尾本 百香, 松浦 大輔, 遠藤 未希, 中村 政志, 佐藤 奈由, 松永 佳世子, 葉山 惟大, 照井 正, 落合 豊子
皮膚科の臨床, 60(13) 1978-1981, Dec, 2018
<文献概要>40歳,女性。ヒマワリの種含有のシリアルバーを摂取後,咽頭違和感,蕁麻疹,呼吸苦,嘔吐,下痢が出現した。幼少時に小鳥の飼育歴がある。大学生のときに米国でヒマワリの種の殻を素手で割って頻回に食べていた。プリックテストでヒマワリの種に陽性であった。ヒマワリの種粗抗原によるプリックテストでは濃度依存性に陽性であった。ヒマワリの種の感作抗原からのIgE-イムノブロット法による検索では,患者血清中に16〜17kDaの蛋白質に反応するIgEの存在が確認された。ヒマワリの種の摂取を中止後再発はない。近年,本邦においても食用に加工したヒマワリの種が販売され,摂取する機会が増えている。アナフィラキシーの原因の1つとしてヒマワリの種にも留意すべきである。