友松 雄一郎, 芳野 純治, 乾 和郎, 若林 貴夫, 片野 義明, 小林 隆, 三好 広尚, 小坂 俊仁, 山本 智支, 松浦 弘尚, 成田 賢生, 鳥井 淑敬, 森 智子, 安江 祐二, 黒川 雄太, 細川 千佳生
胃と腸 48(13) 1873-1881 2013年12月
好酸球性食道炎(EoE)は,食道上皮に好酸球浸潤を認める慢性のアレルギー疾患である.当院で診断された17例のEoEを対象として,臨床像,内視鏡像,治療について検討した.平均年齢は49歳,男性が70.6%を占めた.主訴は胸やけが最も多く,次いで嚥下困難,つかえ感が続いた.内視鏡所見は縦走溝が最も多く,他に輪状溝,白斑を認めた.病理組織学的所見では,食道上皮に著明な好酸球浸潤(≧15/HPF)を認めた.治療は,PPIを第一選択とし,有効4例,無効6例であった.PPIが無効であった6例のうち,4例にステロイド治療を実施したところ,全例に有効であった.近年,本疾患の罹患率は増加している.日常診療において本疾患に遭遇する機会は増すと考えられ,今後,内視鏡医や病理医には,本疾患に対する認識を高めていくことが求められる.(著者抄録)