研究者業績
基本情報
論文
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Asian Journal of Surgery 41(2) 192-196 2018年3月1日 査読有り
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SURGERY TODAY 48(1) 33-43 2018年1月 査読有り
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CANCER CHEMOTHERAPY AND PHARMACOLOGY 79(5) 1021-1029 2017年5月 査読有り
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SURGERY TODAY 46(7) 860-871 2016年7月 査読有り
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SURGERY TODAY 46(4) 491-500 2016年4月 査読有り
MISC
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日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association 64(4) 883-887 2003年4月25日小腸腫瘍は稀だが,発症時には診断および治療に難渋することが多い.著者らは下血で発症し,腹腔鏡下に病変を確認し,切除しえた回腸脂肪腫の1例を経験したので本邦報告例の集計と共に報告する.症例は75歳,女性で,大量の下血を主訴に救急車にて搬送された.患者は半年前にも同様の症状で入院,精査が行われていた.大腸内視鏡検査で回腸よりの出血が疑われたが,小腸造影, CTなどでは原因病変を指摘できなかった.その後も大量の出血を間歇的に認めたため,原因疾患の検索と治療を目的に腹腔鏡下に腹腔内観察を施行した.バウヒン弁から約90cm口側の回腸に漿膜に異常はないが,他の部位に比べ膨隆した所見を認め,回腸腫瘍と診断し,腹腔鏡補助下に回腸部分切除術を施行した.病変は2.5×2.1×3.5cmの亜有茎性,黄色調の腫瘍で,頂部に潰瘍を認め,組織学的に脂肪腫と診断された.経過は良好で,術後4年経過した現在まで出血はなく健存中である.
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日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association 64(4) 995-998 2003年4月25日脂肪肉腫の一部が,悪性顆粒細胞腫様の脱分化を示した稀な症例を経験したので報告する.症例は84歳の女性で,腹部膨満を主訴とし,卵巣腫瘍の疑いで手術が施行された.小腸腸間膜に約10cm大で黄色調の腫瘍Aと後腹膜に約15cm大で内部に出血壊死を伴う腫瘍Bを認め,両腫瘍に連続性はなかったため別々に摘出手術を施行した.術前のCT, MRI検査でも,二つの腫瘍A, Bが認められ内部構造が異なっていた.組織所見では,腫瘍Aは胞体内に大小の脂肪空胞を有し,異型lipoblastの増生がみられる高分化型脂肪肉腫の像であった.一方,腫瘍Bは,ジアスターゼ消化性PAS陽性の好酸性顆粒を有し,脂肪染色陰性で悪性顆粒細胞腫様の像を示したが,その辺縁に脂肪組織の異型細胞が認められたことから,多発性高分化型脂肪肉腫が悪性顆粒細胞腫様に脱分化した脂肪肉腫と考えられた.
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日本大腸肛門病学会雑誌 56(4) 170-173 2003年4月1日従来法による経肛門的局所術(27例)と病変部位をより肛門側に移動させて切除を行う新しい手技並びに新しい開肛器と自動縫合器の使用を組み合わせたminimally invasive transanal surgery(MITAS)による局所切除(89例)の周術期の成績をretrospectiveに検討した.両群の年齢,性別,腫瘍最大径に差はなかった.腫瘍は,MITAS群(肛門縁より平均9,9cm)で従来法群(4.5cm)に比し有意に高位に位置するにも関わらず(p<0.01),手術時間(従来法,平均44分,MITAS25分,p=0.002)と出血量(従来法,平均45m1,MITAS14m1,,p=0.003)は有意に少なかった.筋層以深の切除がなされた症例は,MITAS群で有意に多く(p<0.01),術後の経口摂取までの日数もMITAS群で有意に短縮していた(p<0.01).MITASは従来法の局所切除術に比し,高位の腫瘍にも到達可能であり低侵襲な術式であることが示された.
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日本大腸肛門病学会雑誌 56(4) 166-169 2003年4月1日直腸癌に対する低位前方切除術後3年半で,吻合部口側腸管の壊死により腹膜炎を来たした1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.症例は69歳の女性で,嘔気,腹痛を主訴に来院した.3年半前にRb直腸癌に対する低位前方切除術(D3)の既往がある.来院時には左下腹部に軽度の圧痛を認め,腹部単純X線写真では軽度の小腸ガスを認めた.イレウスの診断で保存的治療を開始したが,ガス像が改善せず筋性防御も出現したため腹膜炎の診断で手術を施行した.開腹すると吻合部口側腸管に約20cmにわたって壊死を認めたが,明らかな腸管の穿孔は認められなかった.口側は粘膜面の正常な横行結腸中半付近で切離し,人工肛門を造設した.肛門側は健常直腸部で切離閉鎖した.術後肺炎,腎不全,汎血球減少などの合併症を認め,術後8カ月目に死亡した.
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日本腹部救急医学会雑誌 = Journal of abdominal emergency medicine 23(3) 505-508 2003年3月31日
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日本大腸肛門病学会雑誌 56(3) 123-127 2003年3月1日異所性子宮内膜症は比較的稀であり,外科的治療の対象となることは少ない.著者らはS状結腸に発生した異所性子宮内膜症を腹腔鏡補助下手術にて切除した一例を経験したので報告する.症例は42歳の女性で,月経時下血を主訴に近医を受診した.近医での大腸内視鏡と注腸ではS状結腸に高度の狭窄像を認め,生検で異所性子宮内膜症と診断した.約6カ月間のホルモン療法に抵抗性であったため,外科的治療の適応と考え,術後早期退院を目標とし腹腔鏡下で両側付属器切除,S状結腸部分切除を施行した.病理組織学所見では,結腸の筋層に浸潤する子宮内膜の増生を認め,異所性子宮内膜症と診断された.術後間痛も軽度であり,早期離床可能であった.術後は周期的な下血や腹痛は認めておらず,軽度の更年期症状を呈するのみで経過は良好であった.
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日本腹部救急医学会雑誌 23(3) 505-508 2003年極めてまれな腹壁正中ヘルニア嵌頓例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. 症例は80歳女性で. 1~2年程前から臍上部の腫瘤を自覚したが放置していた. 最近になり間欠的腹痛を伴い来院した. 上腹部に手拳大の腫瘤を触知し, 腹部CT検査で正中の筋膜欠損部より横行結腸が脱出, 嵌頓していた. 腹壁正中ヘルニア嵌頓の診断で緊急手術を施行した. ヘルニア門まで剥離後, 嚢を開放したところ, 内容は横行結腸および大網であった.壊死所見は認められなかったため, 腹腔内に還納可能で他に筋膜欠損部がないことを確認後, 前鞘と後鞘を2層に縫合し, ヘルニア門を閉鎖した. 術後は経過良好で現在まで再発は認められない. 腹壁正中ヘルニアは本邦では比較的まれな疾患であり, 結腸嵌頓例は極めてまれで定型的な術式がない. 詳細が明らかな本邦62例の集計も合わせ文献的考察を加えて報告する.
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日本臨床外科学会雑誌 64(4) 995-998 2003年脂肪肉腫の一部が,悪性顆粒細胞腫様の脱分化を示した稀な症例を経験したので報告する.症例は84歳の女性で,腹部膨満を主訴とし,卵巣腫瘍の疑いで手術が施行された.小腸腸間膜に約10cm大で黄色調の腫瘍Aと後腹膜に約15cm大で内部に出血壊死を伴う腫瘍Bを認め,両腫瘍に連続性はなかったため別々に摘出手術を施行した.術前のCT, MRI検査でも,二つの腫瘍A, Bが認められ内部構造が異なっていた.組織所見では,腫瘍Aは胞体内に大小の脂肪空胞を有し,異型lipoblastの増生がみられる高分化型脂肪肉腫の像であった.一方,腫瘍Bは,ジアスターゼ消化性PAS陽性の好酸性顆粒を有し,脂肪染色陰性で悪性顆粒細胞腫様の像を示したが,その辺縁に脂肪組織の異型細胞が認められたことから,多発性高分化型脂肪肉腫が悪性顆粒細胞腫様に脱分化した脂肪肉腫と考えられた.
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日本臨床外科学会雑誌 64(4) 883-887 2003年小腸腫瘍は稀だが,発症時には診断および治療に難渋することが多い.著者らは下血で発症し,腹腔鏡下に病変を確認し,切除しえた回腸脂肪腫の1例を経験したので本邦報告例の集計と共に報告する.症例は75歳,女性で,大量の下血を主訴に救急車にて搬送された.患者は半年前にも同様の症状で入院,精査が行われていた.大腸内視鏡検査で回腸よりの出血が疑われたが,小腸造影, CTなどでは原因病変を指摘できなかった.その後も大量の出血を間歇的に認めたため,原因疾患の検索と治療を目的に腹腔鏡下に腹腔内観察を施行した.バウヒン弁から約90cm口側の回腸に漿膜に異常はないが,他の部位に比べ膨隆した所見を認め,回腸腫瘍と診断し,腹腔鏡補助下に回腸部分切除術を施行した.病変は2.5×2.1×3.5cmの亜有茎性,黄色調の腫瘍で,頂部に潰瘍を認め,組織学的に脂肪腫と診断された.経過は良好で,術後4年経過した現在まで出血はなく健存中である.
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日本腹部救急医学会雑誌 = Journal of abdominal emergency medicine 22(7) 1083-1086 2002年11月30日
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臨床外科 = Journal of clinical surgery 57(6) 765-769 2002年6月
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日本大腸肛門病学会雑誌 54(8) 569-574 2001年8月会陰部血管腫は報告例も少なく,非常に稀な疾患である.著者らは陰茎・陰嚢皮下,会陰部肛門周囲から直腸周囲骨盤腔内におよぶ広範な血管腫に対し,各種画像診断をもとに保存的治療を選択した症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.症例は18歳の男性で,主訴は肛門痛,排便時出血,高熱であった.出生時より会陰部に赤褐色の小腫瘤を認め,小児期より週に1度程度の割合で排便時の激痛,出血と高熱を呈し,近医にて抗生物質の内服薬を投与され軽快していた.5歳時に会陰部の血管腫の治療を受けたが,治療後も徐々に会陰部の腫瘤は増大し,主訴が持続するため紹介入院となった.各種画像所見にて完全摘出が困難な広範囲な会陰部血管腫と診断した.年齢および社会的背景を考慮して,保存的加療を行った.現在症状は消失している.広範な会陰部血管腫は稀であるが,不容易な治療は不幸な転帰を招来する可能性があり,治療法の選択は慎重に行うべきだと考えられた.
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日本大腸肛門病学会雑誌 54(7) 489-492 2001年7月1日骨盤内への放射線治療は,しばしば放射線腸炎を引き起こし,時に難治的な下血により大量の輸血を必要とする場合がある.著者らは,放射線直腸炎の晩期障害に対し,サラゾピリン,ステロイド投与などの保存的治療に抵抗し,下血を繰り返し大量の輸血を要した患者に,エカベトの注腸投与を行い炎症の改善を得た症例を経験したので報告する.症例は,66歳の男性で,膀胱腫瘍に対し,65.2Gyの放射線治療を受け,照射後15カ月後より下血を認めるようになった.貧血のため入院し,禁食,サラゾピリン,ステロイドの投与により一時的に炎症は改善したが,食事を摂取しての外来通院では,下血と輸血を繰り返した.放射線直腸炎の晩期障害に対しエカベト1gを50mlの微温湯に混濁し,1日2回注腸投与により,食事を摂取しているにもかかわらず炎症の改善と貧血の進行が抑えられた.今後,本療法が放射線直腸炎の新たな治療法となる可能性もあり報告する.
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臨床外科 = Journal of clinical surgery 56(6) 747-751 2001年6月
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日本大腸肛門病学会雑誌 54(4) 267-272 2001年4月仙尾部奇形腫は新生児期に発見され手術されることが多く,成人例は稀である.われわれは手術体位や到達法の選択において,嚢胞造影併用ヘリカルCTの多断面再構成像(MPR)及び三次元像(3D)が有用であった成人仙尾部成熟型奇形腫の1例を経験したので報告する.症例は52歳の男性で,殿部の圧迫感を主訴に受診した.注腸,MRIなどの検査所見により仙尾部嚢胞性腫瘍と診断した.術前施行した嚢胞造影併用ヘリカルCTのMPRにて任意の断面にて腫瘍及び周囲臓器を観察,3Dにて仙尾骨及び骨盤との関係をシュミレーションし,体位,到達法を決定した.体位はjack-knife位とし経仙骨的に腫瘍及び尾骨と第5仙椎を摘出したが,容易に,確実に手術が訂能であった.患者は術後,排便排尿機能障害を呈することもなく良好に経過した.
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日本パラプレジア医学会雑誌 = The journal of the Japan Medical Society of Paraplegia 14(1) 16-17 2001年4月1日
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日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association 61(11) 3026-3030 2000年11月25日結腸内分泌細胞癌は悪性度が高く,早期に他臓器転移をきたし,高度に進行した状態で発見され,きわめて予後不良である.われわれは異時性多発結腸早期癌と上行結腸内分泌細胞癌(mp, ly0, v0, n0)に根治術を行い,術後2年5カ月の現在再発を認めない1例を経験した.内分泌細胞癌と早期結腸癌との合併は本邦において検索し得た限り報告はなく,稀な症例と思われるので報告する.症例は69歳の女性で,横行結腸早期癌で横行結腸切除術の既往がある.術後定期検査の下部消化管内視鏡検査で,上行結腸にIIa型早期癌と,その口側上行結腸に約2cm大の黄色調で陥凹を伴う隆起性病変(生検:腺腫)を認めた.口側腫瘍は注腸造影検査などの所見より進行癌も否定できず外科的切除を施行した.術後病理診断にて, IIa病変は高分化腺癌,口側腫瘍は内分泌細胞癌と診断した.
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日本大腸肛門病学会雑誌 53(10) 979-983 2000年10月1日Rectoceleは,直腸前壁が前方に突出した形態学的異常の状態で,症例によっては排便障害などの原因になる.有症状のrectoceleは,主に排便困難などの症状を呈し,治療の対象となる.治療は,まず保存的治療を行い,改善がみられない場合に外科的治療を選択する.rectoceleに対する外科的治療として,これまで経膣的もしくは経肛門的に余剰の直腸壁や膣壁を切除,縫縮する術式が行われているが,術後の排便機能の改善が不十分な例や,直腸壁の突出が十分改善されない例がみられる.さらにrectoceleにしばしば合併する便や尿の失禁に対しては,従来の術式では十分対応できないことが多い.著者らは,保存的治療で改善しない有症状のrectoceleに対して,経膣的に余剰な膣壁の切除縫合と同時に,恥骨直腸筋および肛門挙筋の縫縮を行うanterior levatorplastyやsphincter plicationを付加した治療を行い良好な結果を得ている.
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日本性機能学会雑誌 = The japanese journal of Impotence Research 15(2) 303-304 2000年9月15日
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日本大腸肛門病学会雑誌 53(4) 231-236 2000年4月灌注排便(洗腸)の実態と洗腸患者の灌注排便法に対する認識,評価についてアンケート調査を行った.対象は,オストメイト91人で洗腸経験者は92.4%で,5年以上洗腸例は62.4%,洗腸施行例の76.5%が60歳以上と高齢で,82.4%が常時洗腸を行っており,多くのオストメイトが洗腸継続を前提とした排便管理を念頭においた不安を感じていた.病院以外で洗腸指導例が8%以上あり,情報提供の不十分さが示唆された.洗腸間隔は,91.8%で1回/1~3日の頻度で,男性は女性に比し,毎日洗腸の頻度が多い傾向にあり,1回/2日であった頻度は有意に少なかった(p=0.002).注入液量は500~1000mlが63%と最も多く,1,000ml以上も15.3%存在し,注入速度100m1/分以上例も多かったが,トラブルもなかった.女性はガス音を男性に比し有意に気にした.とくに非常時に対する不安が注目された.洗腸法の実態,利点・欠点,患者の不安などを認識し,指導と情報提供が必要と考えられた.
書籍等出版物
18講演・口頭発表等
379作成した教科書、教材、参考書
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件名-終了年月日2010概要標準外科学 「小腸および結腸」p 528-544を分担執筆