坂本 滋, 松原 純一, 四方 裕夫, 飛田 研二, 小林 昌義, 松原 寿昭, 永吉 靖弘, 西澤 永晃, 庄野 真次, 神野 正明, 小畑 貴司, 武内 克憲, 野中 利通, 清澤 旬
静脈学 13(5) 343-350 2002年11月
急性肺血栓塞栓症27例の病因,診断法,治療法を検討した.病因は深部静脈血栓症24例(88.9%),血液凝固異常3例(11.1%),診断は肺シンチ18/37(48.6%),肺動脈造影14/37(37.8%),造影CT 5/37(13.5%),治療は経末梢静脈線溶・抗凝固療法15例(55.6%),catheter directed thrombolysis 5例(18.5%),肺血栓塞栓摘出術4例(14.8%),経口的抗凝固療法7例(25.9%),永久的下大静脈フィルター留置13例(48.1%),内科治療23例中生存19例(82.6%),病院死亡3例(13%),遠隔期死亡1例(4.3%),外科治療4例は全例生存,遠隔期再発3例(13%)であった.ショック例は早期肺血栓塞栓摘出術,循環安定で有症状例は線溶・抗凝固療法,無症状例は経口的抗凝固療法,再発危惧症例は永久的下大静脈フィルターを留置した