研究者業績
基本情報
論文
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小児内科 55(11) 1811-1815 2023年11月症例は5歳女児で、発熱、悪心、胸痛を主訴とした。砂遊びによる両手指の慢性湿疹に対して外用加療中であり、近医受診後も発熱が持続し、入院時には胸骨直上に辺縁不明瞭な発赤、腫脹を認め、CT検査で胸骨体の両側に低吸収帯を認めた。感染症の疑いで抗菌薬治療を開始し、血液培養でメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が同定されたため、バンコマイシン(VCM)を併用した。その結果、解熱と胸痛の軽快が得られ、MRSAによる原発性胸骨骨髄炎と診断した。その後はCRP陰性化を確認してリネゾリド内服に変更し、VCMと併せて計6週間の抗MRSA薬による治療を行ったところ、炎症の再燃や血小板減少は認めなかった。本症例では手指の慢性湿疹が感染経路と考えられ、慢性湿疹を背景に持つ患児では薬剤耐性菌による全身性の感染症に留意する必要があると考えられた。
MISC
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脳と発達 42(6) 444-448 2010年11月結節性硬化症に伴うWest症候群7症例に対して、vigabatrin(VGB)を投与し、有効性・副作用につき検討した。VGB開始月齢は平均22.7ヵ月であった。VGB初期投与量は平均36.2mg/kg/日、維持量は平均38.4mg/kg/日であった。6例でスパズムは消失し、うち3例はVGB投与翌日に発作が消失した。脳波上hypsarrhythmiaを呈した3例は2ヵ月以内に焦点性棘波のみに改善した。現時点で視野狭窄例は認められない。しかし、興奮、不眠が6例に見られ、3例で投与量の減量を必要とした。結節性硬化症に伴うWest症候群に対してVGBは極めて有効な薬剤であると考えられた。(著者抄録)
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特殊ミルク情報(先天性代謝異常症の治療) (46) 44-51 2010年11月2004および2005年度に施行したメープルシロップ尿症(MSUD)アンケート調査で得られたMSUD患者5例(女・9〜22歳)の食事記録を基に、栄養計算および摂取量評価を行った。同年齢の食事摂取基準における生活活動強度Iのエネルギー摂取量と比較すると、5例中4例がこれを満足していた。三大栄養素の摂取比率は、脂質比は基準範囲であったが、たんぱく質摂取比はいずれも10%以下と低く、炭水化物比は高かった。MSUD患者が摂取している窒素を含む栄養素は、分枝鎖アミノ酸を除くアミノ酸を混合した治療乳と、許容量のロイシン(Leu)を含む自然たんぱく質の総和であるが、対象の5例では治療乳から摂取するたんぱく質代替物由来の窒素が60〜77%を占めていた。たんぱく質摂取量が同年齢女子の推定平均摂取量を満足していたのは2例で、推奨量に達している例はなく、Leu摂取量も少なかった。ミネラル類およびビタミン類の摂取量は、殆どの摂取量が食事摂取基準による年齢別基準を満足していた。
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脳と発達 42(Suppl.) S212-S212 2010年5月
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Nagoya Medical Journal 50(4) 187-197 2010年2月3日齢のブタ28頭を、盲腸結紮穿孔(CLP)+体外循環(ECC)群、CLP群、シャム(開腹のみ)+ECC群、シャム群に分け標記について検討した。ECCはCLP3時間後から3時間行った。CLP+ECC群は、CLP群より高いインターロイキン(IL)-6、IL-10、一酸化窒素代謝物(CLP6時間後)、総ヒドロペルオキシド(TH:6、9時間後)を示した。シャム+ECC群はシャム群より高いIL-6、IL-10(12、15、18時間後)、TH(6、9時間後)、腫瘍壊死因子(6時間後)、インターフェロンγ(9時間後)を示した。以上より、ECC適用はサイトカインおよびフリーラジカル上昇を促進し、重症の新生児において、特に敗血症を合併した腹部手術後には有害であることが示唆された。
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日本周産期・新生児医学会雑誌 45(2) 446-446 2009年6月
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日本周産期・新生児医学会雑誌 45(2) 533-533 2009年6月
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日本小児科学会雑誌 113(3) 649-653 2009年3月1日
講演・口頭発表等
3所属学協会
5共同研究・競争的資金等の研究課題
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2022年4月 - 2025年3月
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AMED 難治性疾患実用化研究事業 2017年4月 - 2020年3月
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厚生労働科学研究費 2017年4月 - 2019年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2014年4月 - 2016年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2004年 - 2005年