桜井 一生, 宮城島 正和, 加藤 久幸, 加藤 小百合, 岡田 達佳, 堀部 晴司
耳鼻と臨床 47(2) 94-97 2001年3月
stage I,IIの早期喉頭癌の放射線治療後にリンパ節再発のみを来した4症例(66歳男,47歳男,82歳女,68歳男)を報告し,再発頻度と治療について考察した.再発頻度は2.8%であった.発生部位は声門2例,声門上,声門下各1例で,T分類はT1が3例,T2が1例であった.再発部位は頸部リンパ節3例,縦隔リンパ節1例であった.再発癌に対する治療は3例に頸部郭清術,1例に放射線治療を行った.転帰については,2例は腫瘍死したが,頸部郭清を行った2例は術後7年11ヵ月および5年2ヵ月経過現在,無再発生存中である.リンパ節再発は5ヵ月から2年2ヵ月でみられ,放射線治療後3年間は特に厳重な経過観察が必要と思われた