず、透析液流量と濾過液流量を合わせた浄化液流量(=廃液流量)に規定される。血漿中のフリーの薬物濃度と廃液中の濃度はほぼ等しいので、CRRT単独によるクリアランスは、廃液流量×蛋白非結合型分率(fu)で計算できる。これに残存腎からの排泄を加えたものが全体のクリアランスになるが、CRRT中には残存腎機能を知ることは困難である。しかしながら、間歇透析と異なり、連日のCRRT施行中では血中クレアチニン値は定常状態に近くなるので、eGFRを薬剤投与の参考とすることができる。ただし、尿細管分泌の多い薬物やアミノグリコシドなどhemofilterへの吸着がある物質では投与にあたって注意が必要である。残存腎機能やCRRTの施行条件がどのようであっても、薬剤分布容積は大きくなることはあっても小さくはならないので、初回投与量を減量する必要はない。(著者抄録)
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エンドトキシン血症救命治療研究会誌 16(1) 172-178 2012年10月著者等はこれまで、長時間間歇的高効率血液浄化(SHEDD-fA)の有用性を報告してきた。今回、当院ICUで2011年1月~8月に敗血症性ショックに対してPMX-DHPを施行した4例における各種mediator血中濃度の推移を参考に、SHEDD-fAやPMMA-CHFなどを併用することの意義について検討した。結果、PMX-DHPとSHEDD-fAやPMMA-CHFとの併用は、作用機序の異なる血液浄化法の相加・相乗効果が期待でき、より有効である可能性が示唆された。
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レジデントノート 13(10) 1974-1981 2011年10月<Point>・血漿交換単独施行時の合併症をCHDF(continuous hemodiafiltration:持続血液濾過透析)で対処せよ!・PMX-DHPはEGDTプロトコールを目標に管理を行い、到達困難な場合に早期施行を・DHP(direct hemoperfusion:直接血液灌流法)施行時には血小板低下に注意しよう(著者抄録)
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ICUとCCU 31(6) 427-435 2007年6月Sepsisに対する治療のひとつとして、本邦で開発されたポリミキシンB固定化カラム(以下PMX)を用いた直接血液灌流法(PMX-DHP)の有効性は広く認識されてきているが、重症例などに対する効果の限界も多く報告されている。本稿では、われわれのPMX-DHP長時間施行の知見をもとにPMXカラムの能力と、長時間施行の意義を検討した。1本のカラムは2時間以上の施行で循環動態改善効果のみならず、肺酸素化能改善効果を発揮し続けた。ARDS合併例や2時間のPMX-DHPで効果が不十分な重症例、さらに感染巣不明例や炎症持続症例などで特に長時間施行が効果的であり、これらの患者に対しては期待する臨床効果が得られるまでPMX-DHPを継続することで救命率の向上にも寄与しえると思われる。今後、PMXカラムがより効果的に適正に用いられるよう、さらなる検討が望まれる。(著者抄録)
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ICUとCCU 31(別冊) S264-S266 2007年3月64歳男。脳動脈瘤クリッピング術後の敗血症性ショックに対してPMX-DHPとCHDFを同時・直列で施行中、予想外のアクシデント(ブラッドアクセス挿入部からの動脈性出血)により中断を余儀なくされた。その際、血液浄化システムは回路・カラムとも回収せずに自己循環させておいた。結果、中断時間が2時間半と長引いたにもかかわらず再開後も安全に施行でき、再開直後から良好な循環動態改善効果が認められた。本例の経験から、PMX-DHPを中断してもPMXカラムは長時間効果を発揮し続けることが示唆された。
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エンドトキシン血症救命治療研究会誌 10(1) 75-78 2006年12月PMX-DHPを施行した23施設の敗血症・敗血症性ショック患者15例(平均65.5歳)を対象に、臨床的効果および安全性を検討した。感染部位は下部消化管7例、呼吸器4例で、感染巣の外科的除去は8例に行った。28日後の転帰は生存10例で、生存率66.7%であった。PMX-DHPは合計23回施行し、2時間が6回、2~6時間が8回、6時間以上が9回であった。血小板数はPMX-DHP開始から2時間にかけて有意に減少し、減少率は16%であった。2時間以降の更なる有意な減少は認めなかった。抗凝固剤にメシル酸ナファモスタットを使用した場合は高カリウム血症が懸念されるが、単独施行においてもカリウムが大きく上昇した例はなかった。ショック状態であった症例のうち、6時間以上施行の7例では6~12時間後も血圧の上昇を認めたが、2時間施行の5例では上昇はなかった。PaO2/FIO2 ratioは、通常時間施行例は横ばいであったが、長時間施行例では改善傾向を認めた。
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ICUとCCU 30(別冊) S98-S100 2006年2月2時間以上PMX-DHPを施行したseptic shock 36例(男25例・女11例,平均67.5歳)の病態について報告した.重症度はAPACHE II score(AS)が平均28.3,SOFA scoreが平均11.8で,PMX-DHP施行時間は18.8時間,CHDF併用が27例あった.28日後の生存率は66.7%であった.原因感染巣を外科的に除去した炎症除去群と,除去できなかった炎症残存群で循環動態の推移を比較したところ,収縮期血圧の変化に差はなかったが,カテコラミンインデックスは除去群がPMX-DHP開始2時間後より有意に低下したのに対し,残存群では低下を認めなかった.次に,6時間以上施行した27例をAS 20以下の5例(A群),AS 21~30の12例(B群),AS 31以上の10例(C群)に分け比較した.その結果,A群では開始後早期の循環動態改善が大きかったが,C群では早期の改善が小さく,後期の改善が大きかった.24時間後ではC群もA群,B群と同程度の循環動態の安定が得られた.28日後の救命率は,A群100%,B群56.3%,C群64.3%であった
共同研究・競争的資金等の研究課題
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 2021年4月 - 2024年3月