山本 新吾, 金丸 聰淳, 小川 修, 石川 清仁, 星長 清隆, 岩村 正嗣, 佐藤 威文, 馬場 志郎, 松川 雅則, 竹山 康, 塚本 泰司, 清田 浩, 小野寺 昭一, 頴川 晋, 門田 晃一, 公文 裕巳, 江頭 稔久, 内藤 誠二, 田中 一志, 荒川 創一, 守殿 貞夫, 安田 満, 石原 哲, 出口 隆, 山田 陽司, 村谷 哲郎, 松本 哲朗
泌尿器科紀要 50(11) 779-786 2004年11月
泌尿器科周術期における抗菌薬の使用方法についてのアンケートを報告した.対象は,全国242施設の泌尿器科医局で,周術期の抗菌薬使用方法についてアンケート調査を行った.その結果,149施設149名より回答(61.6%)を得た.149名の経験年数は平均18.9年,149施設の泌尿器科病床数は平均22.4床,泌尿器科常勤医師数は平均2.6人,45施設(30%)で「周術期感染症阻止薬プロトコール」が規定されていた.抗菌薬投与のタイミングは「手術開始30分前〜開始直前」が92%,「術中の追加投与」は44%であった.抗菌薬はペニシリン/第1・2世代セフェムを第一選択としたのは消化管利用手術で78%,他の術式で約90%,投与期間は3日以内が60〜90%であった.内服抗菌薬の追加投与は50〜60%,投与期間は消化管利用手術で7日以上,他の術式では5〜7日であった.以上,泌尿器科医師の周術期感染阻止薬に対する意識は標準化されてきたと考えられた