奥嶋 一武, 山田 一成, 芳野 純治, 乾 和郎, 三好 広尚, 中村 雄太, 中澤 三郎, 廣瀬 光彦, 岩間 浩美, 小島 洋彦
日本消化器集団検診学会雑誌 39(1) 38-43 2001年
胆嚢癌および膵癌における超音波集検の意義について検討した。当科で経験した胆嚢癌50例中集検例は9例(18.0%), 非集検例は41例 (82.0%) であった。集検例はStage IV 22.2%, 切除率100%, 非集検例はStage IV31.7%, 除率80.1%であった。集検の胆嚢癌発見率は0.006% (4/70,726例) で, StageIが75.0%を占めた。当科で経験した膵癌72例中集検例は3例(4.2%), 非集検例は69例 (95.8%)であった。集検例はStage IV0%, 切除率100%, 非集検例はStage IV72.5%, 切除率40.6%であった。集検の膵癌発見率は0.006%(4/70,726例)で, 50.0%がStage Iであった。集検のUSで膵癌疑いの症例は2.1%(574/27,770例)で, このうち膵癌は0.35% (2/574例)であった。血清アミラーゼ異常値例は0.76%(210/27,770例)で, このなかに膵癌はなかった。集検は救命可能な胆嚢癌, 膵癌の発見に有意義である。しかし, 膵癌の偽陽性を減らすため超音波所見の判定基準について検討が必要である。