米本 倉基, 坂田 裕介, 村田 幸則, 加藤 憲
東海病院管理学研究会年報 25 60-65 2018年11月
病院組織の事業継続計画(BCP)に活かす知見を得るために災害時の看護組織に焦点を当て、組織的ストレス緩和策に監視て質問紙調査を実施した。広域的な災害であった東日本大震災に注目し、ランダムにデータ収集可能なWebによるアンケート調査を実施した。調査期間中に200名(男性看護師39名、女性看護師161名)から有効回答を得た。組織的ストレス緩和策は概ね2割程度の組織で実施されていた。ピア(同僚)サポート等の現場レベルでの自発的行動で行われたストレス緩和策の傾向が強く、組織からの明確で意図的な介入行動は不十分であったことが明らかになった。また、災害時の自主出勤基準、セルフ・ケア、リーダーシップ、心のケアチームの存在はあまり認知されておらず、その必要性の認識が不十分であることが示唆された。大規模災害時に組織内でおこりやすい症状に関する知識についても、事前に学ぶ機会を設ける必要があると考えられた。