三浦 正剛, 芳野 純治, 乾 和郎, 若林 貴夫, 奥嶋 一武, 小林 隆, 三好 広尚, 中村 雄太, 加藤 芳理, 内藤 岳人, 永田 正和, 神谷 直樹, 服部 信幸, 近石 敏彦, 服部 昌志, 鎌田 倫子, 中澤 三郎, 服部 外志之, 井上 貴夫, 小田 雄一
消化器医学 2 33-38 2004年10月
Multidetector-row CT(MDCT)を用いたVirtual Colonoscopy(VC)による大腸スクリーニング検査について検討した.対象は,VCが行われた299例(男女比1:1.3,平均年齢62.9歳)であった.VCで37例に59病変(進行大腸癌4,早期大腸癌3,粘膜下腫瘍1,ポリープ51)が指摘され,その後,大腸内視鏡検査(CF)を行った54例中32例に63病変(進行大腸癌4,早期大腸癌4,粘膜下腫瘍1,ポリープ54)が確認された.CFをGold StandardとしたVCの存在診断能はSensitivity 61.9%で,大きさ別の存在診断能は5mm以下34.5%,6〜10mm63.6%,11mm以上100%と,6mm以上の病変に限るとSensitivity 75.8%であった.CFで発見された大腸癌は2型癌4,I sp型癌2,I p型癌2で,VCでは長径10mm以下のI sp型癌1,I p型癌2は存在診断はできたが,有茎性ポリープとの鑑別が困難であった.以上,VCは10mmを超える病変の大腸スクリーニング検査に有用と考えられた