大谷 弘行, 芳野 純治, 乾 和郎, 若林 貴夫, 奥嶋 一武, 小林 隆, 三好 広尚, 中村 雄太, 三浦 正剛, 三戸 隆, 加藤 芳理, 高田 正夫, 江藤 奈緒, 永田 正和, 野村 幸伸
日本高齢消化器医学会議会誌 4(2) 47-51 2002年10月
急性胆嚢炎にて入院加療した高齢者における臨床的背景について非高齢者と比較検討した.対象は非高齢者53例,前期高齢者22例,後期高齢者24例であった.入院時の総ビリルビン,γ-GTP,GOT,GTP,WBC,CRP,細菌検出率,治療法,入院後の栄養状態,摂食状態の変化を各群間に分けて比較検討した.各群間で検査項目に有意差がなかったが,高齢者で白血球が正常範囲内である症例が10%に存在し,起炎菌検出率は非高齢者より高齢者の方が高率であった.従って高齢者は白血球数に捉われず,総合的に判断すべきと思われた.又,高齢者は食事開始後の摂食量が低く栄養状態の改善が遅い為,栄養状態の変化に注意を払う必要があった