大屋富彦, 水野暢子, 三吉友美子
日本ヒューマンヘルスケア学会誌 4(2) 25-35 2019年7月 査読有り
目的・方法:急性期病棟に勤務する新人看護師が清拭の援助過程で入手した情報とその活用の特徴を明らかにするために,半構造化面接を行い,質的帰納的に分析した.結果:新人看護師は,【生体機能の維持】と【皮膚・粘膜の状態と環境】,【創傷や留置物の存在】,【身体活動】,【身体的苦痛】,【援助に対して患者が抱く思い】,【患者の意思】,【退院に向けての見通し】,【治療や環境による制約】,【主治医や熟達者の判断】の情報を入手し,【清潔援助の必要性の判断】と【清潔援助の実施方法の検討】,【清潔援助の実施における安全対策】,【清潔援助における目標達成の評価】,【組織での協働を意識した行動】に活用していた.結論:新人看護師は,身体だけでなく心理,社会・生活にも目を向け,さらに類似した経験が不足する場面では熟練者のサポートを求めながら判断し,安全で安楽な看護ケアの提供を追及する専門職に必要な態度や思考を備えていた.(著者抄録)