渡邉 亜紀子, 宮腰 由紀子, 新美 綾子, 水越 秋峰, 西土 泉, 加藤 治実
日本福祉大学 全学教育センター紀要 (6) 117-127 2018年3月
看護学生にとり最初の臨地実習である「基礎看護学実習Ⅰ」は, 実際の看護活動を見学し自らも看護を行う重要な学習機会であり, 科目展開に関わる大学教員と臨地実習指導者は連携して看護学生を支援する必要がある. 本稿では, 看護学部設置後2 年間の実習準備期間・実習展開期間・実習終了後の各期における実習担当教員間・大学と実習病院間・大学教員と臨地実習指導者間の連携等の取り組みを, 学生の実習評価等に基づき分析・検討した. その結果, ①実習準備期間の連絡調整会議で実習指導担当者間の認識が共通化され, ②実習展開期間に大学教員による病棟での指導が学生の学習に好影響を与え,③実習終了後の学生実習報告会への臨地実習指導者の参加ならびに連絡調整会議での実習評価が実習効果の向上と今後の連携強化に貢献したこと, が示唆された. 今後の課題として, 実習展開中の学生の学習取組み及びコミュニケーション力の強化対策の検討の必要が指摘された.