佐野 晶代, 秋田 浩孝, 清水 善徳, 鈴木 加余子, 吉川 哲史, 松永 佳世子
皮膚の科学 10(1) 50-54 2011年2月 査読有り
2歳,女児。39℃台の発熱,全身の不定形発疹,頸部リンパ節腫脹,眼球結膜充血,口唇の潮紅を認め川崎病と診断された。アスピリン30mg/kg/day内服,γグロブリン2g/kg/dayにより治療を行い,川崎病は治癒した。その後,掌蹠に皮疹が出現した。膝周囲を中心とした四肢に角化性毛孔一致性の丘疹と掌蹠に落屑を認めた。皮膚生検組織像では,表皮突起の規則的な延長と真皮乳頭層における血管拡張,浮腫を認め,滴状乾癬と診断した。吉草酸酢酸プレドニゾロン含有軟膏を外用し当科初診から2ヵ月後に皮疹は消退した。滴状乾癬と川崎病の共通の病因として細菌感染のスーパー抗原が考えられており,両者の合併は興味深いと考え報告した。(著者抄録)