高松 伸枝, 林 毅, 近藤 康人, 小倉 和郎, 成瀬 徳彦, 平田 典子, 鈴木 聖子, 安藤 仁志, 宇理須 厚雄, 田中 健一, 野村 孝泰, 犬尾 千聡, 中島 陽一, 柘植 郁哉
日本ラテックスアレルギー研究会会誌, 15(1) 49-52, Dec, 2011
オレンジアレルギー患者3例を経験したので、アレルゲンの解析結果を含めて報告した。症例1は22歳女で、10歳頃からオレンジ摂取後に咽頭のそう痒感・違和感が出現するようになった。症例2は17歳男で、3歳時に喘息で入院していたときオレンジ摂取によって口周囲に発赤・発疹が出現した。学童期から花粉症がひどくなり、オレンジを食べるたびに咽頭のそう痒感・イガイガ感が出現するようになった。症例3は31歳女で、学童期からスイカ・メロン摂取による咽頭そう痒感があり、17〜18歳頃からオレンジでも発症するようになった。3例とも全身症状は認めなかった。アレルゲン解析の結果、各種タンパクバンドのうち2例以上が反応したバンドは、13kDa、18kDa、23kDa、37kDa、53kDa付近にあった。2例は花粉症があり、他の1例もスギ花粉に感作されていたことから、スギ花粉との関連について検討した。その結果、オレンジ13kDa・75kDaタンパクに対するIgE結合がスギ花粉の添加によって抑制された。