星長 清隆, 白木 良一, 樋口 徹, 市野 学, 深見 直彦, 伊藤 徹, 永 裕彰, 丸山 高広, 加藤 忍, 泉谷 正伸, 堀場 優樹, 名出 頼男
今日の移植 11(6) 787-789 1998年11月
移植腎の温阻血時間は1分から52分(平均10.3分),総阻血時間は325分から2603分(平均1058分)であった.immediate functionを認めたものは18例のみで,54例では移植後に利尿は得られず,平均12.4日間の術後透析のあとに移植腎機能が回復した.また,1例はドナー由来のDIC腎で移植後全く腎機能が発現せず,術後9日目に移植腎を摘出した.腎移植後の死亡例は5例で,死因は消化管出血(1例),肝硬変(2例),悪性腫瘍(2例)であった.また死亡以外の腎機能喪失の原因は4例が慢性拒絶反応,1例がnon-complianceで,5例とも透析に再導入となった.その結果,移植後1年,3年,5年の患者生存率はそれぞれ97.1%,95.6%,91.1%で,移植後1年,3年,5年の腎生着率はそれぞれ95.7%,94.2%,83.2%であった