乾 和郎, 芳野純治, 若林貴夫, 三好広尚, 小林 隆, 服部信幸, 小坂俊仁, 友松雄一郎, 山本智支, 松浦弘尚, 成田賢生, 鳥井淑敬, 森 智子
肝胆膵画像 13(7) 711-715 2011年
膵石により膵管内圧が上昇して疼痛の原因になり,さらに慢性膵炎の病態を悪化させる.膵石を除去することで疼痛の軽減と慢性膵炎の進行が抑制できると考えられる.膵石の非手術的治療にはESWLと内視鏡治療があり,ESWLの適応は主膵管または副膵管内に結石が存在し,腹痛を訴えるものである.特に主膵管に結石が嵌頓して膵炎再燃を繰り返す症例が第一選択である.内視鏡治療の適応は主膵管内に浮遊する大きさ5〜6mm大の結石である.両者を併用することで膵石消失率は70%以上,症状緩和率も90%以上と成績良好な成績が報告されている.ただし,再発率が高いと報告されており,膵管ステンティングなどの予防策が今後の課題である.(著者抄録)