紺家 千津子, 溝上 祐子, 上出 良一, 大浦 紀彦, 徳永 恵子, 真田 弘美, 仲上 豪二朗, 安部 正敏, 大桑 麻由美, 野口 博史, 飯坂 真司, 加瀬 昌子, 小柳 礼恵, 祖父江 正代, 高橋 麻由美, 丹波 光子, 栃折 綾香, 内藤 亜由美, 中村 徳子, 前田 友美, 間宮 直子, 山田 清美, 日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術教育委員会
日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌, 19(1) 50-60, Mar, 2015
Skin tear(以下;テア)とは、主として高齢者の四肢に発生する外傷性創傷であり、摩擦・ズレあるいは摩擦単独によって、表皮が真皮から分離、または表皮・真皮が下層構造から分離して生じる。今回、テアの大規模調査を実施するにあたり、有効な調査結果が得られるかを検証する目的で、テアワーキンググループメンバーが所属する11施設の入院患者6173名を対象としてプレテストを行った。調査項目は「テアの有病率」「テア保有の要因」「テア保有者の概要」「テアの発生状況」「発生部位の状態」「発生部位の管理状況」「テア周囲皮膚の状態」などとした。調査の結果、テアの有病率は0.68%で、テア保有の要因として[年齢][診療科の種類][病院の種類][テアに関するスタッフ教育]が抽出された。テアが発生した時の状況は、「医療用テープの剥離時」が最も多く39%、次いで「ベッド柵にぶつかった」14%であった。テア発生部位の管理状況は、創洗浄が82%の患者に実施され、軟膏等の薬剤が24%に使用されていた。