北垣 和史, 山本 壱弥, 鈴木 裕二, 福井 教之, 柳 英利, 小西 治美, 熊坂 礼音, 荒川 鉄雄, 大原 貴裕, 福井 重文, 中尾 一泰, 高潮 征爾, 簗瀬 正伸, 中西 道郎, 中谷 武嗣, 後藤 葉一
心臓リハビリテーション 22(1) 65-70 2016年6月
【目的】心臓移植術後患者の心臓リハビリテーションにおける下肢筋力と運動耐容能の改善の関連を検討する。【対象と方法】心臓リハビリテーション(心リハ)に参加した心臓移植術後患者19例を等尺性膝伸展筋力の改善率の中央値(29.6%)を境界に筋力改善良好群10例と改善不良群9例(改善率41vs16%、p<0.01)とに分け、患者背景、運動耐容能指標を比較した。【結果】心リハ開始時の各指標に両群間で有意差はなかった。しかし筋力改善良好群は改善不良群に比べ、心リハ参加回数が多く(31vs22回、p<0.05)、Peak VO2改善率も大きかった(47vs22%、p<0.01)。また、筋力改善率、Peak VO2改善率、心リハ参加回数は、それぞれ相互に良好な正の相関を示した。【結語】心臓移植術後患者では下肢筋力改善が大きいほど運動耐容能改善が大きく、運動耐容能の改善には心リハへの積極的な参加が重要である。(著者抄録)