研究者業績
基本情報
論文
114-
小児内科 55(11) 1811-1815 2023年11月症例は5歳女児で、発熱、悪心、胸痛を主訴とした。砂遊びによる両手指の慢性湿疹に対して外用加療中であり、近医受診後も発熱が持続し、入院時には胸骨直上に辺縁不明瞭な発赤、腫脹を認め、CT検査で胸骨体の両側に低吸収帯を認めた。感染症の疑いで抗菌薬治療を開始し、血液培養でメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が同定されたため、バンコマイシン(VCM)を併用した。その結果、解熱と胸痛の軽快が得られ、MRSAによる原発性胸骨骨髄炎と診断した。その後はCRP陰性化を確認してリネゾリド内服に変更し、VCMと併せて計6週間の抗MRSA薬による治療を行ったところ、炎症の再燃や血小板減少は認めなかった。本症例では手指の慢性湿疹が感染経路と考えられ、慢性湿疹を背景に持つ患児では薬剤耐性菌による全身性の感染症に留意する必要があると考えられた。
MISC
327-
日本医療薬学会年会講演要旨集 15 330-330 2005年9月1日
-
臨床薬理の進歩 (26) 95-102 2005年7月高価で特殊な機器・装置を用いることなく,簡便にDihydropyrimidine dehydrogenese(DPD)欠損の原因となるDPDをコードする遺伝子(DPYD)の多型検出方法を開発した.DPYD遺伝子(全23exon)のコード領域,および,その転写調節領域・スプライス部位全てを含む領域を26個のDNA断片に分割し,それぞれの断片をPCRにより増幅した.各増幅産物はアガロースゲル電気泳動により,単一のバンドとして増幅されているか確認した.半自動SSCPシステムによるDPYD遺伝子多型スクリーニング法を確立した.既知の変異を導入したDNA断片を作製し,既知の多型のうち21種は検出可能であった.最近報告された残りの13種についても今後検討する予定である.確立した半自動SSCPシステムは,従来のSSCPに比較し,多数の有利な点があり,従来のSSCP法の欠点を克服した
-
APJHP: 愛知県病院薬剤師会雑誌 33(1) 32-36 2005年6月Inosine triphosphate pyrophosphohydrolase(ITPase)は,Inosine triphosphate(ITP)をInosine monophosphate(IMP)とピロリン酸に加水分解する酵素で,現在までに,ITPAの遺伝子構造と,白人における5つの変異部位が報告されている.日本人100例を対象とし,ITPaseの酵素活性およびITPA遺伝子における酵素活性に影響を与える2つの変異,94C>A,IVS2+21A>Cの頻度について調査した.さらに,日本人におけるITPase酵素活性と二つの変異との相関について検討した.ITPase活性は二峰性の分布を示した.酵素活性がゼロであった3例は赤血球中に異常なITPの蓄積を伴い,94C>Aのホモであった.酵素活性の低いグループは94C>Aのヘテロであった.酵素活性の分布は94C>Aの遺伝子型と良好な相関を示した.94C>Aの頻度は0.155で,白人の約2.6倍と高値であった.IVS2+21A>Cの変異は日本人には見られなかった
-
日本先天代謝異常学会雑誌 20(2) 166-166 2004年10月
-
日本医療薬学会年会講演要旨集 14 258-258 2004年9月1日
-
痛風と核酸代謝 28(1) 34-35 2004年7月
-
現代医学 51(3) 525-529 2004年3月先天代謝異常症の子どもでは,異常な代謝産物が蓄積して種々の発達・発育障害が現れるが,食事療法によって異常な代謝産物の蓄積を防ぐことができる疾患もある.だが,食事療法を実際に行う場合にはいろいろ困難な点も少なくない.子供たちにとっては,友達と違う食事を強いられることは大きな精神的負担になるからである.そこで,こうした問題を踏まえて,食事療法の指導について,その具体的な食事内容なども示しながら,フェニルケトン尿症を中心に紹介した
-
痛風と核酸代謝 27(2) 101-105 2003年12月現在知られている7種のピリミジン代謝異常症について概説した.いずれの疾患も症例数が少なく,また発見されて日の浅いものも多いため今後の症例の蓄積が期待されるが,分解系の酵素欠損症では特異的症状に乏しくまた無症状例も多いため,診断は困難であった.近年,尿中ピリミジン分析の分野でこれまでのHPLC法に加え,高速液体クロマトグラフィー/タンデムマススペクトロメトリー法,ガスクロマトグラフィー/マススペクトロメトリー法を用いた尿中ピリミジン分析法が開発された.特に後者は新生児マス・スクリーニングの新たな手段としても注目されており,検査法の普及と共に更に多くの症例の発見が期待されている
-
特殊ミルク情報(先天性代謝異常症の治療) (39) 48-52 2003年11月グルタル酸尿症I型及びプロピオン酸血症,ホロカルボキシラーゼ合成酵素欠損症の各症例をフォローアップしている.症例1のグルタル酸尿症I型症は,ポリオワクチン接種を契機に急性脳症を来たし発症した.急性期の代謝性アシドーシスや高アンモニア血症はあまり顕著ではなかった.又,発熱や感染に伴って高CPK血症が繰り返し出現した.症例2は,高アンモニア血症を契機に尿の有機酸分析にてプロピオン酸血症と判明した.新生児期以後の発達は良好であったが,1歳以後ケトアシドーシス発作を繰り返し,徐々に発達の遅れも生じてきており,従来的な食事療法やカルニチン療法のみでは限界を感じている.現在,家族の希望に基づき肝移植を準備中である.症例3は,生後数時間以内に急激な代謝性アシドーシスの進行がみられたホロカルボキシラーゼ欠損症と診断し,CHDFとビオチンの大量投与が著効した
-
日本小児アレルギー学会誌 17(4) 477-477 2003年9月
-
ホルモンと臨床 50(冬季増刊) 118-120 2002年12月15日男児.マススクリーニングにおける17-OHP高値を主訴とした.17-OHP高値は生後2ヵ月まで遷延したが,その後正常化した偽陽性と思われた.HPLC-RIA法でも17-OHPは高値で胎児副腎由来のステロイド産物の交叉反応による見せかけの17-OHP高値は否定的と考えられた.17-OHP高値であった時にも尿中pregnanetriolは高値であったが,pregnanetrioloneは低値を示し,通常の21-水酸化酵素欠損症患児とは異なる尿中ステロイドプロファイルを認めた.生後早期の段階では,17-OHP高値だけは診断・治療を見誤る可能性があり,慎重に経過観察する必要がある
講演・口頭発表等
3所属学協会
5共同研究・競争的資金等の研究課題
5-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 2022年4月 - 2025年3月
-
AMED 難治性疾患実用化研究事業 2017年4月 - 2020年3月
-
厚生労働科学研究費 2017年4月 - 2019年3月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 2014年4月 - 2016年3月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 2004年 - 2005年