川上 友美

ダブルケアによる健康問題に影響する要因を明らかにするため、まず『ダブルケアによる健康問題尺度』(以下;尺度)を作成したうえで、ダブルケアをしている男女39名にアンケートを行い、「親の看取りの困難さを感じているか否か」「社会資源を活用しているか否か」「一人で介護しているか否か」「地域活動に参加しているか否か」について調査し、尺度の4因子【拘束】【閉塞】【不安】【圧迫】との関連について検討した。結果、【拘束】と「社会資源活用」「地域活動参加」との間に有意な関連が認められた。

介護者の介護負担要因を把握することを目的に、A県A地域の訪問看護ステーションを利用している要介護者の家族介護者を対象に、介度負担感の尺度であるZarit介護負担尺度短縮版、および精神・身体的要因の尺度であるCMI(Cornell Medical Index)を用いたアンケート調査を行い、53名(男性14名、女性39名)より有効回答を得た。介護負担感別に「高負担群」(15名)、「中等度負担群」(20名)、「低負担群」(18名)に分けて検討した結果、介護負担感と抑うつ症状である「気がやすまらない」「誰かに任せてしまいたい」「どうしていいか分からない」に有意な正の相関がみられた。