木曽原 悟, 諸岡 正史, 美濃和 茂, 外山 宏, 駒井 哲之, 前田 寿登, 古賀 佑彦, 澤井 剛, 加藤 正基, 矢崎 雄彦
日本小児腎臓病学会雑誌 12(1) 59-63 1999年
小児腎疾患患児14症例 (ネフローゼ症候群3名,慢性糸球体腎炎2名,膀胱尿管逆流 (VUR) 9名) に対して99mTc-MAG3連続回転SPECT法による腎シンチグラフィを施行した。deconvolution analysisにより伝達関数を求め平均通過時間 (MTT) を算出し,排泄機能の評価を行った。また,静注直後2分間のSPECT画像を作製し,腎実質の形態について99mTc-DMSAのSPECT画像および後面像と比較して,限局性の集積低下の検出能を評価した。MTTは慢性腎炎活動期やネフローゼ症候群回復期,高度VUR症例で延長を認めた。形態的評価では乳児でのみ,99mTc-DMSAのSPECT像と比べてやや検出率が低かった。99mTc-MAG3 SPECT像は小児の腎疾患において短時間で,腎の排泄機能および形態を同時に評価可能な検査と して有用である と考えられた。