服部昌志, 乾和郎, 芳野純治, 若林貴夫, 奥嶋一武, 小林隆, 三好広尚, 中村雄太, 渡邉真也, 内藤岳人, 木村行雄, 服部信幸, 小坂俊仁, 磯部祥, 友松雄一郎, 山本智支, 成田賢生
消化器内視鏡 20(12) 1831-1835 2008年
経乳頭的な膵液細胞診、生検の適応は、膵癌を疑う症例、IPMNの鑑別診断などにある。膵液細胞診では、造影用カテーテルを用いて膵液を吸引する方法や、ブラッシング細胞診があげられる。膵管生検も含めて、無理に挿入することは危険であり、ガイドワイヤー下で挿入する方法が安全である。経乳頭的胆汁細胞診、生検の適応は、胆管狭窄や陰影欠損像など、胆管癌を疑う症例などにある。胆汁細胞診にはERCPに引き続き、胆汁を採取する方法、ENBD留置下で胆汁を吸引する方法やブラッシング細胞診がある。生検のための処置具には、両開き鉗子と片開き鉗子があるが、最近では狭窄部をカップ内に挟み込んで組織を生検する全周性生検カップMighty Bite生検鉗子、ガイドカテーテルの側孔から生検鉗子が斜め前方に出てくるHowell biliary introducerが使用され、良好な成績が報告されている。(著者抄録)