加藤芳理, 芳野純治, 乾和郎, 若林貴夫, 奥嶋一武, 小林隆, 三好広尚, 中村雄太, 中沢三郎
消化器医学 2 19-26 2004年
3次元超音波内視鏡(3D-EUS)で測定した胃癌体積と深達度,リンパ節転移との関係について検討した.対象は,3D-EUSを行った胃癌150例(M癌48例,SM癌26例,MP癌22例,S以深癌54例)であった.胃癌の平均体積はM癌0.33cm3,SM癌1.14cm3,MP癌5.0cm3,S以深癌13.11cm3で,深達度が深くなるほど増加していた.リンパ節転移検索を行った101例中陽性例はM癌0/42例,SM癌3/22例,MP癌10/18例,S以深癌15/19例で,リンパ節転移陰性例と陽性例の平均体積は各々1.91cm3,8.23cm3と有意差を認め,腫瘍厚との関係では陽性例で厚い傾向であった.SM癌では未分化癌が陰性で7例(36.8%),陽性で1例(33.3%),潰瘍瘢痕は陰性で8例(42.1%),陽性で2例(66.7%)にみられ,体積では体積の大きい3例が陽性であり,腫瘍厚では陰性例に陽性例より厚い例が8例を認めた.以上,これらのことからも体積が腫瘍厚よりもよりリンパ節転移に関与していると考えられた