山本智支, 乾和郎, 片野義明, 三好広尚, 小林隆, 舘佳彦
臨床消化器内科 35(4) 403-406 2020年
<文献概要>MRCPによる膵・胆管合流異常の診断では,膵管と胆管が異常に長い共通管をもって合流するか,異常な形で合流することを確認することが必要で,共通管が比較的短い例では,ERCPなどの直接胆道造影で乳頭部括約筋作用が膵胆管合流部に及ばないことを確認する必要がある.「先天性胆道拡張症の診断基準」には,膵・胆管合流異常だけでなく,胆管径,拡張部位,拡張形態があり,そのなかで胆管径はMRCPなどの胆道に圧がかからない検査によって総胆管のもっとも拡張した部位の内径を測定する必要がある.MRCPでの描出不良の原因としては細い膵管や短い共通管,合流部・画像自体の描出不良,拡張した総胆管との重なりが挙げられている.膵・胆管合流異常,先天性胆道拡張症が疑われた際には,まず行われる検査としてMRCPが有用である.