三好広尚, 乾和郎, 芳野純治, 若林貴夫, 奥嶋一武, 小林隆, 中村雄太, 渡邉真也, 服部昌志, 内藤岳人, 木村行雄, 服部信幸, 小坂俊仁, 塩田國人, 磯部祥, 友松雄一郎, 山本智支, 成田賢生
肝胆膵画像 10(5) 387-391 2008年 筆頭著者
PTCSは胆管狭窄の鑑別診断,胆管癌における表層拡大進展診断に有用な検査法である.悪性胆管狭窄の内視鏡所見は発赤粘膜,結節状,乳頭状隆起の増殖所見,新生血管である.ただし,一部でこれらの所見が認められない場合がある.また,チューブの接触,狭窄部の拡張術後,肝内結石を内視鏡的截石後ではアーチファクトにより内視鏡診断が困難な場合がある.表層拡大進展診断のためには,内視鏡で観察しながら異常部位の狙撃生検を行い,かつ複数の生検標本を採取することが必要である.腫瘍部から連続する乳頭状粘膜,顆粒状粘膜,発赤調粘膜,不整血管を伴う場合には,表層拡大進展を疑って選択的に生検を行うことでより正確な診断が可能である.しかし,生検組織が小さく,胆汁による変性やカテーテルの接触,圧排などの影響,表層拡大進展部では細胞異型や構造異型が軽度な症例もあり,診断に難渋するといった問題点もあり,内視鏡診断と生検診断を相補的に行う必要がある.(著者抄録)