工藤 信隆, 伊藤 一孝, 加藤 博久, 春田 良雄, 中島 修二, 伊藤 愛, 林 宏樹, 稲熊 大城
ICUとCCU 27(別冊) S166-S167 2003年2月
2002年7月までの1年4ヵ月の間に,慢性維持透析患者70人に透析を導入した.全導入患者を,計画導入群(A群)26名,予定外導入群(B群)32名,緊急導入群(C群)12名の3群に分けた.A群は,他の2群に比べ,入院日数が短く,入院コストも安く,有意差を認めた.さらに,導入期のアルブミンは,C群に比べ,有意に高かった.導入時のBlood Accessについては,シャント導入群はカテーテル導入群に比べ有意にコストが安く,貧血の程度が軽く,血液尿素窒素が低かった.2002年4月より開催している「保存期腎臓病教室」参加の有無では,参加群では有意に入院日数が短く,コストも安かった.導入前にシャントを作成し,計画的に透析を導入することは,経済的な側面のみならず,患者の身体的な側面においても優れていると考えられた.また,患者の教育体制,情報提供の質,量のさらなる充実を図り,より円滑な計画導入を目指す必要があると考えられた