柳 英利, 山本 壱弥, 鈴木 裕二, 福井 教之, 北垣 和史, 小西 治美, 山田 沙織, 堀池 聖子, 藤井 沙也子, 高潮 征爾, 大原 貴裕, 中尾 一泰, 熊坂 礼音, 荒川 鉄雄, 福井 重文, 簗瀬 正伸, 中西 道郎, 後藤 葉一
心臓リハビリテーション, 24(1) 30-36, Mar, 2018
【目的】心臓再同期療法(CRT)装着心不全患者の心臓リハビリテーション(心リハ)における運動耐容能(Peak VO2)改善効果は非デバイス患者に比べて不良か否かを検討する。【方法】心リハに参加した心不全患者176例中、CRT装着38例(CRT群)とデバイス非装着138例(非デバイス群)を比較した。【結果】CRT群は非デバイス群より低心機能、Peak VO2低値であった。心リハ3ヵ月後、両群でPeak VO2は有意に改善し、改善率に差を認めなかった。重回帰分析のPeak VO2改善率不良規定因子は、開始時最高心拍数低値、開始時Peak VO2高値、心不全入院既往であり、CRT装着は規定因子ではなかった。【結論】CRT装着心不全患者は、非デバイス患者に比べ心不全病態は重篤であるが、心リハ後に非デバイス患者と同等のPeak VO2改善を期待できる。特に運動耐容能が低い例ではより大きな改善効果が期待できる。(著者抄録)