近藤 康人, 川井 学, 矢上 晶子, 相原 道子, 池澤 善郎, 大矢 幸弘, 北林 耐, 斎藤 博久, 柴田 留美子, 内藤 徹, 萩原 敬彦, 原田 晋, 秀 道広, 松永 佳世子, 宮坂 勝之, 赤澤 晃, 日本ラテックスアレルギー研究会
日本ラテックスアレルギー研究会会誌 19(2) 41-43 2015年12月
著者らは15年前と同様の方法でラテックスアレルギーに関するアンケート調査を2015年度に実施した。今回、2次調査で回収できた25名の患者背景について1999年の81名と比較した。その結果、1)年齢分布は前回調査の1999年と比べ、10歳未満の割合が増加し、20歳代の割合が減少していた。2)主なリスクファクターに関しては看護師の割合が減少し、それに代わりアトピー体質、医療処置を繰り返すことが浮上していた。3)症状を起こした原因抗原については医療用手袋の件数は減少していたが、日用品ゴム手袋、ゴム風船、カテーテルなどの件数は1999年とほぼ同程度であった。4)誘発症状の割合は1999年と同様で部分蕁麻疹が最も多かった。合併症としてはアトピー性皮膚炎の合併率が増加し、気管支喘息が減少していた。5)診断手技においては使用(装着)試験の実施頻度が減少していた。6)ラテックス-フルーツ症候群の合併率は増加し、原因果物はバナナ、キウイ、アボカドの占める割合が多かった。